SideFX Houdini 15.5をリリース
SideFX は、 Houdini 15.5 のリリースを発表しました。 Houdini 15.5 はモデラーワークフローの改善がなされ、高度な群集制御機能や業界標準フォーマットのレンダリングに対応する新しい VR レンズカメラを搭載しています。
「Houdini 15.5 は、 Houdini の既存および新規ユーザー双方のお客様に、作品制作に刺激を与えるような素晴らしい機能を提供するものです。メジャーリリースのスケジュールを大幅に上回るスピードで、広範な機能開発が行えたため、通常のポイントリリースをはるかにしのぐ多くの新機能が搭載されています。」
–SideFX 社 製品開発バイスプレジデント Cristin Barghiel「ゲーム制作にフォーカスした製品は、もはや Houdini Engine だけではありません。 Triplanar (3方向平面) UV プロジェクションや Curvature の UV ベイク処理、 UV パッキングの効率化などの追加機能の搭載により、プロシージャル生成された多数の高度なプロップコンテンツのベイク処理もますます高速化しています。 Side Effects 社は我々ユーザーからのフィードバックを受けて Dissolve SOP の全面的に改良し、その成果は驚くべきものです。新規および既存のツールの機能向上を一貫して推し進める姿勢は、本当に素晴らしいと思います。」
– Machinegames 社 シニアアーティスト Magnus Larsson 氏モデリングツール
PolyBevel や PolySplit 、 Dissolve などのモデリングツールは徹底的に修正され、主要機能の追加とモデラーエクスペリエンスの最適化が図られました。 Retopo ツールには、 splitting (分割) 、 straightening (直線化) 、 edge loop (エッジループ) 、brush (ブラシ) などのツールが追加され、ポイントの配置やリラックスが行えます。ポイントの編集を行う際にご使用いただける straighten 、 distribute points 、 make circle などのオプションも新たに追加されました。
群衆ツール
群集ツールについては、先進的なロコモーション制御、足の正確な接地と地形順応、高度な群集移動などの機能が搭載されました。新しい Mocap Biped 3 にはモーションクリップの豊富なライブラリが装備されており、多様なオプションからモーションを選択することができます。群集ツールは、他のアプリケーションとのより緊密な統合を実現するエージェントとしての FBX のダイレクトインポートや、よりスムースなワークフロー、改変 / 簡易化されたシェルフツールをサポートしています。
「新しい群集ソルバは非常にパワフルで、そのスピードには目をみはるものがあります。 Side Effects 社は、群集システムを扱うアーティストの意を非常によく汲み取り、複雑なシミュレーションも扱えながら、カスタマイズも容易に行える包括的なツールセットを開発してくれました。 15.5 に新たに追加されたフットロック (foot locking) 装置や進化した地形順応機能などは、それだけを取ってみても、非常にエキサイティングで楽しい機能です。本当に気に入っています !」
– Cutting Edge Post 社 CG スーパーバイザー Louis Dunlevy 氏VR レンズカメラ
新しい VR カメラは VR レンズシェーダをベースに開発され、 VR 画像をレンダリングして Latlong 球面投影や 6 面展開あるいは 3x2 のキューブマップを形成することができます。このカメラは左右のカメラ (目) の間隔と回転軸までの距離を調整することができ、 Houdini に搭載された Mantra レンダラーでレンダリングが行えます。
Houdini Indieへのサードパーティレンダラー対応
SideFXはHoudini 15.5からHoudini Indieへのサードパーティレンダラー対応の追加を発表しました。これにより、独立系アーティストやスタジオは、そのライティングパイプラインに RenderMan, Arnold, OctaneRender などを Houdini の独自の Mantra レンダラーと併用することが出来ます。レンダラーの選択したり、異なるレンダラーをグループ別にアサインしたりして最終画像を合成するといったことが可能 になります。
.

Simon Holmedal氏よる、HoudiniでのOctaneRenderのレンダリング結果
DeltaMush ノード
このノードにより、デフォメーションの前に、ジオメトリのコピーを使ってポイントデフォメーションの影響を除去、あるいは緩和することができます。キャラクタリグに用いて、屈曲の激しい部分のデフォメーションの調整が行えます。
Triplanar ( 3 方向平面 ) UV プロジェクション VOP
Triplanar ( 3 方向平面 ) UV プロジェクション VOP により、ジオメトリアトリビュートのポイント UV や頂点 UV を定義しなくても、カラーやテクスチャマップを素早く割り当てることができます。 Curvature VOP はサーフェスの曲率を算出し、エッジを隆起させてサーフェスの傷や凹みをはっきりと表示します。
価格
HOUDINI 15.5 新機能
モデリング
新しい PolyBevel SOP
新しい PolySplit SOP
新しい Dissolve SOP
TopoBuild ツール (第 2 フェーズ)
PolyExpand2D に可変幅オフセット追加
ダブルクリックによるエッジループ選択
ダブルクリックによるポイントおよびプリミティブのアイランド選択
Crowds
進化した移動制御機能
FBX ファイルをエージェントへ直接インポート
変形する群集エージェントの頂点法線のサポート
新しい Agent CHOP
新しい Terrain Adaptation SOP
群集操縦ビヘイビアの改善
正確な足面接地
モーションクリップライブラリを搭載した Mocap Biped 3
UVs
Triplanar (3方向平面) UV プロジェクション VOP
Curvature が UV Bake をサポート
UV アイランドのレイアウトを効率的にパッキング
ライティングとレンダリング
Houdini Indie でサードパーティレンダリングに対応 [15.5 リリース時は RenderMan、Arnold、Octane に対応、次いで Redshift (ベータ)と V-Ray (開発中) に対応予定]
新しい VR レンズシェーダをもとに構築された VR カメラ
OpenGL ROP に DOF と Motion Blur を追加
オーバースキャンレンダリングをサポート、および crop ウィンドウを修正
OpenGL ディスプレイスメントマッピングのビューポート表示
SOHO ROP に『Render to Disk in Background』ボタンを追加
Mantra でフォトントレースの制御が可能
ユーザエクスペリエンス
ビューポートの Euler tumbling が改善
強化された 3D ハンドル
ファイル選択機能の強化
- ジオメトリスナップの改善
パラメータスプレッドシートで複数行、あるいは複数列のペーストが可能
ヘルプシステムの強化
キャラクタ
『Delta Mush』デフォメーションをサポート
Dopesheet での複数重複選択が可能
ヘアおよびファー用グルーミングツールの強化
パフォーマンス
VEX 機能の読み込み速度の向上とメモリ使用の効率化
大規模なジオメトリの保存速度が向上
HQueue パフォーマンスの最適化
ボリューム
OpenVDB 3.1
相互運用性
多数の Alembic 機能強化