Houdini 18.0 リファレンス スタンドアローンのユーティリティ

hserver

Houdiniは、このプロキシサーバーを介してsesinetdライセンスデーモンと通信します。

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hserverは、sesinetdサーバーのプロキシです。hserverは自動的にHoudiniによって起動されて使用されます。

常にバックグラウンドで実行されるsesinetdとは違い、最初にHoudiniを起動した時に"必要に応じて"hserverが実行されます。 つまり、最初にHoudiniを起動したユーザーがそのプロセスを所有することになります。 このhserverプロセスは、実行された後はバックグラウンドで実行を継続することができます(Houdiniを再起動する時にhserverを停止して起動する必要がありません)。 Houdiniが複数のhserverインスタンスを起動させてしまって複数のチェックアウトや様々な他の問題を引き起こさないようにするために推奨されている方法は、最初にコンピュータを起動した時に手動でhserverを起動することです。 Windowsでは、hserverは適切なサービスになっているので、手動でhserverを起動する必要はありません。

Houdiniコマンドライン環境からHoudiniを立ち上げている場合、hserverはそのコマンドパス上にあります。 新しいコマンドラインオプションを使って手動でhserverを再起動することができます。 または、hserverインスタンスが既に実行されている時にhserverを実行すると、既存のインスタンスと通信されます(以下のコマンドラインからhserverを制御する方法を参照してください)。

オプションファイル

オプションファイルhserverオプションを指定することができます。 このファイルは、オペレーティングシステム別にファイル名やファイルの場所が異なります。

Mac

Houdiniパス内のどこにでもhserver.optオプションファイルを配置することができます。

Windows

C:\Windows\system32内にhserver.iniオプションファイルを配置してください。

Linux

Houdiniパス内のどこにでもhserver.optオプションファイルを配置することができます。

オプションファイルには以下の行を記述することができます。#で始まる行がコメント扱いになって無視されます。

maxRenders max

使用可能なレンダラープロセスの最大数。 デフォルトは、マシンのプロセッサ数です。マシンに搭載されている物理プロセッサよりも多いレンダラープロセッサの数を指定すると、パフォーマンスに影響が出ます。

maxThreads max

このサーバーが内部で使用するスレッドの最大数。 ここには、同時にhserverと通信させたいプロセスの最大数よりも多い数を指定してください。 デフォルトは4です。2未満の値は無視されます。

maxUsage pct

CPUの最大使用率(パーセント記号を含めないでください)。 ホストマシンに対するサーバープロセスの平均負荷がこの使用率を超えると、サーバーはレンダリングの受け入れを停止します。 100より大きい値を指定すると、このチェックが無効になります。デフォルトは101(無効)です。

このオプションの使用には注意してください。 これは 負荷を時間で割った平均 に基づいているので、この平均が閾値以内に収まる前にサーバーが複数のレンダリングの受け入れを拒否することがあります。

renderOnly 0|1

これを1に設定すると、非グラフィカルライセンスのみが使用可能になります(これとgraphicsOnlyの両方を1に設定すると、両方とも無視されます)。 これによって、"グラフィカル"アプリケーション(インターフェースを持ったアプリケーションのことで、例えばHoudini)がこのホストを使用しないように制限することができます。

graphicsOnly 0|1

これを1に設定すると、グラフィカルライセンスのみが使用可能になります(これとrenderOnlyの両方を1に設定すると、両方とも無視されます)。 これによって、コマンドラインアプリケーション(例えばhbatch)がこのホストを使用しないように制限することができます。

relaxNonGraphics 0|1

これを1に設定すると、たとえrenderOnly1でも、非グラフィカルアプリケーションがグラフィカルライセンスを使用することができます。 ただし、非グラフィカルアプリケーション(hbatch)はグラフィカルライセンスを使用することはできません。

readTimeout millis

このサーバーがsesinetdライセンスサーバーからの応答を待つ最大時間(ミリ秒)。 デフォルトは5000(5秒)です。マイナス値を指定すると、ネットワークコールがタイムアウトしなくなります。

(hserverが複数のライセンスサーバーを使用するように設定されている場合、これは、リスト内の1つのサーバーからの応答を諦めて次のサーバーに移動するまでの時間です。)

readIPMask ip_mask

このマスクに合致したIP4アドレスを持つクライアントのみがサーバーから情報を要求することができます。

デフォルトは+.+.+.*です。+記号は同じ位置にある現在のホストの番号に合致し、*は任意の番号に合致します。 そのため、デフォルトでは、IP4アドレスがサーバーホストと同じ最初の3つの8ビットを持つマシンに合致します。

例えば、127.0.0.*を使用すると、ローカルプロセスのみがサーバーと通信することができます。

writeIPMask ip_mask

このマスクに合致したIP4アドレスを持つクライアントのみが、サーバーの起動、サーバーのシャットダウン、レンダリングの一時停止/再開/強制終了、ライセンスサーバーの変更をすることができます。

デフォルトは+.+.+.*です。+記号は同じ位置にある現在のホストの番号に合致し、*は任意の番号に合致します。 そのため、デフォルトでは、IP4アドレスがサーバーホストと同じ最初の3つの8ビットを持つマシンに合致します。

例えば、127.0.0.*を使用すると、ローカルプロセスのみがサーバーを制御することができます。

logfile path

ログの書き込み先となるファイルパス。

hold license secs

hserverがアプリケーションのライセンスをチェックアウトする時に、使用後にそのライセンスを返却せずに"保持"するように指定することができます。 これにより、同じマシンでのライセンスの再取得が非常に高速になりますが、ライセンスが縛られます。

この2つの引数は、ライセンスタイプとそのタイプの各ライセンスを保持する秒数です。 この秒数に-1を指定すると、サーバーはそのタイプのライセンスを無期限に保持します。デフォルトは次のようになっています:

hold Houdini-Master 3600
hold Render -1

(つまり、FXライセンスを1時間保持し、Renderライセンスを無期限に保持します。Renderライセンスは無料なので、今後ずっと使用するために無期限に保持するのが妥当です。)

mantra version=X.X command="command"

特定のバージョンのMantraレンダラーでリモートレンダーを開始する時にレンダーコマンドを指定します。 これによって、同じホスト上で複数バージョンのレンダラーに対応することができます。

enableHttp 0|1

これを設定すると、hserverは、接続済みsesinetdサーバーとhttp通信を優先的に使用するようになります。 接続済みsesinetdサーバーがhttp通信を認識しない、または、http通信をブロックした場合、hserverは元々の通信システムに戻します。

コマンドラインからhserverを制御する方法

-h host

オプションで、照会/制御するリモートホストを指定することができます。

-l

起動中のhserverの情報を取得します。

-L

logfileオプションを設定します。

-V

すべてのバージョン固有のMantraコマンドをリストします。

-q

起動中のhserverを閉じます。

-p

起動中のhserverにオプションファイルをリロードさせます。

-P pid

pidで指定されたhserverのタスクを一時停止します。

-R pid

pidで指定されたhserverのタスクを再開します。

-S servers

使用するライセンスサーバーをサーバー名で選択します。 ライセンスサーバーを冗長構成にしている場合には、接続するサーバー名をカンマ区切りのリストで指定します(最大3つ)。

-K pid

Killするhserverのタスクをpidで指定します。

-d

hserverをバックグラウンドで実行しないようにします。これは、Windows以外のプラットフォームでのみ利用可能です。

-n

renderOnlyオプションを有効にします(非グラフィカルレンダリングのみを許可します)。これと-Gの両方を設定すると、両方とも無視されます。

-G

graphicsOnlyオプションを有効にします(グラフィカルレンダリングのみを許可します)。これと-nの両方を設定すると、両方とも無視されます。

-g

relaxNonGraphicsオプションを有効にします。

-r max

maxRendersオプションを設定します。

-t count

maxThreadsオプションを設定します。

-T millis

readTimeoutオプションを設定します。

-a pct

maxUsageオプションを設定します。

-m ip_mask

readIPMaskオプションを設定します。

-M ip_mask

writeIPMaskオプションを設定します。

-C

http通信が利用できる時、hserverは、接続するsesinetdサーバーにhttpを使って通信することができます。

-f

実行中の他のhserverに関する診断情報をhttpを使って取得します。このオプションは、-lと比べて他のhserverに関する情報も取得することができます。

-v

他のhserverに関する情報を取得する時、アプリケーションがその詳細を出力するようになります。

ライセンスサーバーのチェーン化

この構成によって、ライセンスサーバー(sesinetd)をチェーン化することができます。 これは、あなたの仕様(例えば、ライセンスプロダクトタイプ)に基づいてライセンスサーバーを分けることができます。

この構成リストをセットアップするには、接続先となるライセンスサーバーを単一のsesinetdを指定するのではなくて、セミコロンで区切ったライセンスサーバーのセットを指定します。 このリスト内の1番目のsesinetdがコマンドの実行(つまり、チェックアウト)を試みて、何かしらの理由(接続できない、コマンドが失敗など)で失敗すると、次のsesinetdを試みます。 "hserver -S"を使ってこのリストを指定する時は、この接続先のリストを引用符で閉じてください。例えば、hserver -S "sesinetd1;sesinetd2"です。

この構成を使用するには、最低でもバージョン18.0のHoudini License Server(hserver)が必要になります。 現在のところ、sesinetdとHoudiniのバージョンは、この構成ではそのバージョンに合わせる必要性はありません。

HTTP通信に対応

クライアント側(hserver)でhttp通信を有効にするには、コマンドラインに-Cを追加するか、または、 HoudiniServer オプションファイルにenableHttp 1を追加してください。 hserverでのhttp通信はデフォルトで無効になっています。

Note

-Cを追加してもhttp通信が使用される保証はありません。 hserverが-Cオプションを使用しても、そのライセンスサーバーのバージョンとライセンスサーバーでhttp通信が有効になっているかどうかによって、使用する正しい通信プロトコルが決定されます。

Warning

バージョン18.0のプロダクトは通信を適切に制御する必要があるので、http通信を使用する時は厳重に注意してください。

スタンドアローンのユーティリティ

  • abcconvert

    Alembicフォーマット間を変換します。

  • abcecho

    Alembicファイルに関する情報を出力します。

  • abcinfo

    Alembicファイルに関する情報を出力します。

  • chchan

    チャンネルコレクションをアクションチャンネルフォーマットへ(から)コピーします。

  • chcp

    チャンネルコレクションファイルを他のフォーマットにコピーします。

  • chinfo

    チャンネルコレクションファイルに関する情報を出力します。

  • claudio

    CHOPデータ(clip)をオーディオフォーマットへ(から)コピーします。

  • clchan

    CHOPデータ(clip)をアクションチャンネルフォーマットへ(から)コピーします。

  • clchn

    CHOPデータ(clip)をチャンネルコレクションフォーマットへ(から)コピーします。

  • clcp

    CHOPデータ(clip)を他のフォーマットにコピーします。

  • clinfo

    CHOPデータ(clip)ファイルに関する情報を出力します。

  • dsmconvert

    ディープシャドウ/カメラマップをあるフォーマットから別のフォーマットへ変換します。

  • dsmmerge

    2つ以上のディープシャドウ/カメラマップファイルを結合します。

  • dsparse

    ダイアログスクリプトを解析して表示します。

  • gabc

    AlembicとHoudiniのジオメトリ間を変換します。

  • gconvert

    Houdiniポリゴンフォーマット間を変換します。

  • gdxf

    DXFポリゴンをHoudiniフォーマットへ(から)変換します。

  • geps

    EPSファイルをHoudiniポリゴンフォーマットへ変換します。

  • giges

    IGESジオメトリファイルを変換します。トリムNURBSパッチとカーブを扱います。

  • ginfo

    ポリゴンファイルの統計情報を出力します。

  • glightwave

    LightWaveファイルをHoudiniフォーマットへ(から)変換します。

  • gplay

    ジオメトリビューア。

  • gptex

    ジオメトリファイルからPtexture画像ファイルを作成します。

  • greduce

    ファイルのポリゴンを削減します。

  • gwavefront

    .objファイルをHoudiniフォーマットへ(から)変換します。

  • hbrickmap

    i3dファイルまたはボリュームプリミティブgeo/bgeoファイルをPixar Brickmapファイルに変換します。

  • hcollapse

    ディレクトリ構造を折り畳みます。

  • hcpio

    CPIOアーカイブコマンドのサブセットコマンドでhipファイルの抽出/折り畳みができます。

  • hexpand

    hipファイルをディレクトリ構造に展開します。

  • hkey / License Administrator

    ライセンスとライセンスサーバーオプションを表示/管理するためのグラフィカルユーザインターフェースを開きます。

  • hrender

  • hsc

    Bloscファイル(.sc)の圧縮または解凍をします。

  • hscript

    コマンドラインのHScriptインタプリタ。

  • hserver

    Houdiniは、このプロキシサーバーを介してsesinetdライセンスデーモンと通信します。

  • husk

    Karmaまたは一部の他のHydraクライアントを使ってUSDファイルをレンダリングするためのコマンドラインユーティリティ。

  • i3dconvert

    3DテクスチャファイルフォーマットをHoudiniジオメトリへ(から)変換します。

  • iautocrop

    ピクセル値に基づいて画像をクロップします。

  • icineon

    10ビットCineonフォーマット画像を8ビットフォーマットへ変換します。

  • icomposite

    画像をレイヤーでコンポジットします。

  • iconvert

    画像フォーマットを変換します。

  • icp

    画像のある領域を新しい画像に分離します。

  • iflip

    画像の向きを反転します。

  • iinfo

    画像に関する情報を出力します。

  • ilut

    標準チャンネルフォーマットまたは他のLUTからLookup Table(.lut)を生成します。

  • ilutcomp

    2つのLUTから1つのLookup Table(.lut)を生成します。

  • ilutinfo

    Lookup Table(LUT)ファイルの情報をプリントします。

  • imdisplay

    画像をMPlayウィンドウで開きます。

  • iprint

    画像のRGBA値をテキストとして出力します。

  • iquantize

    画像の色数を減らします。

  • isixpack

    立方体の6面を意味する6枚の画像または十字展開した画像から環境/反射マップを生成します。

  • itilestitch

    クロップウィンドウを含んだ一連の画像ファイルを一枚の画像にまとめます。

  • izg

    Z深度画像を8ビットのグレースケールに変換します。

  • mcacclaim

    AcclaimモーションファイルをHoudiniのスクリプトとチャンネルファイルに変換します。

  • mcbiovision

    BioVisionモーションファイルをHoudiniのスクリプトとチャンネルファイルに変換します。

  • mcmotanal

    Motion Analysis TRCモーションファイルをHoudiniのスクリプトとチャンネルファイルに変換します。

  • mcp

    画像シーケンスを動画ファイルに変換します。

  • minfo

    動画ファイルに関する情報を出力します。

  • sesictrl

    コマンドラインからHoudiniライセンスサーバーオプションを設定します。

  • sesinetd

    Houdiniライセンスサーバー。このプログラムはバックグラウンドで実行されてHoudiniライセンスを管理します。

  • siminfo

    シミュレーションキャッシュファイルの統計をプリントします。

  • spy

    UNIXファイルシステムを操作するシェルユーティリティ。

  • vexcache

    VEXコンパイルキャッシュを照会または編集します。

  • vexexec

    CVEXシェーダを実行します。