地形作成のコンプリートハンドブック: ND 編

使用バージョン:Houdini 19 制作: Nikola Damjanov  

このチュートリアルには、Houdini による地形の作成を理解するうえで必要になる情報がすべて詰まっています。HF (Height Field) ノードの基礎レイヤーとその機能に始まり、COP における生成済みマスクからのテクスチャ作成手順、同じく生成済みマスクを使ったジオメトリの配置、そして LOPnet と Karma による地形の適用とレンダリングまで紹介していきます。 

自分で選べる学習ルート

ご覧の通り、このチュートリアルシリーズは実際の本ではありませんが、一人ひとりが自分で選んだ好きなやり方で自由に進めることができます。 最後まで一続きに見るのも良いですし、 氷雪や溶岩、砂漠のいずれかのバイオームまでスキップして、特定の地形の作成手順を学ぶのも良いでしょう。

旅の目印はカラータグ
砂漠のバイオーム 溶岩のバイオーム 氷雪のバイオーム

Houdini の Height Field ツールに慣れていない方は、砂漠のバイオームのパートだけでも順番通りに見るようにしてください。その後、溶岩のバイオームや氷雪のバイオームの作成手順に進むと良いでしょう。どのバイオームにも上で示したカラータグが付いていますので、順序を気にせず進めたい時は、このタグをガイドにしてください。また、基本のワークフロー以外にも、便利なコツやヒントも紹介しています。独自のコツやヒントをご存じの方がいましたら、私もそこから学びたいので、教えてもらえると嬉しいです!
では、スタートです!

ツールリスト

このビデオチュートリアルシリーズでは多岐に渡るツールを紹介していきます。
COP と LOP はあくまでコンテクストですので、ここでは各コンテクストに用意されている、コンプやレイアウトのためのノードを見ていきます。

Heightfields

Labs

COPS

LOPS

01 導入 | 概要
このビデオコレクションの内容がどのようなものか気になる方は、上のボタンからプロジェクトファイルをダウンロードして、Houdini のセッションを開いてみてください。このパートでは、各環境の作成方法の大筋を、1本に凝縮して紹介しています。

02 HEIGHTFIELDS | 基礎
Houdini の地形ツールを初めて扱う人のために、バイオームの作成で使用していく、主な Height Field ノードを解説しています。最終的にはノイズやマスクを使って作業していきますが、その前に、制御方法を知っておく必要があります。

砂漠のバイオーム

03 | Heightfield (地形の高さ) の作成

始めにカーブを描いて山脈の形を決定し、その後、尾根や台地といったあらゆるディテールを少しずつ構築していきます。テクスチャの工程で重要になる、マスクの準備作業も行います。

04 | COP のテクスチャ
Height Field マスクの利点は、地形をスカルプトできるだけでなく、同じマスクで追加作業なしにその後のシェーディングまでできるところにあります。COP コンテクストに移動して、マスクを読み込み、コンポジットノードを使うところまで解説します。地図の制作で必要になる情報も付け加えていきます。

05 | ディテールのばら撒き
次に、岩を使って地形を装飾します。最初のばら撒きにはキューブを使います。最初は無個性なキューブが、特に VDB の処理を経ることで、特徴的な形を作り出していくのを見たら、きっと驚くはずです。

溶岩のバイオーム 

06 | HF のブレイクダウン
2D 軸という制約を持つ Height Field に、オーバーハングの地形を作る秘策を伝授します。ここではポストプロセシングを行って溶岩のディテールのみを残していきますが、このテクニックを覚えて、ノイズの種類と設定の調整で興味を引く効果を作れることを理解しておくだけでも良いでしょう。

07 | COP テクスチャのブレイクダウン
COP にマスクを読み込み、色を重ね合わせて合成する手法を、今度は溶岩に色をつけるために使っていきます。 Sample Screen Coloursを使って (参考画像などから) 手早く色を生成したい場合は、SideFX Labs をインストールしておいてください。

氷雪のバイオーム 

08 | HF のブレイクダウン
このチャプターでは固くなった雪を作り、段丘状の崖にディテールを造形していきます。もちろん、通常の準備作業として、後から COP に差し込んで、ディスプレイスメントや雪、色味の生成するためのマスクの書き出しも行っていきます。

09 | COP テクスチャのブレイクダウン
砂漠のバイオームと溶岩のバイオームのパートをすでにご覧になった方には、目新しいことは特にないかもしれません。もしまだであれば、VOP COP2 Filter や Composite、Color、Levels、Noise と、その他いくつかのノードを使ってCOP コンテクストでテクスチャを生成する方法を、ここからご覧いただけます。その全てが Houdini の中で完結します。

10 | 木の散布
Labs Tree ツールでベースとなる木を生成し、小さな森を作って散在させていきます。簡単な UV をいくつか用意し、そこから実際に雪山の地形全体にばら撒きを行います。そこで使っていくのは、ご推測の通り、もちろんマスクです。

シェーダ & レンダリング

11 | 砂漠のバイオーム 
この最後のパートでは、UV を貼ったジオメトリを用意し、そこに生成済みのテクスチャを適用していきます。ディスプレイスメントマップを使用していくため、作成するものはグリッドのみになります。その後、このグリッドとばら撒いた岩を LOP に読み込んでテクスチャ / マテリアルを構築し、鮮やかでシャープなピクセルを Karma でレンダリングしていきます。

12 | 溶岩のバイオーム
砂漠のバイオームと同じセットアップを使います。順番通りに進めたい方は、砂漠の動画まで戻ってください。岩石と溶岩のマテリアルネットワークを紹介してから、テクスチャマップの色を最終調整していきます。コントラストなどを若干引き締めて、最後の微調整を行います。

13 | 氷雪のバイオーム
UV を貼ったグリッドにディスプレイスメントマップを適用し、ジオメトリのディスプレイスを行います。また LOP に木を読み込み、Copy to Points Instance LOP によって地面に散らしていきます。SOP コンテクストで先ほど生成したポイントのばら撒きも、引き続き使っていきます。Karma ビューポートを使いながら、全ての要素を統合し、最終的な微調整を行います。