Velocity Voxel Scale は、Houdini19.5で導入された新しいパラメータです。 このパラメータを使用すると、PyroシミュレーションでボリュームとVelocityのボクセルを個別に定義することができます。 パラメータ設定次第で、シミュレーション時間が大幅に変わることがあります。
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Velocity Voxel Scale は、DOPとSOPのどちらのPyroネットワークでも利用可能です。
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DOPセットアップの場合、 Velocity Voxel Scale パラメータはSmoke Object (Sparse)ノードの Properties にあります。
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SOPセットアップの場合、その設定はPyro Solverの Setup ▸ General にあります。
Velocity Voxel Scale は乗数であり、 Voxel Scale パラメータに適用されます。
値が大きいほど、セルが大きい粗いグリッドが作成されます。
これによりシミュレーションは高速になりますが、動きのディテールも失われます。
このため、 Voxel Size を0.1
、 Velocity Voxel Scale を2
にすると、Velocityだけが0.1*2=0.2
となり、残りのフィールドは0.1
となるシミュレーションを作成することができます。
この方法だと、可視フィールドは多数のボクセルを持つことになるので見た目は鮮明になり、重い計算が大量に発生するVelocityボクセルは少なく済みます。
この欠点は、そのVelocityの自由度が少なくなることです。
フル解像度でシミュレーションを実行した場合と比べて、動きのディテールが少なくなります。
シミュレーションの時間と結果については、以下の画像をご覧ください。
Note
パラメータの組み合わせは、 Voxel Scale x Velocity Voxel Scale です。 示されている時間係数は単なる例であり、ベンチマークと見なすことはできません。
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1番目のシミュレーションは
0.1 x 1
を使用しています。グリッドスケールはどちらも同じです。シミュレーション時間はベースライン(1.0)として設定されています。 -
2番目のパラメータの組み合わせは
0.1 x 2
です。Velocityグリッドのセルサイズは2倍大きいです。シミュレーションは1.6倍速くなりました。 -
3番目の画像のスケールは
0.2 x 1
です。これもグリッドのスケールはどちらも同じですが、1番目のシミュレーションに比べて、クック時間は7.5倍速くなりました。