SideFX Houdini 15をリリース

Posted 10月 15, 2015
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Houdini 14 のリリースからわずか 9 ヶ月のタイミングで、Side Effects Software は Houdini 15 のリリースを発表しました。この新しいバージョンでは、オニオンスキニング機能や新しいシェーダ構築ツール、群集ラグドール機能、 Houdini Engine 2.0 などを搭載、大規模データを扱う際の VFX ツールの高速化と拡張性や効率性の向上を実現するとともに、CG 制作全般に携わるアーティストやアニメータ、ライティング アーティスト、ゲーム制作者のニーズに則した、モデリング、レンダリング、アニメーションツールの強化を実現しています。

今回のリリースで Side Effects は、 Houdini のモデリング、レンダリング、アニメーションの各ツール群を、その VFX ツールのレベルにまで引き上げるべく懸命に取り組んできました。プロシージャル手法を用いてコンテンツ制作を行うゲーム制作スタジオや、アーティストにとっての操作性に優れたツールをお探しのコマーシャル制作スタジオの方々に、 Houdini 15 はバランスのとれたソリューションを提供いたします。

by Kim Davidson, President and CEO, Side Effects Software

モデリング

Houdini 15 により、モデル制作者は、ツィーク編集ワークフローやエッジスライディング、PolyBridge や PolyExtrude、PolyExpand 2D などの新しいツールを用いて、より効率的に作業をすることが可能になりました。高解像度モデルを扱う作業では、低解像度から高解像度のジオメトリを構築可 能な新しい再リトポロジ (Retopology) ツールを提供しています。
これらの改善は、特にゲーム アーティストが Unity や Unreal 等のゲーム編集作業で用いるプロシージャル ツールを構築するのに役立ちます。特に PolyExpand2D ツールはゲーム モデリングを考慮して開発されました。


レンダリング

Houdini 15 のレンダリングは、シェーダ構築、マテリアル オーバーライド、 RenderMan 20 のサポートなどにより、さらなる高速化と質感向上を実現しています。シェーダ構築は、特に、新シェーダ ライブラリ、Shader FX によるメニュー再構築、マテリアルのレイヤ化、そしてトゥーンシェーダ等が強化されています。

マテリアルスタイルシートで実作業に即したワークフローを構築し、マテリアルオーバーライドの作成と管理が行えます。テクスチャのランダム化やマテリアル の設定に差分を加えることで、群集エージェントのように類似したアイテムの集合体に、別々の見た目を簡単に設定することが可能です。


RenderMan 20

Houdini 15 では、 RenderMan 20 と RIS シェーディングのサポートが完全に統合されています。RIS シェーダは RIS Shader Network SHOP で使用でき、 Houdini の VOP コンテキストが RIS シェーダを構築する OSL 対応のネイティブ環境を提供します。


Houdini 15 には、RenderMan BxDF 、 Pattern 、 Integrator RIS シェーダの他、RIS ライトシェーダ、 Camera、 Light Probe 、 Rolling Shutter RIS プロジェクション等のシェーダなどが完全搭載されています。さらに、新しい RIS レンダーノードにより、 RIB および RIS レンダーノードが、それぞれのモードに固有のよりクリーンなインターフェースを提供します。

Pixar と Side Effects は、ライティング・アーティストにとって最高の経験の開発に共同で取り組んできました。Houdini 15 に装備されたインタラクティブなシェーダ構築ツールにより、アーティストは望み通りのルックを簡単に実現することが可能になりました。

by Chris Ford氏  ビジネスディレクタ - ピクサー・アニメーション・スタジオ RenderMan

アニメーション

Houdini 15 では、オニオン スキニング、ポーズライブラリ パネルとドープシートの改良により、これまで以上に優れたアニメーション ワークフローを実現しています。これにより Houdini でのキャラクタのポーズやキーフレームがより簡単に行えます。


新しい男性及び女性の基本リグは、Houdini のアニメーションツールへの理解を深めるのに効果的なキャラクタのサンプルです。 それぞれ、デジタルアセットとして構成されており、キャラクタ選択パネルとポーズライブラリに対応しています。 リギングアーティストはアセットを開いてネットワークを探求することで、Houdini でのリグ方法の学習が可能です。


ゲーム制作

Houdini 15 におけるモデリング機能の向上は、 Houdini で Unity や Unreal などのゲーム エディタ用のプロシージャル アセットを構築するゲーム アーティストにとって特に有効です。 PolyExpand2D ツールは直交する骨組の演算を容易にし、道路作成などに適しています。

さらに、テクスチャ ベイク機能の強化、ビューポートで UDIM テクスチャ、ワールド空間法線マップ、 UV メッシュ境界およびオーバーラップした UV 領域の描画がサポートされました。ゲーム制作において、接線空間法線マップのインポート / エクスポートや、バンプ マップやディスプレースメント マップの法線マップへの変換ができるようになりました。


群集

 Ragdoll ダイナミクスが Houdini 15 の群集ツールに追加され、腕や脚の切断オプション、ファジーロジックの搭載、群集ビヘイビアの向上が図られています。マテリアルやジオメトリのバリエーション設定がより簡単に行え、新たに追加されたツールにより、目的地を明確に設定することができます。エージェント カメラを通して群集エージェントの視点からの視野を確認でき、ビジュアライザをタグして群集エージェントの状態とプロパティを改良された検査機能により確認できます。


VFX

Houdini 15 は、VFX アーティストの生産性を向上させ、より大規模でよりダイナミックなエフェクトの作成を可能にします。新適応型 PBD により、衝突に関連するパーティクルのみに限定した粒子シミュレーションを可能にします。Lava (溶岩) 、 Melt Object (溶融オブジェクト) 、 Emit Steam (蒸気) など、新たに追加された粘性流体ツールにより、そのまま実戦投入可能なツールが追加されています。

流体シミュレーションや PBD シミュレーションは、ファーム上の複数ノードで分散処理が可能になり、大規模演算結果の作成、管理が可能になりました。この分散型シミュレーションにより、アーティストは 1 台のコンピュータの性能を超えた作業が行え、レンダリング時には継ぎ目の無いレンダリング結果を得ることが可能です。


Houdini Engine 2.0

Autodesk® Maya® や Cinema4D® 、 UE4® 、 Unity® などの他のアプリケーションで作業を行うアーティストは、 Houdini Engine を使い、 Houdini デジタルアセットをご使用のアプリケーション内で開くことが可能です。 Houdini がバックグラウンドで動作してアセット内のノードネットワークをクックし、その結果はホストアプリケーションのビューポートに送られます。


Houdini Engine 2.0 では、 API フロントエンドを演算バックエンドから分離するように設計され、個々のホストでマルチセッションやマルチスレッドを使用することができ、ホストの安定化、ライブラリの不整合問題の解決により、統合性の向上を実現します。フリーランス開発者の鈴木英樹氏はこのシンクライアント (thin client) 機能を活用し、 3DS Max のプラグインを完成させました。 3DS Max プラグイン コードの初版は、現在、github にてリリースされており、数日中にコンパイルされたプラグインもリリースされる予定です。


Houdini 15 から、Maya プラグインでもランプパラメータのサポート、Unity プラグインではペイント入力機能をサポートなどの機能向上が図られました。 UE4® プラグインは引き続きベータテストを実施中ですが、 2015 年の 11 月中旬頃リリースを予定しています。


学習ツール

THoudini 15 の新機能を習得するために Side Effects はアーティスト向け速習チュートリアル と テクニカルディレクタ向け マスタークラスを用意しています。日本語字幕は今後追加予定です。



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