Houdini 20.0 ジオメトリ

ボリュームアンビエントオクルージョンを使用した雲のレンダリング

Volume Ambient Occlusion SOPは、指定されたDensityフィールドからアンビエントオクルージョンフィールドを生成します。 これは、レンダリング時にScatterフィールドを暗い値から明るい値にリマップすることで多重散乱を近似計算できるので、雲のレンダリングを高速化するのに役立ちます。 これによって、計算の背後にある物理学を理解する必要なく人為的な制御をすることができるので、雲を効率良くレンダリングすることができます。

これは、Densityグリッドからアンビエントオクルージョンを計算し、そのアンビエントオクルージョン情報を使用して、レンダリング時に発光をリマップして疑似の多重散乱を表現することができます。 ベイクされたアンビエントオクルージョンを特定の光源に紐づける必要がないので、再ベイクすることなくライトまたはボリュームを回転させることができます。

このノードは、VDBとボリュームの両方に対応しており、それぞれ結果が異なります。 OpenVDBは、Sparse(疎)表現でレンダリングするので、密度を含んだボクセルに対してのみアンビエントオクルージョンを計算します。 ボリュームは、ドメイン全体をアンビエントオクルージョン構造で埋めます。これは雲のレンダリングでは不要ではありますが、これが役立つ他のケースがあるかもしれません。

このアンビエントオクルージョンは、古典的なレイマーチング法ではなく、コーン(円錐)マーチング法を使用して計算します。 どちらのマーチング法も同じ結果を生成するのですが、コーンマーチング法の方が効率が良いです。 下図の破線で定義された円錐の積分を近似するのに、コーンマーチングは解像度が低いほど少ないサンプルを送信するのに対して、レイマーチング法は数千本もの光線が必要です。

下図に、これら2つのマーチング法の結果を載せています。 ボクセルあたり2,3本の光線だけを送信した場合、レイマーチング法では最終的にアーティファクトが発生しています。 それに対して、コーンマーチングは、何もアーティファクトが発生せず、より滑らかな結果が得られ、約10倍ほど高速です。

詳細は、Volume Ambient Occlusion SOPのページを参照してください。

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