Houdini 16.5 新機能
Houdini の各リリースにおいて、SideFX は、日常的に直面する課題に対し、制作に直結できるソリューションを提供することを目指しています。Houdini 16.5では、ツールの最適化とメモリ消費量の低減により作業の高速化を図り、ユーザーエクスペリエンスを洗練しています。これらの特典はHoudiniのあらゆる側面に触れて、映画、テレビ、Gamedev、VRで働くアーティストとスタジオの両方にとって大きなリリースです。
これまで流体のシミュレーションは簡単になってきましたが、気泡をそれに加えることは現実感が欠如した二次的な操作でありました。Houdini 16.5 では、流体シミュレーション内に空気の非圧縮性を使用し、写実的な空気の動きを表現できるようになりました。気泡は、今や、シミュレーション内で演出可能な要素であり、結果は自然かつ非常に写実的です。
NARROW BAND
1/3のメモリ消費量で3倍高速の流体シミュレーションが出来ることを想像してみてください。Houdini 16.5 の新しい Narrow Band (狭帯域) 液体シミュレーションは、液体の表面に特化することで、これの効率化を実現しています。流体全帯域を処理する代わりに、狭い帯域のみが計算され、スプラッシュの精度は同じままです。
Houdini 16 で導入されたヘア&ファーのフレームワークは、アーティスト中心にデザインされた新しいグルーミングツールによりさらに強化されています。Curve Advect ツールにより、簡単な曲線をいくつか描き、広範なグルーミング方向を設定できます。ガードや白毛をファーに簡単に追加、パーティションを複数定義してモデルを分割しても、単一グルーム定義でファーをマージすることができます。これらの新ツールは、キャラクタや怪物への髪や毛皮を追加し、望む外観を実現することをこれまで以上に簡単にします。
RENDERING
Houdini 16.5でのレンダリングは、マテリアルを構築する VOPノードの最適化により、さらに高速で効率的になりました。新しいリリースごとに、Mantraでのレンダリングを容易にすることを目標としてきていますが、新しい rounded edge シェーダは、こういった観点から見て大きな前進です。
実生活においてシャープエッジは実際には存在せず、アーティストは、形状へのジオメトリ追加し、レンダリング時に見えるハイライトを作成するために多くの時間を費やことがよくあります。rounded edge シェーダを使用することで、モデルにシャープエッジを残し、追加ジオメトリ無しで丸めることが可能です。この機能はオブジェクトのエッジのウエザリングにも使用するとができ、ゲーム制作においてはレンダリング結果を低解像度のジオメトリにベイクすることが可能です。
MODELING
topobuild の強化からソフト選択の半径の改善まで、Houdini 16.5 は、進化し続けるモデリングツールセットの強化を続けています。ゲームアートの作成、大規模破壊モデルの準備、またはキャラクタモデリングであっても、Houdiniは、非破壊的プロシージャルワークフローをサポートした適切なツールを備えています。
POLYREDUCE
ますます多くの3Dアーティストが、簡略化を必要とするスキャンメッシュのような巨大なデータセットに遭遇しています。Houdini 16.5 の新しいPolyreduceツールにより、輪郭、UVなどを保持しつつ、大幅な削減を効率的に実行できます。この機能の堅牢性は、従来頼りにしていたサードパーティ製ポリゴン削減ツールを置き換えることができるくらい、ツールセットの重要な部分になりえます。
UV 改良
Houdini 16.5 の UV ワークフローは、アーティストにより使い易く、UVレイヤーでの作業を向上する重要な改良が含まれています。UV Layout (UV レイアウト) ツールには、高速で効率的なパッキングを可能にする高度なアルゴリズムが追加されました。また、UV 領域をよりインタラクティブに操作し、UV の重なりや反転を簡単に評価することも可能です。これらの改良は、Houdini でモデリングをするゲームアーティストにとって特に重要です。