Houdini 20.0 Feathers(羽根)

フェザーを描画する

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Houdiniのフェザーツールを使用すると、シンプルなカーブから、完全にカスタマイズ可能なフェザーを作成することができます。 カーブは、平面であったり対称である必要はなく、閉じていたり、シーンの原点に位置している必要もありませんが、XZ平面上に存在していなければ なりません 。 通常は、羽軸(うじく:Shaft)と左右の境界線を描いて、大まかな輪郭を描画するだけで十分です。 フェザーを含む画像をインポートして、その輪郭をトレースすれば、リアルな形状を描画できます。

最初の例では、形状、外観、パラメータの感覚をつかむために、全体をシンプルに保ちます。 フェザーをトレースするからプロファイルまでのすべての手順が、 1 枚のフェザーを作成するために必要です。

Tip

必要なノードを手動で追加する代わりに、TabメニューのFeather Templateツールを使用することもできます。 以下に説明するワークフローで、ゼロからフェザーテンプレートを作成するのに必要な手順、設定、パラメータを理解しましょう。

リファレンス画像

通常の手順は、リファレンス画像からフェザーを描き、その輪郭をトレースすることでしょう。 完全なフェザーセットを作りたい場合は、個々の写真を組み合わせて フェザーアトラス にする必要があります。 フェザーアトラス とは、様々な種類のフェザーが描かれたコレクションです。 オンラインリソースで目的に合った画像を見つけられることもあるでしょうが、通常は、自分でアトラスを作成します。 その場合、フェザーの相対スケールに注意することが重要です。

これは、本ワークショップのリファレンス画像です。フェザーの先端と軸の領域のディテールも確認できます。

Note

鳥の羽根の採取が禁止されている国は多くあります。 たとえ地面に落ちている1枚のフェザー(羽根)であってもです。 これは、羽根を目的に鳥が捕獲されるのを防ぎ、絶滅危惧種を保護するためです。 この理由から、リファレンス写真は既に保存されているものに限定しましょう。

Tip

羽根に関する非常に優れたリソースとして、アメリカ合衆国魚類野生生物局が無料で提供しているThe Feather Atlasがあります。 ここには400種以上の羽根が掲載されています。 このウェブサイトに掲載されている画像やデータはすべて自由に利用できます。特別な使用許可は必要ありません。

  1. マウスカーソルをビューポートに移動し、2を押してTopビューに切り替えます。

  2. Dを押して、 ディスプレイオプション を開きます。

  3. Background タブを開き、 Top タブをクリックします。

  4. Disk File がオンになっていることを確認し、アイコンをクリックしてリファレンス画像をロードします。

  5. 画像が大きすぎたり小さすぎる場合は、 Image Scale パラメータでそのサイズを調整します。フェザーの実際のスケールに注意してください! この例では、フェザーの長さは約20㎝です。

  6. Image Offset で、画像のビューポート位置を変更できます。

をクリックして、ビューポートのグリッドを非表示にした方がよい場合もあります。 背景なしでフェザーを確認したい場合は、もう一度 ディスプレイオプション を開きます。 Background タブで、 Display Background Image/Video をオフにします。

スケール

スケールは重要で、リファレンス画像にはスケールが記載されているものもあります。 これは、関係を保ったり、リアルな外観を作成するのに役立ちます。 Houdini内では、比率を維持したり、オブジェクトのサイズを推定するのがやや難しいことがあります。 もちろん、ビューポートグリッドがあり、そのデフォルトの間隔を調整することも可能です。

  1. ビューポートにマウスカーソルを移動し、Dを押して ディスプレイオプション を開きます。そこで Grid タブを開きます。

  2. Grid Spacing に移動します。デフォルトの間隔は0.2、つまり20 cmです。大きいフェザーの場合は0.1(10 cm)の値で十分です。小さいフェザーには、0.05(5 cm)以下の値が必要になる場合もあります。

Grid Spacing は、フェザーのサイズに応じていつでも変更することができます。 ただし、グリッドが細かすぎると邪魔になることがあります。 そのような場合は、Box SOPLine SOPのような参照オブジェクトを追加すると便利です。 オブジェクトの利点は、必要な場所に正確に配置できることです。 作業位置が決まったら、オブジェクトノードの赤の Lock フラグをクリックして変更されないようにします。

フェザーをトレースする

Curve SOPを使用して、フェザーのトレースを開始します。 2Dイラストソフトを使い慣れている方なら、カーブの描き方や、形状をインタラクティブに調整する方法はすぐにわかるはずです。 カーブの描画が初めての方は、ノードのヘルプを読んでください。重要なヒントやワークフローの説明を確認できます。

以下は、このワークショップ用の完全なネットワークです。この基本のセットアップを基に、引き続きガイドと説明をしていきます。このネットワークは、 obj レベルのGeometry OBJ内部にあることを忘れないでください。

フェザーをトレースするためのヒントをいくつか紹介します。

  1. obj レベルで、⇥ Tabを押してTabメニューを呼び出します。そこからGeometry OBJを作成します。新しいノードの名前をfeathersに変更します。

  2. フェザーをビューポートに表示させる必要があります。このためには、ジオメトリ ノードの Misc タブを開き、 Shade Open Curves in Viewport をオンにします。このオプションにより、カーブとカーブの間の領域がソリッドオブジェクトになります。

  3. ジオメトリノードをダブルクリックして、その中に入ります。

カーブ

フェザーの形状を作るには3本のラインが必要です。どんな形でもよく、必要な数だけカーブポイントを使用でき、カーブを閉じる必要もありません。 また、フェザーのカーブはビューポート内のどこにでも描くことができ、中央に配置する必要はありません。

Note

フェザー毎に 1つ のCurve SOPが必要です。

  1. ジオメトリノード内で、Curve Bezier SOPを作成します。このノードは標準のCurve SOPですが、 Primitive Type が既に Bezier Curve に設定されています。NURBSの方が使いやすい場合は、 NURBS Curve を選択してください。

  2. ノードの名前をshapeに変更します。

  3. デフォルトで、 Draw Mode がアクティブになっています。マウスカーソルをビューポート上に移動します。そこでEnterを押して、ツールをアクティブにします。ビューポートの左上にHUDが表示されます。また、マウスカーソルの先端には、新しいポイントの位置を示す赤のドットも表示されます。

    羽軸(Shaft)と境界線の描画を開始します。

  4. 中央の羽軸(Shaft)から始めましょう。を押して、1つ目のポイントを追加します。

  5. 正しい結果を得るために、カーブは下から上に描画します。を押しながらマウスをドラッグして、カーブセグメントの形状と丸みをコントロールします。直線を描きたい場合は、⇧ Shift + を押します。羽軸(Shaft)の形状をトレースし終えるまで、さらにポイントを作成します。

    あまり正確である必要はなく、大まかな輪郭を描くだけで十分です。カーブは2回目のパスで調整および修正できます。

  6. Enterを押して、羽軸(Shaft)のカーブの描画を終了します。

  7. カーブを調整するには、Curve SOPを選択し、 Select/Edit Mode アイコンをクリックします。

  8. 調整したいポイントをクリックすると、そのポイントが黄色になります。丸みのあるカーブには、緑のハンドルも2つあります。黄色のポイントをドラッグすると、その位置が変わります。緑のポイントは曲率を変えます。

羽弁(Vane)

フェザーの左右の羽弁(Vane)を描くプロセスは、羽軸(Shaft)で説明したものとまったく同じです。

  1. Draw Mode アイコンをクリックします。

  2. 先ほどと同じようにを押して、新しいポイントを作成します。マウスボタンを押しながらドラッグして、カーブセグメントの丸みをコントロールします。引裂やクランプ(束)について気にする必要はありません。また、右の羽弁(Vane)の下部に乱れたフェザーを描画しないでください。そうした要素は、後の手順でノードを介して追加します。

  3. Enterを押してカーブの描画を終了し、 Select/Edit Mode を使用してカーブを微調整します。ビューポートで、を使用してズームイン・アウトします。Alt + でパンすることができます。

  4. Curve SOPの描画モードから離れるには、 ⎋ Escを押します。

以下のように、フェザー用のカーブができました。

プロファイル

羽枝(うし:Barb)をよく見ると、どれも大体同じような丸みを帯びていることが分かります。 羽軸(Shaft)に近い羽枝(Barb)の方が、先端付近よりも丸みを帯びています。 しかし、リファレンス画像の羽枝(Barb)は、曲率も角度も様々です。 プロファイルカーブは、羽枝(Barb)の曲率をコントロールするのに役立ちます。 プロファイルカーブの描画は、フェザーの大まかな形状の描画とまったく同じように機能します。

  1. もう1つCurve Bezier SOPを追加し、いくつかの羽枝(Barb)の曲率をトレースします。Houdiniが、プロファイルカーブ間の羽枝(Barb)を補間してくれます。より良い結果を得るには、羽軸(Shaft)の左右の羽枝(Barb)に別々のカーブを描画してください。プロファイルは対称的である必要はなく、ポイント数も同じである必要はありません。

  2. 新しいノードの名前をprofilesに変更します。

Note

左右のプロファイルを別々にしておきたい場合などは、複数のCurve SOPを使用して、羽枝(Barb)の曲率を表すことができます。 Merge SOPを追加して、プロファイルを結合します。

通常、以下の図ほど多くのプロファイルは必要ありません。2または3つのカーブで十分です。

カーブからフェザーへ

次の手順では、カーブをグループ化してから、フェザーにします。

  1. Feather Shape Organize SOPを追加します。

  2. その 1番目 の入力をshapeの出力に接続します。次に、 2番目 の入力をprofilesの出力に接続します。Merge SOPでプロファイルを結合している場合は、代わりにその出力に接続します。

    このノードにはパラメータはありませんが、Geometry Spreadsheetを開き、アイコンをクリックすると、shaftおよびshapeグループを確認できます。

  3. Feather Template from Shape SOPを追加し、その入力をFeather Shape Organizeの出力に接続します。UVグリッドとともにソリッドオブジェクトが表示されるはずです。表示されない場合は、 obj レベルに戻り、Geometry OBJを選択します。 Misc タブで Shade Open Curves in Viewport をオンにします。それから、再度ジオメトリノードの中に入ります。

  4. エイリアスの効果を取り除くには、 Width RootWidth Tip を小さくします。フェザーのサイズによっては、値が非常に小さくなる場合もあります。以下の画像では、値は0.00040.0002です。

  5. “骸骨”のように見えているのは、 Barb Density が十分でないからです。これを改善するには、通常10002000、またはそれ以上の値が必要になります。

  6. 羽枝(Barb)をより滑らかにするには、 Barb Segments7などの値に上げます。

Note

アトラス用に複数のフェザーを描画する場合、すべてのフェザーで Barb Segments の値が同じになるようにしてください。 値が異なると、結合後に、セグメント数が 最も多い フェザーのみが表示および処理されます。

以下の画像は、フェザーの寄り画像です。 Barb Density を下げ、羽枝(Barb)の様々な方向がよく見えるようにしています。

名前

フェザーでは、名前が重要な役割を果たします。様々な種類を扱う場合は、特にそうです。 Houdiniのフェザーシステムには、名前を追加するための様々な方法が用意されているため、フェザーの命名ページで個別に説明しています。 nameアトリビュートが削除される場合もあるので、このページを読んでから、名前を適用し始めることを推奨します。

Condensed(縮約化)とUncondensed(具現化)

現時点で確認できるのは大まかなフェザーにすぎませんが、実際のフェザーにはクランプ(束)があったり、引裂の部分があったり、様々な長さの羽枝(Barb)があります。 また、左右の羽弁(Vane)の形状は異なっている場合が多く、ふわふわした綿羽(めんう)の部分もあります。 さらには、しっかりした羽枝(Barb)から綿毛への遷移方法も実に多様です。 ディテールを追加し始める前に、フェザーの基本の状態を区別しておく必要があります。

  • Condensed(縮約化) のフェザーは、仮のフェザーを持つため、リソース消費をかなり低く抑えることができます。また、ネットワークセットアップも通常はよりシンプルですが、フェザーをうまく形成できる可能性は若干制限されます。

  • Uncondensed(具現化) のフェザーは、ポイントを含む実際のカーブで構成されています。フェザーをうまく形成できる可能性は高まりますが、リソース消費量は増えます。Uncondensed(具現化)のネットワークでは、羽軸(Shaft)や左右の羽枝(Barb)に個別のストリームを作成できるため、通常は複雑度が増します。また、いくつかの重要なアトリビュートを手動でプロモートする必要もあります。

  • Houdiniのフェザーシステムには、フェザーをCondensed(縮約化)の状態に再変換するためのFeather Match Uncondensed SOPが用意されています。

  • レンダリング時には、Feather Template from Shape SOPの後にPack SOPを追加して、Condensed(縮約化)フェザーをパックプリミティブに変換することを推奨します。

Tip

以下のページでは、上記のリファレンス画像から 単一 のフェザーを作成する方法について説明しています。 フェザー一式をデザインしたい場合は、先に進む前にフェザーアトラスを作成するのページをご覧ください。 基本的なフェザーを素早くランダム化するためのヒントが記載されています。

Condensed(縮約化)のワークフロー

Uncondensed(具現化)のワークフロー

Feathers(羽根)

基本セットアップ

描画とシェイピング

ブラッシングとグルーミング

シミュレーション

テクスチャとレンダリング

ツール

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