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HoudiniのRBD系ノードのほとんどが完全にUIが見直されました。 今ではパラメータはサブペインを使って合理的にタブ別にグループ化され、使用頻度の少ないパラメータは、無駄にタブを増やさないように他の場所に移動されました。 現在推奨されるワークフローは、ソルバ内部で直接変更を加えるのではなく、様々な構成系ノードとプロパティ系ノードを使用してシミュレーションを調整することです。
インポート系ノードとエクスポート系ノードは、Houdini全体でさらに合理化され、Pyroなどの他のソルバのI/Oノードに合わせられました。 多くの改良点が人目に直接触れることもないのですが、パフォーマンスの向上、読み込みの高速化、ノードとその入出力の処理の改善が施されています。
RBD Bullet Solver ¶
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RBD Bullet Solverには多くのUI改良が施され、Pyro Solver SOPと同様の外観と使い勝手になるように合理化されました。パラメータ群は、 Setup 、 Bounds 、 Collision のように整理されたタブでまとめられています。さらに、使用頻度の少ないパラメータは、 Advanced タブに移動されました。すべてのタブには、折り畳み可能なサブペインがあり、そこにパラメータセットがまとまっています。
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Setup タブには、 Time Scale や Substeps などのシミュレーション関連パラメータがすべて含まれています。
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Properties タブでは、このノードの最初の3本の入力に共通するリジッドボディプロパティが見つかります。普段では、ここで編集をすることはほとんどなくて、これらのパラメータは主に便宜のために残されています。もっと複雑なセットアップと変更が必要であれば、RBD Configureノードを使用することを推奨します。RBD Configureノードは、名前のとおり、グループ毎に任意のパラメータを変更することができます。
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Collision タブのパラメータは、ソルバの4番目の入力( Collision Geometry )に影響を与えます。 Properties タブと同様に、シミュレーションパラメータを調整するのであれば、上流でRBD Configureノードを使用した方が良いです。 Collision タブは主に便宜のために残されています。
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Forces タブは、もっと上手く整理されました。カスタムフォースを追加するには、RBD Bullet Solverの中に入ります。
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Constraints タブにあったいくつかのパラメータが Advanced タブに移動しました。普段、拘束系パラメータはSOPベースのワークフローでは不要であり、たいていの場合では、RBD Constraint Propertiesノードで作業した方が良いです。いずれにせよ、RBD Constraint Propertiesノード内ですべての拘束値をスケールさせることができます。例えば、 Soft 拘束の Stiffness を50%にスケールさせたいのであれば、そのパラメータに進んで、 Set を Scale に変更します。そして、
0.5
と入力します。 -
Guide タブが整理され、使用頻度の少ないパラメータは Advanced に移動しました。ガイドシミュレーション系パラメータは、RBD Guide Setupノードに移動しました。デフォルトでは、このソルバは上流にRBD Guide Setupノードを必要とします。RBD Guide Setupノードを使用したくないのであれば、 Advanced タブに進んで、 Use Pre-Configured Setup を無効にしてください。すると、このソルバの Guide タブ内ですべての設定を行なうことができます。
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Visualization タブには、ガイドジオメトリを視覚化するためのすべてのオプションが用意されました。
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Advanced タブ下では、使用頻度の少ないパラメータ、普段は適切なプロパティノードと構成ノードで制御するようなパラメータが見つかります。これらのパラメータは、入力プロパティのスケール係数として使用されるようになりました。ここには、RBD Emissionサブソルバの Emission Cache Memory 設定もあります。
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Output タブは、Pyro Solverの出力に合わせられ、DOPからSOPベースのワークフローに移行する時のすべてのエクスポート設定が含まれています。どのImpactデータも引き出せるようになり、例えば、衝撃が起きた場所のポイントを引き出してセカンダリエフェクトを駆動させることができます。このデータは以前は別の Imact タブにありましたが、今では Output タブに統一されました。また、 Age Attribute を有効にしてピースの寿命を追跡してセカンダリエフェクトを制御したり、他の利用可能なアトリビュートをエクスポートすることもできます。
RBD I/O 2.0 ¶
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I/Oノードは、シミュレーション結果、または、粉砕ジオメトリなどの中間状態のどちらでもキャッシュ化するのに役立ちます。さらに、ジオメトリ、拘束、プロキシジオメトリを一度に単一ファイルに書き出すこともできます。更新されたRBD I/Oノードでは、バージョン制御に対応し、ファイルパスはベースファイル名とベースフォルダ名に分けて管理できるようになり、 Save to Disk または Save to Disk in Background を押すと、 Load from Disk オプションが自動的に有効になるようになりました。
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RBD I/Oノードの4番目の入力( Simulation Points )にも改良が施されました。 Storage Type パラメータオプションには、新しく Simulation Points エントリーが追加されました。以前のバージョンのRBD I/Oノードは、異なる2つのキャッシュを一度に管理していたので、このパラメータオプションがわかりにくかったです。更新されたRBD I/Oノードは、以前のバージョンで内部で使用していたTransform Piecesを別個のノードとして実行して、ポイントレベルのトランスフォームをRestジオメトリに適用するようにしました。その結果、たいていの場合においてユーザは高解像度ジオメトリが本当にキャッシュ化されているのかどうか確信が持てなくなりました。RBD I/Oでは、その4番目の入力が(以前のバージョンの Geometry and Points の代わりの) Simulation Points 専用に確保されるようになりました。
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新しいワークフローは、 Quick Setup ドロップダウンメニューを使用します。
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Cache High-Res Geometry は、File CacheノードとTime Shiftノードを上流に追加します。このオプションは、1番目の入力から、時間に依存しない高解像度Restジオメトリをキャッシュ化します。
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Transform High-Res Geometry は、時間に依存したポイントとトランスフォームを適用するTransform Piecesノードを下流に追加します。
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DOP I/O ¶
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DOP I/Oは、DOP Import Fieldノードを追加し、その下流にFile Cacheノードを追加するラッパーです。このDOP Import Fieldノードは、即座に目的のフィールドをディスクに保存できるように、 Presets を選択するだけで、DOPネットワークからすべてのフィールドを取得することができます。
DOP Import 2.0 ¶
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DOP Importノードは、DOPネットワークからデータを取得するのに使用します。新しくなったバージョン2.0は、パラメータは変わっていないものの、高速化され、UIは合理化されました。
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この新しいバージョンは、重いシーン(例えば、群衆シミュレーションやパックプリミティブ)のパフォーマンスが良くなりました。
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最初の3つのパラメータは、ネットワークから取り込みたい DOP Network と Objects を選択することができます。 Relationships では、拘束を取り込むことができます。
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古いバージョンでは、データ別にたくさんの色々な Import Styles を使用していました。DOP Import 2.0では、2個の Import Styles だけ残されました。
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Fetch Geometry from DOP Network は、DOPネットワークからすべてのジオメトリを取り込んで、
name
やpath
などのアトリビュートを追加します。 -
Create Points to Represent Objects は、DOPシミュレーション内のすべてのオブジェクトを取り込み、トランスフォームを示したポイントを生成します。利用可能なアトリビュートとグループをすべて転送することができます。
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RBD I/Oノードと同様に Quick Setups ドロップダウンメニューが追加され、2つのエントリーが登録されています。
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Transform High-Res Geometry エントリーは、Transform Piecesノードを下流に追加し、DOP Importで生成されたトランスフォームポイントをそのTransform Piecesノードの2番目の入力に接続します。そのTransform Piecesノードの1番目の入力には、高解像度Restジオメトリそのもの(例えば、RBD Material Fractureノード)を接続します。
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Cache Simulation は、シミュレーションをディスクに保存するFile Cacheノードを下流に追加します。
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DOP Import Fields 2.0 ¶
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このノードは、DOPネットワークから特定のデータ(例えば、Pyroフィールド)を取り込みたい時の基本的な便宜的なラッパーです。
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Houdini19.5での変更により、パフォーマンスが改良されました。
RBD Material Fracture ¶
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このノードは、パフォーマンスとメモリの改良が行なわれました。
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100ユニット離れた2個のオブジェクトがあって、同じ名前で同じピースとして粉砕するとします。 Material Type を Wood に設定すると、例えば、粉砕処理は非常に遅く大量のメモリを消費しました。今回のパフォーマンスの改良によって、そのような環境でも非常に高速化されました。
RBD Transform ¶
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新しく追加されたRBD Transformノードは、ユーザの要望で追加され、RBD Material Fractureノードの3つの出力を使った作業を簡単にします。
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RBD Transformノードは、標準のTransformノードに非常に似ていますが、一度にすべての3つの入力(高解像度ジオメトリ、拘束、プロキシジオメトリ)に対して動作します。また、拘束をトランスフォームさせるための便利なオプションも用意されています。
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例えば、粉砕オブジェクトに均一なスケールを適用したい場合、このRBD Transformノードは、ジオメトリだけでなく、拘束とプロキシジオメトリまでもトランスフォームを適用します。
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restlength
などのアトリビュートと法線も更新することができるようになりました。
RBD Match Transforms ¶
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新しく追加されたRBD Match Transformsの概念は、上流で1つの出力を受け取り、他のノードでそれを編集/トランスフォームさせて、RBD Match Transformsノードを介してその結果を他のストリームに流すことです。粉砕オブジェクトからいくつかのピースをトランスフォームさせたいとします。それらの個々にトランスフォームされたピースとそれらの拘束は、後で再び粉砕オブジェクト全体のトランスフォームに合うようになります。
HDAの遅延同期 ¶
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この改良はRBD特有のものではありませんが、RBD Material Fractureなどの重いノードで役立ちます。
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例えばRBD Material Fractureノードの中に入ったものの、この時点で何もしていなかった場合、遅延同期は、そのRBD Material Fracture内のすべてのノードがインスタンス化されることを回避します。それにより、ロード時間と開く時間が大幅に短縮されます。
UXの改良 ¶
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RBD Constraints from CurvesまたはRBD Constraints from Linesを使用した拘束の作成がHUDに対応しました。⇧ Shift + F1によって、それらのノードのHUDを表示することができます。
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拘束されたピースの選択とハイライトも改良されました。⇧ Shift + を使った新規ラインの作成は、ピースをオレンジ色でハイライトし、繋がっているピースは暗い灰色で表示されます。
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オブジェクト内でピースを選択して繋げたい場合、カット平面を使用して、邪魔なピースを仮想的にカットすることができます。
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RBD Constraints from Curves|Lines|Rulesノードを追加して、 Geometry Culling を有効にします。
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マウスをビューポート内に移動させて5を押すと、カスタマイズ可能な境界ボックスが表示されます。この境界ボックス外のすべてのピースがカットされます。
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