Houdini 20.0 Solaris Karmaユーザガイド

Karmaユーザガイド ライト

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概要

Karmaのライティングは、USDに組み込まれたライト関連の機能に大きく依存しています。 この章では、USDライティングの基本とKarma固有のプロパティについて説明します。

USDライト

USDは以下の標準的なライトタイプに対応しています。 Karmaは以下のライトタイプにすべて対応しているわけではありませんが、代わりの方法でその効果を模倣することができます。

CylinderLight

円柱形の光源。

DiskLight

円形の光源。

DistantLight

無限に遠い光源。

DomeLight

無指向性の環境光源。

GeometryLight

照明を備えたメッシュまたはその他のジオメトリ。

Point

無限に小さい光源。

PortalLight

ドームライトに窓を備えたライト。

RectLight

長方形の光源。

SphereLight

球形の光源。

共通プロパティ

ライトには、現実世界のライティングを模倣する様々なプロパティがあり、アーティスティックなコントロールが用意されています。 ディレクショナルライトは、デフォルトではローカルのマイナスZ軸方向に光を放出するように合わせられています。 すべてのライトは移動、回転、スケールさせることができます。

CylinderLight

Height

  • ローカルX軸に沿ったライトの長さ。

Radius

  • ローカルX軸を中心としたチューブの半径。

Transform

  • 完全にトランスフォーム可能。

DiskLight

Radius

  • ディスクの半径。

Transform

  • 完全にトランスフォーム可能。

DistantLight

Angle

  • 光の角度。

Transform

  • 完全にトランスフォーム可能。ただし回転のみライトに影響します。

DomeLight

Transform

  • 完全にトランスフォーム可能。ただし回転のみライトに影響します。

GeometryLight

Transform

  • 完全にトランスフォーム可能。

その他

  • EmissionおよびEmission Colorはシェーダで制御されます。

  • Render Geometry Settingsは、Primを光源としてマークするため、Karmaはより効率的にサンプリングできます。

  • 詳細については発光マテリアルを参照してください。

PointLight

Transform

  • 完全にトランスフォーム可能。ただし、回転/スケールにはシェイププロパティ( spotlight など)の適用が必要です。

Portals

Transform

  • 完全にトランスフォーム可能。

その他

  • Render Geometry SettingsはPrimをポータルソースとしてマークします。

  • Render Geometry Settingsでは、ポータルが影響するドームライトを指定することもできます。

RectLight

Width

  • ローカルX軸に沿ったサイズ。

Height

  • ローカルY軸に沿ったサイズ。

Transform

  • 完全にトランスフォーム可能。

SphereLight

Radius

  • 球の半径。トランスフォームを使用すると不均一の球を取得できます。

Transform

  • 完全にトランスフォーム可能。

KarmaSkyDomeLight

Solar Altitude

  • 空における太陽の角度。

Solar Azimuth

  • Up軸を基準とした太陽の位置。

Turbidity

  • 大気中の埃や塵の量。

Transform

  • 完全にトランスフォーム可能ですが、回転のみがライトに影響を与えます。

Karma Physical Sky

KarmaSkyDomeライトとDistantライトと特別なプロパティの組み合わせ。

詳細は、ノードのヘルプカードを参照してください。

LPEタグ

Karmaは、Light Path Expressions用のカスタムタグに対応しています。 ライトに対してカスタムタグを設定するには、Light LOPのKarmaプロパティを使用します。 LPE Tag LOPを使用してLPEタグを追加することもできます。

詳細は、Light Path Expressionsを参照してください。

ライトフィルタ

ライトフィルターをライトに追加することで、照明要素に人為的な修正を加えることができます。 ライトフィルターは、Light Filter Libraryを使用して作成します。 Karmaは、ライトフィルター内でのMaterialXシェーダの使用に対応しています。 Karma Light Projectは、これらのワークフローでは必要不可欠です。

Karma Light Filter Attenuation

距離に応じてライトの強度/色をどのように変化させるのか制御します。

Karma Light Filter Barndoor

Barndoor(観音開きの扉)を円錐ライトに追加します。

Karma Light Filter Gel

光源の色、強度、拡散反射/鏡面反射を調整します。

Karma Light Filter Gobo

テクスチャを介して光源を投影します。

Karma Light Filter Projection

ライトの投影空間内の“現在の光線”の深度とUV座標を用意します。

Warning

  • ライトフィルタが適用されたライトはライトツリーに自動で追加されません。

  • 同じシーン内の多数のライトにライトフィルタを使用することは推奨されていません。

Karmaライトプロパティ

グローバルプロパティは多くの場合、ライト単位で制御することができます。 これらの制御はprimvars:karma:light:ネームスペースにあり、通常はそれに呼応するグローバルプロパティに対する乗数です。 乗算またはスケールさせることをプロパティで指定しなかった場合、そのプロパティは上書きとして機能します。

Active Radius

ライトからの照射距離を人為的にクランプします。 この半径外ではライトは影響を持ちません。

MIS Bias

Multiple Importance Sampling(多重重点的サンプリング)がBSDFとライトのどちらか、または、両方からサンプリングするのか制御します。

Sampling Quality

これは、ライト単位のサンプリング品質で、グローバルの Light Sampling Quality に対する乗数として作用します。 この品質を上げると、この光源にサンプルがさらに追加されるので、他の光源と比べてこの光源のサンプリング品質が良くなります。

Sampling Mode

レンダリングにライトツリーを使用した時、Karmaは、そのライトツリーと互換性のある光源の配置を試みます。 このオプションによって、ライトは強制的にライトツリーから除外されて均一サンプリングを行なうようなります。 こうすることで、遅くなる代わりにサンプリング品質が改善される場合があります。

Category

照明でこの光源を選択する時に使用するカテゴリ識別子。

Maximum HDRI Size

環境マップがこの解像度よりも大きい場合、テクスチャ解析が実行された時にその環境マップが縮小されます。 環境マップに非常に小さな非常に明るい値があると、このフィルタリングは、その環境マップのサンプリングの挙動に影響してしまう場合があります。

Spread

Spread 1.0
Spread 0.5
Spread 0.2
Spread 0.05

矩形ライトにのみ、Karmaには特別なspreadパラメータがあります。 これをエリアライト投影に当てることで、ディスタントライトと単純なエリアライトをなんか“ブレンド”した感じにすることができます。

ライトツリー

Karmaは、たくさんのライトを含んだシーンをもっと効率的にレンダリングできるように、自動的に ライトツリー を構築します。 これによって、Karmaはどのライトを最も多くサンプリングするべきで、どのライトが高速に解が求まりそうなのかを効率的に判断することができます。 ライトに対してこれを Uniform に設定すると、常にそのライトがサンプリングされるようになります。

詳細は、サンプリング>ライトツリーを参照してください。

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