HYDRA STUDIOS
Hydra Studios は、元同僚であり、業界のベテランでもある 3 人が 2020 年に設立したスタジオです。
コアチームは Hydra の設立以前から Sava Zivkovic 氏との仕事をしたことがあり、現在のスタジオでも密に協力しています。短編映画「Beckoning」への参加を打診には Hydra Studios は喜んで引き受けました。

Sava Zivkovic 氏はサブテキスト、メタファー、純粋なビジュアルストーリーテリングにこだわるハイエンドのフォトリアル CGI 監督です。デザイナーや作曲家と密に協力し、コンテンツのあらゆる側面にストーリーを織り込んで、まとまりがあり豊かで濃厚な体験をつくり出します。最近では、個人プロジェクトの制作に UE5 を使いはじめたとのこと。最新作「Beckoning」のトレーラーは以下でご覧いただけます。

Sergio Caires 氏は、20 年以上のキャリアを持つ CG アーティストです。いち早く Houdini を導入したアーティストの 1 人で、2008 年には最初のトレーラーを Houdini で制作しました。Hydra Studios の共同設立者であり、CG チームのリーダーでもある Sergio は、常に高みを目指します。作品の細部にまで目を光らせると同時に、スタジオでの新ツールの開発にも意欲的です。

Debbie Ross 氏は、Hydra Studios のエグゼクティブプロデューサであり、共同設立者です。コンテンツ制作の経験は 30 年におよび、ここ 17 年ほどは CGI/アニメーションに携わっています。Debbie はプロジェクトの創造的なビジョンおよび意欲を重んじる一方で、実現可能性を見据えます。Hydra のクライアントおよび監督たちと協力して、Hydra が制作するコンテンツを検討し、明確化しています。
私たちは最近、Sava Zivkovic 監督の「BECKONING"」という映画を知りました。鑑賞者を引き付けるビジュアルストーリーテリングに秀でた監督で、そのプロジェクトの地形環境は Hydra Studios が手掛けたとのこと。プロジェクトの詳細に入る前に、Hydra Studios のメンバーについてお話しいただきましょう。チームについて、拠点、これまでに手掛けたプロジェクトなどを教えてください。
DEBBIE
ええ、Sava はクリエイティブで、目を見張るビジュアルに物語性をもたせるにはどうすべきかを心得ています。私たちは彼が大好きです!
Hydra を設立したのは、グラスゴーの Axis Studios で長年ともに働いてきた元同僚 3 人です。Sergio Caires は Hydra の CG スーパーバイザ、Mikas Sadauskas はパイプライン/R&D の責任者、そして私 Debbie Ross は Hydra のエグゼクティブプロデューサです。
私たちの在籍中に、Axis はかなり大規模なスタジオに成長しましたが、かつて味わった、少人数で密に連携していたときのダイナミックさが欠けてしまったと感じました。これは批判ではなく、個人的な好みの問題です。そこで、作品の品質、その制作に関わるメンバーの体験、両方を大切にしたスタジオを作りたいと考えたのです。アーティストも、クライアントも大切にしようというわけです。
Hydra のコアチームとスタジオはグラスゴーが拠点ですが、主要アーティストたちは世界各地にいて、リモートで働いています。どこにいても、場所を問わず、全員が密に連携できるよう努めています。
手掛けてきたプロジェクトは主に、ゲームトレーラー分野です。初期のプロジェクトの 1 つは、「Star Atlas」のシネマティックトレーラーでした。監督の Jonathan Berube が持ってきた承認済みのプレビズが、私たちの出発点でした。完成したトレーラーは、物語性を示唆する各種スナップショットが盛り込まれてはいるものの、ゲームに関する具体的な情報はいっさい提供しません。まさに「ティーザー」です。
最近の作品は「Solium Infernum」のトレーラーです。監督は Sava Zivkovic その人です。少人数のチームが密に連携して作業を進められるプロジェクトで、大いに楽しんで取り組みました。主題を中央に据えたフレーミングとシンメトリ、すっきりと印象的な構図、力強く絞り込んだ配色など、Sava らしいビジュアル言語をたっぷり見ることができます。
Sava、付け加えたいことはありますか?
SAVA
いいや、十分だ :)
HOME
このプロジェクトは、スタジオを立ち上げるにあたっての試金石だったのではないかと、私たちは推測しています。フルタイムで別の仕事をしながら、このプロジェクトに取り組んだのではないですか? どれくらいの期間、どれくらいの人手をかけたかを教えてください。また、アニメーションとレンダリングをどのように扱ったかについてもお聞きかせください。
DEBBIE
「HOME」に取り掛かった時点では、Hydra は構想すらありませんでした。
Sergio と Mikas と私とで、誰かに見せられるクールな作品を作りたいと考えただけです。予算はないので、親友であり監督の Ben Craig をはじめ、大勢の協力を仰ぎました。どんなコンテンツにするかを決める必要がありましたが、しっかりとしたコンセプトのアイデア出しにかけては Ben が天才的です。私たちは協力し、そう大きくない規模の、実現可能な短編作品をどう作っていくかを検討しました。全員にとって何らかの意味があり、普遍的なメッセージを持った作品にしたいとも思いました。「HOME」の脚本と監督を引き受けてくれた Ben には、とても感謝しています。
また、かつて一緒に働いた友人や同僚たちにも声をかけました。「HOME」に必要なスキルを持つ人たちに、時間と才能を提供してもらえないかと頼んだのです。ありがたいことに、このプロジェクトに価値を見い出し、参加してくれました。キャラクタアニメーションは、真のコラボレーションによって完成しました。まず、素晴らしい俳優である、Ian Hanmore の協力を得ることができました。彼の演技がなければ、何もできなかったでしょう。 Ten 24 で Ian を3Dスキャンし (Jamie Busby に感謝)、フォトグラメトリを使用して 3D のデジタルダブルを作成しました。グラスゴーの DI4D にも友人が何人かいて、Ian の演技をキャプチャしてくれました。
そのデータを使ってデジタルアセットにアニメーションを付けました。加えて、Sergio がレンダリングで顔の細かいディテールにまでこだわったおかげで、「HOME」の心に響く演技がいっそうリアルになりました。気前よく時間を割き、このプロジェクトを信じてくれた友人や同僚はほかにもいましたが、チームそのものは少人数で、熱のこもった取り組みになりました。「HOME」の完成までは 6 ヵ月。オーディオも含め、15 人ほどが関わりました。ほとんどが別のプロジェクトを兼務していたため、「HOME」にあてたのは夜や週末の時間です。Hydra を立ち上げようとふと思い立ったのは、そんな時です。
「HOME」の制作中、Sergio、Mikas、それに私は「自分たちがスキルを補い合えば強力なチームになれる」と、ひらめいた瞬間があったのです。それがきっかけとなり、Hydra につながりました。
Debbie Rossそれに、シェルフに「FLIP!」がある! 思わぬ宝物を見つけたぞ!!
Debbie よく気付いたわね 😊
Sergio やっと、気付いてもらえた... 🙂
たくさんの支援がこの短編映画に注ぎ込まれていることを知り、何かを成し遂げるには、良好な人間関係が大切なのだとあらためて実感しました。「HOME」の制作プロセスと、それが Hydra Studios の発端となったことに話を戻しましょう。映画が公開された後についてお聞かせください。
DEBBIE
「HOME」は 2020 年 4 月に公開され、私たちはその翌月に Hydra を登記しました。Hydra として手掛けた最初のライブプロジェクトは 2020 年 7 月に取り掛かりました。あっという間の展開でしたね。Hydra は新型コロナウィルスによるロックダウン中に設立されたため、その間は物理的なスタジオスペースを持つことはできません。いずれにせよ、バーチャルセットアップを構築するつもりだったので、物理的なスペースは設けずにバーチャルのパイプラインで「HOME」を制作しました。その方がはじめのハードルが低く、スタジオを準備する資金も必要ありません。当初は、スタジオとは呼んでいても、私たちそのものだったわけです。
思い返せば、常軌を逸していました。私たちは Hydra を設立したときに、会いもしなかったのです。結局 Sergio と会ったのは、2 年間で 2 度だけ。彼の家とは 6 キロほどしか離れていないのに!
現在のパイプラインにはどのようにして到達しましたか? Houdini を使用した理由は?
DEBBIE
Houdini は常に必須でした。Houdini なしの Sergio など、考えられません。両者は 2 つで 1 つです。Sergio の Houdini 歴は 15 年以上になりますが、彼が開発したプロシージャルツールは当社が日々使うパイプラインの一部となり、Hydra のワークフローを支えています。私たちはアニメーションに Maya を使用し、アセットのほとんどは標準的なソフトウェアで作成しています。キャラクタを ZBrush で作成し、布に Marvelous Designer を使うこともあります。アニメーションの後は Houdini パイプラインに入り、Mantra でレンダリングし、Fusion でコンポジットします。現在、Solaris に合わせてレンダラとライティングパイプラインのソフトウェアを更新中です。
他のスタッフたちは、Hydra 以前はどこで働いていたのですか?
DEBBIE
シニアスタッフのほとんどは、Hydra に入る前は Axis Studios で上級職に就いていました。ハイエンドのシネマシティクスや短編映像での経験をたっぷり積んでいます。つまり、私たちは全員が経験者です😊 もちろん、Hydra には新しい血も取り入れています。その時に重視したのは才能と真摯な姿勢です。経験があればなお良いのは確かですが、才能と真摯な姿勢がなければ経験を生かすこともできません。
次は「Beckoning」の話題に移りましょう。Hydra の岩石ツールが地形の生成に使われていますね。そのツールは、浸食処理と同時に岩肌のディテールを挿入して生成するそうですね! 詳しく聞かせてください。
SAVA
私にとっては、まさに魔法のツールでした:) これは Sergio の領域なので簡潔に述べますが、テクノロジや各種ツールが創造的プロセスにもたらすものがいかに大きいか、そして制作をいかに効率化してくれるかに、私は常々感動を覚えています。当初 Unreal Engine のプロシージャル地形システムを使用していた私は、それは確かに強力ではあるものの、大きな張り出しや断崖については詳細レベルやニュアンスが不足していると気付いていました。その当時既に、Sergio が Hydra で開発していたツールについては知っていたので、「Beckoning」はそれにぴったりのテスト場になるだろうと思いました。イテレーションプロセスと、特定のタイプの岩石層をターゲットにしたツールの柔軟性がとても気に入りました。それに、Unreal Engine 内でプロシージャルにテクスチャリングを駆動できるなんて、最高です!
SERGIO
ええ、そうです。侵食と同時に岩の成長を進行させるのがこのツールの特長です。このようなツールを作った理由は少なくとも 2 つあります。最も大きいのは、パフォーマンスです。岩のサーフェス領域をたくさん生成してから、その後、別プロセスで数多く除去するのは効率的ではありません。また、ユーザがより良いフィードバックを得られるのもメリットです。シミュレーションの最初の数フレームは、ほぼリアルタイムで確認できます。浸食を含む岩全体のボリュームもリアルタイムで 15 フレーム以内に構築されます。もう少し待てば、どんなディテールが得られるのかを大まかに把握できます。3 つ目の理由は、地質学的な時間スケールでの自然のプロセスに近づけられる、少なくとも標準的なプロセスに近づけられると考えたことです。たとえば、岩の継ぎ目が地中に押し込まれるとき、そのプロセスでは浸食が起きているはずです。もちろん、できたての玄武岩のように、明らかな外座層もあります。
The motivation
このツールを作ったのは、地質学的な時間スケールでの歴史を感じさせる岩石層の作成に挑戦したいと思ったからです (面白い崖の岩肌をあまりにも長時間眺めていると、そうなります)。地球の地殻は絶えず岩石を揺り動かしています。地表に現われた岩を風雨にさらしたり、火山から岩を噴出したり、変形させたり、砕いたり、積み重ねたり、再び露出させて浸食したりします。さらに、そうして形成された岩石上で再び岩を噴出したり流したりしています。
しかし、私たちにできるのは、せいぜいプロセスを再現することくらいで、たとえ再現できるとしても、地質学的な時間スケールよりも短い時間、できれば数分以内にシミュレーションを完了させる必要があります。そのためには、いくつも近道をしなければなりません。
私は、3D 形状をリアルに侵食するプロセスを作ることにも興味がありました。とはいえ、これは 2020 年の話です。なぜいまだに CG 地形ツールは単純な 2D の Height Field がベースになっているのでしょう? DCC ソフトウェアに関して言えば、浸食は 2D だけです (もちろん、Houdini なら何でもできますが)。この分野は、本当に長い間何も変わっていません。率直に言って、競合するツールも UI が違うだけで、機能や要素は似たり寄ったりです。
20 年前から VistaPro/Terragen/Bryce といった古典的なツールで遊んでいた私のような古参者からすると、2D 浸食以外、地形作成はそれほど進歩していないようです。
また、正確にスキャンした岩をベースにしたにも関わらず、うまくいかなかった例を見てきたことも動機の 1 つです。スキャンした岩を積み上げて大きい崖のようにするなど、自然のコンテクストからあまりに離れてしまうと、本物の崖の岩肌のような一体感がなく、遠目には瓦礫のように見えてしまいます。これを実証する UE5 のビデオはいくらでもあります。自然な状態での配置や個性まで再現しようとすれば、とてつもなく膨大なライブラリが必要です。現在は誰もが好みそうな同じ岩が、さまざまなところで使われているのを目にします。
中核となるアイデアから、岩の成長と再メッシュ化の同時進行、ボロノイズ、正しい地層、浸食、堆積といった、主要な要素がまとまりました。どのように機能するのか、簡単に説明したいと思います。
成長する「ボロノイズ」
開始メッシュはどんなものでも良く、イテレーションごとにジオメトリを再メッシュ化して、ベクトルに沿ってディスプレイスメントさせます。このツールは、実際にはメッシュ化ではなく VDB として作りはじめたのですが、スケールがずっと難しいことが明らかになりました。たとえば、オープンメッシュで作業でき、計算を完全に表面のみに制限できれば、サイズが大きくなったときにもパフォーマンス面で大変有利です。
再メッシュ化のエッジ長さはアニメーションして、粗いエッジから始めて目的の解像度で終了するようにしていて、ディスプレイスメントのステップ長とリンクしています。つまり、メッシュは最初の数フレームで急速にボリュームを増すため、前に述べたように、想像以上のインタラクティブ性が得られるわけです。
ディスプレイスメント量は、ボロノイを元にした機能豊富なプロシージャルノイズによって設定されます。ボロノイの繰り返し実行時に、前のイテレーションのセル ID をランダムシードとして、以降のイテレーションでの移動値や、セル間のギャップの幅、傾斜に応じた岩上部の面取りなど、何らかの用途が考えられるパラメータを駆動することができます。この結果、さまざまな外観を作ることが可能になりました。
メッシュはノイズ値のローカル最小値に向かって成長し、衝突が検出されると停止します。衝突回避の効果により、スキャンにはあまりない、深い亀裂が形成になります。
さらに、ディスプレイスメント方向は、流体シミュレーションの制御に使われる乱流/風力によく似た、さまざまな「Grow Weights」によって制御されます。これらは、カールノイズ、接線または法線ベクトルに沿った方向です。さほど手間をかけずに、枝分かれのあるサンゴのような構造の成長も可能です。

Strata (地層)
これは、最もシンプルかつ重要な要素の 1 つです。地層の最もプロシージャルな作成方法は、ランプや Y 軸に基づくシンプルなステップと、それを歪ませるドメインの使用です。しかし、このやり方では、地層の数がすべての場所で一定になってしまい、あまりに単純です。実世界の崖の岩肌、特に活発な活動が見られる場所や興味深い場所を見ると、地層がたいてい先細になっているのが分かります。たとえば、主な地層が 2 つあり、その間にたくさんの地層が挟まっている場所があったりします。
忘れてほしくないのは、地層のトポロジは非常に面白いもので、もっと手間をかけるべき要素だということです。私たちが地層シェーダで目指しているのはこれです。このシェーダは、各レイヤーのノイズ調節された高さ (前のレイヤーの高さによって変位される) を for ループで累積し、ドメインワープします。各レイヤーのスタック番号を取得し、それを使って「ボロノイズ」のサイズ、オフセット、粗さ、侵食性、カラーランプに使用する厚みの値などをランダム化できます。

Erosion (浸食)
私は早い段階で、サーフェスの傾斜に応じて成長をマスクすると、サーフェス上部の侵食の効果を容易に再現できることに気付きました。実際、浸食の前に、ボロノイズで可能なことはやり尽くしています (到達可能な上部ボロノイセルを丸めたり、セル間のギャップを先細りしたりするなど)。しかし、すべての岩をこうしたいわけではありません。露頭、地面から露出したての岩、最近運ばれてきた岩など、一部の岩は地上に残しておきたいのです。そこで、ボロノイセル ID によってシードを挿入し、パラメータをランダム化します。
この方法の主な利点は、いずれ除去することになる多くのマテリアルを追加しなくて済むことです。結果的に、サブステップを多くとることなく、浸食プロセスが円滑に進むようになります。既に浸食されたと「思われる」ところにマテリアルを追加せずに済んだら、次はマテリアルの除去と移送のステップです。スランプ (地すべり)、台地、水たまり、熱、水など、たくさんの方でさまざまな効果を得ることができます。水は最も新しく追加したもので、水を長距離にわたって移送すると、一定の水路が掘られます。これにはサブステップが必要ですが、効率的に効果を得る方法を既に見つけています。

Deposition (堆積物)
これは、土、雪、砂のような堆積物を加えるプロセスです。岩石よりも明らかに脆く、風や水の影響を受けやすいため、風の流れがいくらか見える例もあります。ボロノイランダムシードが「最近の」岩であると伝えない限り、堆積物は傾斜の閾値の範囲内の至るところで増大し、くぼんだ場所を埋めます。
くぼんだ場所が付着しやすいとなっていれば、傾斜の閾値を超えて増えていきます。堆積物を除去するのが得意なのは水で、後には岩片が筋状に残ります。ボロノイシェーダは、岩を少しずつ小さな石に変えていく岩片モディファイヤを受け入れるように設計されています。また、崖の側面のようなあり得ない場所に置かれないようにもします。

さらに Drip という機能もあり、堆積が生じ水が流れる場所では、鍾乳石が形成されます。
ソースメッシュにペイントしたアトリビュートを使用して、浸食、岩の成長速度、堆積速度など、主な効果の強さを変えることができます。また、サーフェスの成長を止めて、そこに堆積機能だけを使うこともできます。あるいは、地形全体ですべてが一度に起きるようにすることも可能です。
このツールを一般向けにリリースする予定はありますか?
SERGIO
リリースについては、考えていませんでした。まだいじる余地があって、それが楽しいんです。ツールを目にするたびに、そこそこリファクタリングしています。でも、高い関心があれば、時間を見つけてリリース可能なツールに仕上げようとも思います。
ニュアンスたっぷりの景観を作成できる、本当に素晴らしいツールとコントロールセットです!「Beckoning」を観ただけでははっきりと分からなかったことを詳しく聞かせていただき、ありがとうございます;)
SAVA
私の霧好きのせいですね:) あの忌々しい霧はアセットの 90% を隠していますが、ストーリーの重要な要素なので、どうしようもありません。もちろん、「Beckoning」の長編版には景観のディテールや崖がもっとずっとたくさん登場します:)
地形を作成した方法を教えてください。
SERGIO
地形は、Sava がプレビズ用に UE5 で作成したメッシュからスタートしました。私はそれらを Houdini にインポートして、バラバラのピースをすべて包む、低ディテールのシームレスメッシュを新しく投影しました。それをシームレスに接続して、はるかに広大な地形にしました。これを Height Field に変換し、標準的な地形ツールを使って形状を調整しました。標準的な 2D 侵食ツールがエクスポートするアトリビュートは、次の 3D ソルバで、岩片や水の初期状態のシードとして使用されます。
このプロセスで得られるローポリゴンメッシュが、岩石ツール (現在は事実上、地形合成ツール) のキャンバスとなります。
広大な地形をすべて作り上げる必要はありませんでした。Sava の霧好きは、誰でも知っています。でも私はやめようとは思いませんでした。その地形で地層のプロシージャルシェーダを試し、標準的な Height Field で形状を生成したいと思ったからです。また、歩き回ることのできる広いレベルを UE5 で作ってみたいという夢もあります。私の 'to-do' リストには、TOP を活用して全体をメッシュ化することも含まれています。
微調整したい部分があれば、ポリゴンをグループ化し、地形のディテールに満足できるまでプロセスを続けます。
素晴らしい! 結果が物語っていますね。
スタジオの全体的な方向性を教えてください。Hydra はどんな未来を思い描いていますか?
DEBBIE
私たちは現在、以前からコラボレーションを熱望していたクリエイティブパートナーと、共同制作プロジェクトに情熱を傾けているところです。うまくいけば、夏までにティーザーをお見せできると思います。はっきりしたことを伝えられずに申し訳ありませんが、期待していてください!
2023 年の商業プロジェクトとしては、ゲームトレーラーのほか、エンターテインメント分野の短編作品にも参加予定です。どんな一年になるか、まだ完全には固まっていません。
創造性を刺激するコンテンツなら、私たちの出番です。私たちを新たな分野への探求へと駆り立てるプロジェクトなら、喜んで挑戦したいと思っています。そのコンテンツの裏に優秀な人材がいたら、ぜひとも契約したいですね!
Debbie、Sergio、Sava、本日はどうもありがとうございました。
SERGIO
ネットワークエディタのボーナスショットも載せておきましょう ;)