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拘束ネットワーク
RBD Material Fractureツールは、ジオメトリを粉砕させるだけでなく、それらの破片間に拘束を作成します。 もっと拘束を作成したいのであれば、その粉砕処理とは別に拘束を作成可能なSOPsが3つあります。 それらのSOPsは、3入力/3出力のRBDワークフローに準拠していて、拘束を構築するためのコントロールがたくさん備わっています。 これは、2つの異なるタイプの材質を粉砕させたい時や破片間に境界拘束を作成したい時に役立ちます。
このツールは、単にビューポート内で接続したい破片間をクリックして拘束を描画するだけで、非常に対話的にその拘束を構築することができます。 その拘束を描画したら、 Connection Type を選択して、その拘束のセットアップ方法を決定することができます。 詳細は、RBD Constraints From Linesのヘルプページを参照してください。
このツールは、ビューポート内にカーブを描画することができ、指定した検索半径内にある隣接破片のジオメトリのポイント間に拘束を作成します。 他にも、RBD Constraints from Curvesでは4番目の入力にカーブを指定することができるので、このノードをプロシージャルに使用することができます。 詳細は、RBD Constraints From Curvesのヘルプページを参照してください。
このツールは、ルールと条件のセットに基づいて拘束を作成することができるプロシージャルノードです。
これら3つの拘束ノードはどれもRest Length(自然長)アトリビュートが付いた単純なプリミティブを作成します。 後でRBD Constraint Properties SOPノードを使用することで、拘束グループを作成したり、拘束タイプ(例えば、接着拘束またはソフト拘束)をセットアップすることができます。 Constraint Network DOPのヘルプには、拘束ネットワークに関するより詳しい情報が載っています(Constraint Networkは、SOP拘束ジオメトリをそれと同等のDOP拘束に変換する役割を担ったローレベルのDOPノードです)。
接続のタイプ
これらの3つの拘束ノード(RBD Constraints From Lines, RBD Constraints From Curves, RBD Constraints From Rules)はどれも以下のタイプの接続を選択することができます。
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デフォルトで作成される接続は Hinges です。このHingesは、破片間にヒンジのような拘束を作成します。これは拘束ライン上に白いドットで可視化することができます。 |
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Surface Points 拘束を描画すると、破片上でマウスクリックした位置にその拘束を配置するためのアンカーポイントが作成されます。 |
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Center of Mass 拘束は、拘束される破片の重心を計算して、その重心間に拘束を作成します。 |
RBD拘束の変換
RBD Convert Constraints SOPは、既存の拘束を受け取って、別のタイプの拘束に簡単に変換することができます。 Constraint Type ドロップダウンメニューで、変換先の拘束タイプを Center of Mass 、 Surface Points 、 Faces から選択することができます。
Tip
RBD Exploded View SOPを使用することで、拘束がどのように破片を接続しているのかうまく視覚化することができます。
Center of Mass
Surface Points
Faces
詳細は、RBD Convert Constraints SOPのヘルプのページを参照してください。
拘束の挙動の制御
RBD Bullet Solverノードの Constraints タブには、拘束の挙動を制御するためのパラメータがあります。 Breaking Thresholds サブタブでは、拘束が切断されるタイミングを決めることができます。 例えば、 Distance Threshold パラメータを使用することで、拘束が切断されるアンカーポイント間の距離を設定することができ、 Force Threshold を使用することで、拘束が切断される強度を設定することができます。
Note
Visualize タブの False Color Mode ドロップダウンメニューを使用することで、使用する切断閾値を判断することができ、さらにはデバッグにも役立ちます。
RBD Constraint Propertiesノードは、RBD Material Fractureノードの Constraints タブのパラメータと同等の機能性を備えています。 もっと複雑な独自拘束を構築したい場合には、このノードを拘束ネットワークの値を編集するための便利インターフェースとして使用することができます。 伸縮性の観点では、可塑性を制御するためのパラメータが用意されていて、可塑性の効果が出始める2つのオブジェクト間の角度を度で制御することもできます。 これは、形状を曲げて維持したい箇所で屈曲と折損のエフェクトを表現するのに役に立ちます。 詳細は、屈曲と折損を参照してください。
拘束ネットワークを理解する
Houdiniは、 拘束ジオメトリ を使ってSOPsで拘束をセットアップすることができます。 この拘束ジオメトリは、ジオメトリ破片間の拘束の関係性を示したアトリビュート付きのポリラインセットです。 この拘束ジオメトリは、DOPネットワークに取り込まれた時に、それに該当するDOP拘束に変換されます。 これによって、ジオメトリとアトリビュートの編集に特化した多くのSOPノードを使って、拘束をセットアップ、編集、可視化するのが簡単になっています。
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各拘束は、2点間ポリラインで表現されています。
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各ポリラインは、拘束タイプを指定した
constraint_type
Primitiveアトリビュートを持っています。よく使用する2つのRBD拘束タイプは、glue
とsoft
の拘束です。Glue 拘束は、フォースの量が 接着強度 を超えない限り、2個の破片間の接着を維持します。
Soft 拘束は、スプリングと同様ですが、伸縮ではなく割れるまで屈曲します。
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ポリラインには、拘束に関係のあるPrimitiveアトリビュートを追加することができます。例えば、接着拘束なら
strength
、ソフト拘束ならstiffness
とdampening
があります。 -
2個の端点にはそれぞれ、その端点が表現する破片の名前を指定した
name
アトリビュートが付いています。 -
この端点の位置は、例えばアンカーポイントとして別の拘束に使用することができます。
破片の事前拘束
複数の繋がった破片を色々な方法で粉砕させたい場合、RBD Material Fractureを使って分解させる前に、 オプションで RBD Constraints From Rulesノードを使用することができます。
例えば、家を破壊する場合、ドアと窓をそれらが組まれている壁に拘束して開始することができます。
RBD Material Fractureノードは、個々のオブジェクトを分解する時に、知的に既存の拘束の更新を試みます。 そのため、例えば、1枚の窓ガラスがそれを囲んだ窓枠に取り付けられている場合、RBD Material Fractureがその窓ガラスを粉砕しても、外側の破片はその窓枠に取り付けられた状態を維持します。