Narrow Band(狭帯域)は、シミュレーションを高速化し、リソースを節約し、パフォーマンス全体を最適化するのに効果的な方法です。 考え方としては、サーフェス上だけにパーティクルを置こうというものです。 このサーフェス(帯域)には厚みがあり、このサーフェスより下にあるものは、パーティクルでは表現されません。 論理的には、狭帯域のあるシーンと狭帯域のないシーンは同一です。 実際のシミュレーションでは異なりますが、ほぼ同じ挙動が得られます。
パーティクル数が膨大になるシミュレーションが特にNarrow Band(狭帯域)による恩恵が得られます。 流体全体を表現するのに無駄な大量のパーティクルをソルバが処理せずに済むためです。 パーティクル数が少ないシーンやパーティクル数がほぼ一定のシーンでは、Narrow Band(狭帯域)をオフにしても構いません。 例えばViscosity(粘度)のシミュレーションは、詳細レベルが低くても構わないため、さほど大量のパーティクルは必要にはなりません。 このような場合、Narrow Band(狭帯域)のオプションはオフにして良いでしょう。
Note
標準的なSOP FLIP流体シミュレーションでは、Narrow Band(狭帯域)オプションをオンにします。
アトリビュート-フィールドペア ¶
非Narrow Band(狭帯域)シミュレーションでは、すべての情報がボクセルにあり、シミュレーション毎にフィールドが再構築されます。
Narrow Band(狭帯域)シミュレーションでは、これは不可能で、シミュレーション全体でフィールドを保持する必要があります。
アトリビュートは、ボリューム 且つ パーティクルに存在しなければなりません。
そのため、パーティクルは破壊されては新しく作成されるので、id
などの静的なアトリビュートはNarrow Band(狭帯域)では機能しません。
アトリビュートを使用するには、いわゆるアトリビュート-フィールドペアを定義する必要があります。 DOP FLIP流体では、アトリビュート-フィールドの定義と制御にはいくつかの手順が必要です。 SOP FLIP流体では、この工程が大幅に改善され、今ではアトリビュート-フィールドペアがシミュレーションネットワーク全体で適切に保持されるようになりました。 アトリビュート-フィールドペアは、FLIP Containerノードで直接作成されます。
Tip
完全なサンプルワークフローは、ポイント可変密度: 混合密度のページを参照してください。
Narrow Band(狭帯域)シミュレーションでは、背景グリッドはシミュレーション中に保持され、時間の経過と共にパーティクルアトリビュート値とブレンドされていくので、パーティクルアトリビュートは滲むようになります。