Houdini 20.0 Vellum

Vellum Fluid vs FLIP Fluid

概要

Vellum FluidとFLIP Fluidはまったく異なるソルバで、それらを相互作用させることはできません。 セットアップ、シミュレーション、他のオブジェクトとの相互作用に関しても、根本的な違いがいくつかあります。

Note

FLIP Fluidに関しては、Houdiniバージョン19.5からDOPベースのセットアップとSOPベースのセットアップが用意されましたのでご検討ください。

Vellum Fluid FLIP Fluid

パーティクルベース。パーティクルは拘束を持ち、その拘束を計算して、流体の挙動をシミュレーションします。

セルベース。セルは、Velocityなどのパーティクルを動かすためのフィールド情報で満たされています。そのフィールドを計算して、流体の挙動をシミュレーションします。

パーティクルが増えるほど流体も増え、体積が増加します。

パーティクルが増えても、流体の体積は増えません。FLIPでは、パーティクルはセルをマークし、フィールド情報を動かすためだけに使用されます。

ドメイン(定義域)を持たない境界制限のない考え方。浮遊パーティクルが可能です。

FLIPはドメイン(定義域)内で機能します。ドメイン外のパーティクルやオブジェクトは考慮されません。

主に小規模のシミュレーションに使用します(水しぶき、注水、オブジェクトを満たす流体など)。

小規模から大規模まで、さまざまな状況で使用することができます(ハチミツ、オブジェクトを満たす流体、滝、波打ち際など)。

Vellum Fluidは、泡沫やしぶきといったセカンダリエフェクトの生成に利用できるフィールドをエクスポートしません。

FLIPは、Oceanと同様に、フィールドおよびサーフェス情報をエクスポートします。 FLIP Fluidでは、この情報は、泡沫、しぶき、霧などのセカンダリエフェクトの作成に使用することができます。

Vellum Fluidの方が、通常はサブステップ数が多くなります。 粘度と表面張力が低いシミュレーションでは、5~10のサブステップ数が一般的です。 サブステップ数を上げても、GPUへの影響はそれほど大きくありません。

FLIP Fluidでは通常、サブステップ数は1または2で動作します。 高速で動く流体や障害物との衝突を正確にシミュレーションしたい場合は、必要に応じてサブステップ数を上げる必要があります。

Vellum Fluidは、サブステップ数を固定して使用します。

FLIP Fluidは、最小値と最大値の間で最適なサブステップ数を使用します。 FLIPでサブステップ数を上げると、計算処理が重くなります。

粘度の高い流体は、通常、不安定にならないようサブステップ数を上げる必要があります。

粘度の高い、または、ゆっくり動くFLIP Fluidは、通常、高めのサブステップ数に設定します。 粘度のあるFLIP Fluidの方が、安定する傾向があります。

Vellum Fluidは、複数マテリアルのシミュレーションに対応しています。 Vellum Cloth、Vellum Softbody、Vellum Balloon、Vellum Grainなどの他のVellumオブジェクトと相互作用させることができます。

FLIP Fluidは、衝突オブジェクトとのみ相互作用させることができます。

Vellum Fluidは、空気の圧縮に対応していません。

FLIP Fluidは、空気の圧縮のシミュレーションに対応しているので、例えば、泡を作成することができます。

Vellum Fluidは、Vellum Brush SOPツールと互換性があります。

FLIP Fluidに使用できるBrushツールはありません。

分散処理はできません。

DOPベースのFLIP Fluidは、複数のマシンにシミュレーションを分散させることができます。 SOPベースのFLIP Fluidは、現在のところ、分散させることができません。

Multi-Phase流体(多相流)シミュレーションに対応しています。

Multi-Phase流体(多相流)シミュレーションに対応しています。

パーティクルにIDおよびageアトリビュートがありません。

FLIPパーティクルにはIDおよびageアトリビュートがあります。

Vellum Fluidでは、Narrow Band(狭帯域)テクノロジーを利用できません。

Narrow Band(狭帯域)は、タンクタイプのシミュレーション(海岸や外洋の波など)を高速化します。

Vellum

ソフトボディ

流体

拘束

コリジョン

その他

上級