Houdini18以降のデフォルトの挙動では、Vellumジオメトリの質量と厚みは自動的に計算されます。 つまり、Vellumジオメトリの解像度を変更してもシミュレーションの挙動はさほど変化しないはずです。 重い布ほど非常に軽い布よりとまったく異なって曲がって皺になるので、これは特に曲げ剛性で関係します。 この新しいメソッドは、ポリラインの長さや三角形の面積、または、四面体の体積と素材の密度を使用して質量を計算します。 他にも、ポイントが重ならないようにエッジ長を使用して厚みを計算します。 これらの値はどちらもPointアトリビュートでスケールさせることができます。
Houdini17.5までは、 Mass はデフォルトで Set Uniform でした。 Houdini18では、 Calculate Uniform オプションが追加されました。 このオプションは、全体のオブジェクトの質量を調べ、すべてのポイントで均等に分割します。 しかし、ポイント毎に異なった質量をたくさん持つオブジェクト(高密度な領域を持つオブジェクト)の場合には、質量を均等に分割すると、不具合を生成しかねないです。 新しいデフォルトの挙動は Calculate Varying です。 これは、各ポイントの周辺の面積と比較して質量を与えます。 非常に密集した領域のポイントほど軽く、疎らな領域のポイントほど重くなります。
Note
Vellum Constraintsノードのデフォルトの Density は、布を扱うように設定されています。
しかし、ボリュームまたはヘアーをセットアップするすべてのツールは、明示的に異なる密度の値を設定します。
例えば、布のデフォルトの Density は0.1
で、四面体ソフトボディは100
で、ヘアーは0.001
です。
Thickness にも Mass パラメータと同じオプションがあります。
Calculate Uniform は、各ピースのエッジの平均の長さを Edge Length Scale パラメータでスケールした値に基づいて厚みを決定します。
この設定であれば、通常では、均一な厚みを維持しつつ、過剰な自己干渉が回避されます。
オブジェクト全体にわたって厚みが同じ時は、そのオブジェクトが平坦になっているわけで、それは布に対して期待した処理なので、これがデフォルトになっています。
密集した領域ほど薄くなるように布の厚みを可変させると、その布は平坦にはならないですよね。
さらに、 Calculate Varying を選択することができます。
このオプションは、自動的に三角形の密度が濃い領域のpscale
を縮小させ、疎らな領域ではpscale
を拡大します。
これは、pscale
が重複するような非常に可変的な解像度を持つようなキャラクタで役に立ちます。
例えば、目の周辺の領域がそうです。
Visualize Thickness というチェックボックスが用意されています。
これは、pscale
をソルバに送信することなくpscale
を可視化することができます。
Thickness を Calculate Uniform に設定した密集領域でのpscale
の可視化。
Thickness を Calculate Varying に設定した密集領域でのpscale
の可視化。