Houdini 20.0 流体

DOPワークフローとSOPワークフロー

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Houdini19.5では、FLIP流体に新しくSOPベースのワークフローが導入され、様々な改良が加えられました。初心者の方は、以下のような疑問をお持ちのことでしょう:

  1. DOPネットワークとSOPネットワークの全般的な違いは何なのだろうか?

  2. することは同じなのに、2つのワークフローがある理由は?

  3. DOPでは使用できないSOPの機能、または、SOPでは使用できないDOPの機能は?

  4. どういった場合にSOP FLIP流体を使用すべきなのか?

DOPネットワークとSOPネットワークの違い

Houdiniは、様々なタイプのネットワークフォルダを扱います。それぞれのフォルダは、例えばシミュレーションやレンダリングといった特定の“タスク”に関連付けられています。ネットワークのタイプを区別できるように、Houdiniは頭文字を使用しています。FLIP流体の場合では、それに関連するネットワークタイプが2つ存在します:

  • SOPはSurface OPeratorの略です。SOPネットワーク内では、ジオメトリやボリュームを構築/修正するのに必要なものがすべてが見つかります。

  • DOPはDynamic OPeratorsの略で、DOPはシミュレーションを構築する際に使用します。シミュレーションはSOPネットワークからジオメトリを読み込み、例えばリジッドボディやPyroシミュレーション用に衝突やソースジオメトリといったデータをDOPネットワークに転送します。

DOPおよびSOPネットワーク間でのデータ交換は、ネットワーク内ですべてのノードを追いかけるのが難しくなってしまうため、新規ユーザからすれば分かりづらいと受け取られがちです。その一方で、物事が明確に区別されていることは利点でもあります。

2つのFLIP流体ワークフロー

ユーザに優しく且つ合理的なワークフローを目指すHoudiniの長期的な手法の1つが、DOPからSOPへのシミュレーションの移行です。関連ノードがすべて1つのネットワークに含まれ、それらが連携して動作するため、ワークフローの高速化、ノード数の最小化、ノードの把握に役立ちます。SOPベースの手法は、PyroおよびVellumで既に導入されています。

新しいSOPベースのFLIP流体も、対するDOP FLIP流体と違う点があります:SOP FLIP流体には、流体パーティクルのソーシング、境界の制御、シミュレーション間でのデータ転送をするための新しい方法が用意されています。

こうした変更はありますが、標準のDOPベースのワークフローは今でも有効で、熟練ユーザは古いファイルを開いたり、DOPネットワークにアクセスすることができます。

DOP FLIP流体およびSOP FLIP流体の機能

HoudiniのSOP FLIP流体は、バージョン19.5で導入された新しいテクノロジーであり、もちろんDOPとは違う点があります。現時点では、SOP FLIP流体から白波を生成することはできません。

DOP FLIP流体のメリットは、実績があることと、豊富な機能が利用できることです。何年もかけて、多数のユーザやスタジオがDOP FLIP流体を中心に独自のツール、スクリプト、ネットワークを作成してきました。少なくとも、そうしたツールを新しいワークフローに適応させる必要があるでしょう。

SOP FLIP流体には、以下のような追加機能があります:

  • ボックスや立方体だけでなく、ほぼすべてのシェイプをドメインに使用することができます。

  • 境界が大幅に改善されました。

  • 境界をPressureとVelocityから選択することができます。

  • Pressure/Velocityを使用して流体パーティクルを放出することができます。

  • (低解像度シミュレーションなどの)別のソースからPressure/Velocityを注入することができます。

  • 可変する粘度や質量密度などのカスタムフィールドを追加することができます。

  • 物理パラメータへのアクセスが良くなりました。

  • ソルバパラメータセットが削減されました。

  • 衝突オブジェクト用のノードが追加されました。

DOP FLIP流体とSOP FLIP流体のどちらも、表面張力、堅牢なViscosityソルバ、空気の非圧縮性、水位線、Narrow Band(狭帯域)テクノロジーを利用することができます。

SOP FLIP流体か、それともDOP FLIP流体か?

この質問に対する直接的な答えはありません。どちらの方法にも利点と欠点があるからです。

  • 完全なシミュレーションセットアップが1つのSOPネットワーク内で完結させることができます。

  • 新しいユーザなら、SOPベースのワークフローの方が複雑度が低そうだと思うはずです。

  • Houdiniの目的は、ワークフローの合理化です:SOP FLIPに慣れている方は、VellumやPyroツールといった他の環境のワークフローとよく似ていることに気付くでしょう。

  • SOPテクノロジーは最新の機能強化と新機能をベースに開発されています。

  • 今後の開発は、SOPテクノロジーが中心となります。

  • Up-resシミュレーション、アトリビュート-フィールドペア、簡略化したガイドオーシャンほか、興味深い可能性が広がります。

DOPテクノロジーにも利点はあります:

  • プロダクションでの実績。

  • チュートリアルとトレーニングマテリアルの大規模なライブラリ。

  • DOP内で機能する既存のスクリプトとツール。

  • 完全な機能セット。

  • 疑問を投げかければ、多くのユーザからヒントやサポートを得られます。

流体

初心者向け

パーティクル流体(SOP)

粘度のある流体(SOP)

最適化(SOP)

FLIP構成ツール(SOP)

パーティクル流体(DOP)

粘度のある流体(DOP)

オーシャン(DOP)

最適化

  • 流体の圧縮

  • 流体シミュレーションの分散

    Distributeシェルフツールは、HQueueを使用して複数マシンのファーム上で並列処理ができるように、オブジェクトのシミュレーションネットワークをセットアップします。