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Houdini20.0は新しいライセンスシステムを使用します。以前は、これは1つの機能で、有効にすることで使用することができました。今後は、このシステムが利用可能な唯一のシステムとなります。
Warning
このシステムでは、hserverがHoudini19以降、且つ、sesinetdが18.5以降である必要があります。 また、このシステムですべてのオプション、挙動、環境変数を使用できるとは限りません。それらはもう必要でないか、より優れたメソッド/ワークフローを通して実行できるようになっています。
ライセンスプロダクトは、階層に基づいて順序が決定されます。
階層は、金銭的コストと、そのプロダクトで利用可能な機能に基づいています(つまり、FX > Core > Engine)。
システムは、リスト内のリストに基づいて動作します。各サブリストは、ライセンスモード(Commercial、Education、Indie、Non Commercial)を意味します。
またこのリストの順序は、サブリストの優先度をhserverに伝えます(最初のサブリストの優先度が最も高い)。サブリストの順序は[Commercial, Education, Indie, Non Commercial]
です。
[ [Engine, Core, FX], [Engine EDU, EDU], [Engine Indie, Indie], [Apprentice] ]
ライセンスモード |
ライセンスリスト |
---|---|
Commercial |
Engine, Core, FX |
Education |
Engine EDU, EDU |
Indie |
Engine Indie, Indie |
Apprentice |
Apprentice |
この例では、ライセンスのチェックアウト順の観点から、リスト内のリストを[Engine, Core, FX, Engine EDU, EDU, Engine Indie, Indie, Apprentice]
に変換することができます。
HythonのCommercialモードリストをよく見ると、[Engine, Core, FX]
になっています。Engineが最初にリストされているのは、EngineがHythonに最も適したライセンスタイプだからです。
しかも最も安価なため、大多数のユーザはCoreまたはFXのライセンス取得を試みる前に、これらのライセンスを使い切りたいと考えます。
FXは最も高価であり、必ずしもHython向けではありませんが、これを使用してhythonを実行することができ、大多数のユーザはこれを最終手段として使用したいため、最後にリストされています。
メインリスト内の各サブリストはライセンスモードを示し、そのサブリスト内のアイテムはアプリケーションに基づく階層による個々のライセンス順を示します。
このシステムの柔軟な設計を活用できるシナリオ:
スタジオが複数のプロジェクトを抱えており、ショーAに関わるアーティスト、ショーBに関わるアーティスト、両方に関わるアーティストが数人ずついるとします。
ショーAでは、どんなアプリケーションにもFXライセンスを使用できないようにしたいとしましょう。ショーAに簡単な起動スクリプトを作成し、起動スクリプトによって起動されるアプリケーションのコマンドラインまたは環境に、--skip-licenses="Houdini-Master"
を追加すると、FXライセンスをスキップできます。
システム管理者は、環境変数、hserver、その他のアプリケーションを管理する必要がありません。
それどころか、各ショーで求められるライセンスの挙動を管理する、バージョン管理システムにチェックインされる起動スクリプトを作成することができます。
これにより、管理者はライセンスの挙動を更新し、それをバージョン管理システムにプッシュできるため、次回アーティストが更新した時に、新しいライセンスの挙動を反映することができます。
アプリケーションの特定のライセンスを有効または無効にする処理は、プロダクトオーバーライドと呼ばれます。
プロダクトオーバーライドはスタジオ全体で、またはアーティストのマシンから直接変更することができます。
プロダクトオーバーライドを編集するには、hkeyを開き、 File ▸ Partition Licenses に移動してProduct Overrides
タブを選択します。
プロダクトオーバーライドを適用する処理は、最初にスタジオーバーライド、次にアーティストオーバーライドです(どちらもオプション)。 つまり、アーティストオーバーライドは、スタジオが設定したプロダクトオーバーライドのどんなオプションとも置き換わります。 例えば、プロダクトのHoudiniで、スタジオはHoudini-Masterライセンスをスキップし、アーティストはHoudini-Masterライセンスを選択したとします。 この結果、CoreおよびFXライセンスがチェックされます。アーティストがスタジオ設定をオーバーライドしていない場合、Coreのみがチェックされます。
Note
任意のライセンスタイプをリストして、チェックまたは無効にすることができますが、プロダクトがそのライセンスを使用していない場合は何の効果もありません。
例えば、Houdiniアプリケーションに--check-license=Karma-Render
を追加できますが、HoudiniがKarmaライセンスを実行できない場合は何の影響もありません。
プロダクト交換 ¶
プロダクト交換とは、ライセンスを要求したアプリケーションのリスト内のリストに基づいて、優先度の低いまたは高いライセンスとライセンス交換する処理のことです。プロダクト交換の例:
-
Houdini Coreを開きます。Coreライセンスがチェックアウトされます。
-
Houdini FXを開きます。FXライセンスがチェックアウトされます。Coreライセンスは返却され、Houdini CoreアプリケーションはFXライセンスで実行中です。
-
Houdini FXを終了します。Coreライセンスがチェックアウトされ、FXライセンスが返却されます。Coreアプリケーションは、現在Coreライセンスで実行中です。
コマンドラインオプション ¶
Note
以下のすべてのコマンドラインオプションは、hserverではなくアプリケーションに適用します。
--list-license-checks
これらのオプションのすべてにおいて、アプリケーションが要求しようとするライセンスのリストを確認できることが重要です。
このオプションによって、アプリケーションは、hserverにライセンスを要求するのに使用されるリスト内のリストをプリントします。
エントリの頭に-
文字が付いている場合、そのエントリは現在、hserverへのリクエストから削除されていることを意味します。
ライセンスのチェックアウトを有効にするには、そのライセンスの内部名を--check-licenses
に追加します。
ライセンスのチェックアウトを無効にするには、そのライセンスの内部名を--skip-licenses
に追加します。
--check-licenses
一部のアプリケーションには、チェックアウトできる追加のライセンスがありますが、デフォルトではチェックアウトされない場合があります。
Houdini Coreの場合、Houdini FXライセンスはチェックアウトされませんが、--check-licenses="Houdini-Master"
を付けて起動すると、Houdini CoreでHoudini FXのチェックアウトが有効になります。
チェックアウトするライセンスをさらに追加するには、ライセンス名の間に,
を入れてください。
Note
一部のアプリケーションは、このオプションに関係なく特定のライセンスをチェックアウトすることができません。 例えば、Houdini FXはHoudini Engineライセンスをチェックアウトすることができません。
Tip
Houdini CoreとHoudini FXを同時に起動することが多い場合、Houdini Core環境変数に--check-licenses="Houdini-Master"
を追加することを推奨します。
詳細は以下を参照してください。
--skip-licenses
一部のセットアップでは、様々な理由で特定のライセンスをスキップしたい場合があります。
スタジオでは、特定のロールやプロジェクト用にFXライセンスを確保して、他のユーザにはCoreライセンスを使用してもらいたい場合があります。
場合によっては、アーティストにHoudini Non Commercialライセンスを使用してほしくないこともあるでしょう。
このオプションを使用すれば、特定のライセンスをスキップすることができます。
このオプションの構文は、--skip-licenses="Houdini-Non-Commercial"
で、ライセンス名の間に区切り文字として,
を入れます。
--skip-license-modes
このオプションでは、ライセンスを要求する際にライセンスカテゴリ全体をスキップすることができます。
このオプションは、ユーザに非商用ライセンスをチェックアウトさせたくない時に便利です。
利用可能なオプションは、commercial
、education
、indie
、apprentice
です。
--check-license-modes
このオプションが役に立つのは、ライセンスモードを上記の--skip-license-modes
オプションと逆にしたい場合のみです。
ここで利用可能なオプションは--skip-license-modes
と同じです。
環境変数 ¶
このシステムはアプリケーションを使用してライセンスの挙動を指示するので、各アプリケーションに、そのアプリケーション関連のライセンスオプションを追加するための独自の環境変数が用意されています。
特定のタイプのすべてのアプリケーション(Houdini Coreなど)に対して一連のライセンス動作が必要な時は、アプリケーションのライセンス環境変数を使用するとよいでしょう。
これらの環境変数の内容は、アプリケーションのコマンドラインオプションとまったく同じです。
例えば、どのHoudini CoreもHoudini FXライセンスをチェックアウトするようにしたい場合、環境変数をHOUDINI_CORE_LIC_OPT="--check-licenses=Houdini-Master"
にします。
Tip
アプリケーションの環境変数が処理されてから、次にコマンドラインオプションが処理されます。コマンドラインオプションが処理されると、環境変数で使用されているオプションが上書きされます。
環境変数名 |
アプリケーション |
---|---|
HOUDINI_LIC_OPT |
Houdini |
HOUDINI_CORE_LIC_OPT |
Houdini Core |
HOUDINI_FX_LIC_OPT |
Houdini FX |
HOUDINI_INDIE_LIC_OPT |
Houdini Indie |
HOUDINI_NC_LIC_OPT |
Houdini Apprentice |
HOUDINI_EXPER_LIC_OPT |
Houdini Experimental |
HOUDINI_PDG_LIC_OPT |
PilotPDG |
HOUDINI_HYTHON_LIC_OPT |
HythonとHbatch |
HOUDINI_MANTRA_LIC_OPT |
Mantra |
HOUDINI_KARMA_LIC_OPT |
Karma |
HOUDINI_MPLAY_LIC_OPT |
Mplay |
HOUDINI_PLUGIN_LIC_OPT |
サポートされているすべてのプラグイン(Unity、Unreal、Mayaなど)。 |
このシステム下でアプリケーションを起動すると、アプリケーション固有のライセンス環境変数がチェックされ、次にコマンドラインオプションがチェックされます。
例えば、Houdini Coreを起動すると、ライセンスオプションはHOUDINI_CORE_LIC_OPT
環境変数がチェックされ、次にコマンドラインオプションがチェックされます。
Houdini 19ライセンスシステムへの移行ガイド ¶
Note
この2つのライセンスシステムは根本的に異なるため、このガイドはライセンス取得の挙動をほぼ同様にするためのガイドにすぎません。 以前のシステムとまったく同じライセンスの挙動にする方法とは考えないでください。
新機能とこのシステムの挙動の変更のため、このシステムに切り替える前に知っておくべき項目がいくつかあります。 最大の変更は、これまでの既存のライセンス環境変数およびオプションがすべてこのリリースから非推奨になり、新しいシステムで用意されたオプションが推奨されるようになったことです。 このシステムは、アプリケーション側でライセンス取得を制御できるように根本的に変更されているので、実行中にライセンスシステムを変更することは不可能で、起動時にのみシステムを選択できます。
Warning
これまでの既存のライセンスオプション(環境変数など)はこのリリースで非推奨になり、次のリリースで完全に削除される予定です。
以下の表は、一部の環境変数値をHoudini 19ライセンスシステムに変換するための大まかなガイドです。一部の値はこの新しいシステムでもう適用されなくなっているため、省略されています。
HOUDINI_SCRIPT_LICENSE |
Houdini 19環境オプション |
---|---|
hbatch -R |
|
PDG_LICENSE_MODE |
Houdini 19環境オプション |
pdg_only |
これは、アプリケーションがライセンス(つまりPilotPDG)を使用する時に、既存のPDGライセンスリストを使用するだけなので、アクションを実行する必要はありません。 |
engine_only |
|
houdini_core_only |
|
houdini_fx_only |
|
Houdiniコマンドライン |
Houdini 19オプション |
-apprentice |
|
-indie |
|
-core |
|
Houdini 19のライセンスシステムは、hserverと挙動を制御する環境変数の複雑なネットワークから、アプリケーション側で使用を許可するライセンスの完全なリストを決める仕様に変わりました。
そのため、hserverオプションの--relax-non-graphical/-g
と--render-only/-n
は、このシステムでは使用されなくなりました。
これらのオプションは、古いシステムを使用するアプリケーションに対してはまだ設定することができますが、このシステムでは、アプリケーション側でHoudini 19ライセンス取得の挙動を制御し、これらのオプションが必要ないため、単に無視されます。
Houdini 19のライセンス取得ではHTTP(S)のみが使用され、古いシステムの挙動や古いシステムとの通信プロトコルとの下位互換性を提供する 予定はありません 。 hserverは同時に両方のシステム使用して実行することができますが、古いシステムは必要な情報を用意できず、hserverは何をすべきか決めることができないため、アップグレード/ダウングレードは無効になります。