Houdini 20.0

コンポジット

Houdiniのコンポジットネットワークはレンダーなどの画像を作成し処理することができます。

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概要

コンポジターの設定の方法

Houdiniのコンポジットオプションは、Houdiniで作成するコンポジットすべてに影響がある グローバルプリファレンス と特定の.hipファイルに影響がある プロジェクト設定 の2種類があります。

グローバルプリファレンス

Edit ▸ Preferences ▸ Compositing を選択して、Compositing Preferencesを開きます。

プリファレンスではコンポジターのメモリの使用方法、効率さ、インターフェース、色付けの動作を制御することができます。

プロジェクト設定

Edit ▸ Compositing Settings を選択して、Composite Project Settingsウィンドウを開きます。

このウィンドウの設定では、このシーンファイル内で色々なCOPオプションのデフォルトを制御します。プロジェクト設定を変更すると、その設定を使った既存のノードが影響を受けます。

コンポジットオペレータのタイプ

ほとんどのCOPは、6つのグループのどれかに属しています。各グループには共通パラメータと一貫した動作をします。

ジェネレータ

新しく画像を作成して、通常では新しく平面を作成します。

ジェネレータは新しく平面を作成します。ジェネレータすべてには画像とシーケンスの情報を指定する同じパラメータがあります。ジェネレータは次の情報を定義します:

  • 画像情報

  • シーケンス情報

ジェネレータに入力があれば、平面をシーケンスに追加(“Inline Generation”)するか、または単純なオペレーションを使って既存平面に影響を与える(“Quick Composite”)かのどちらかが可能です。

ジェネレータが平面を既存シーケンスに追加した時、平面が“インライン”で生成されます。生成された平面には独自のデータタイプとコンポジションを持つことができ、それは入力タイプには限定されません。

“Quick Composite”を実行しているジェネレータは、平面を生成し、単純な演算を使って入力平面(I)を生成した平面(G)と結合します。この単純な演算には、Add、Subtract、Multiply、Minimum (Min)、Maximum (Max)、Averageがあります。これは、マスクや帯の作成、またはノイズを画像に追加するのに役に立ちます。

これらの手法には以下のメリットがあります:

  • フレーム範囲、解像度、インターレースオプション、拡張コンディションが入力から引き継がれます。これは、他のシーケンスの解像度とフレーム範囲に一致させるのがより簡単になります。これらの設定を入力側で変更すると、自動的に更新されます。

  • 必要なノードの数が減ります。MergeとCompositeノードは必要ありません。さらにパフォーマンスとメモリの効率が上がります。

Inline GenerationまたはQuick Compositeモードは、ほとんどのオペレータのImageとSequenceパラメータを上書きします。 Image タブの“Add Plane”パラメータを使って作成・修正する平面と実行するオペレーションを指定します。指定した平面が存在しない、またはオペレーションがRename/Replaceに設定されていれば、ジェネレータは新しく平面を作成します。

スコープフィルター

指定した平面、チャンネル、フレームにだけ適用するフィルター操作。例えば、ScaleやCrop COP(解像度を変更する)のような特定の操作はスコープすることができません。

このオペレータ系統では、選択した平面とフレームに演算を適用することができます。デフォルトでは、全ての平面とフレームが選択されます。

スコープしていない平面とチャンネルは、そのノードがバイパスの様にスルーされます。

平面をスペース区切りのリストでスコープして指定します。ドットの後ろにチャンネル名を付ければ、特定のチャンネルを指定することができます。またワイルドカードを使うこともできます。例:

C A

カラーとアルファがスコープされます。

*

全ての平面がスコープされます。

C.r

カラーの赤チャンネルがスコープされます。

また、スコープフィルターにはフレームをスコープするオプションもあります:

All

すべてのフレームがスコープされます。

Inside Range

指定したフレーム範囲内のフレームすべてが、その範囲の両端にオプションのドロップオフ領域を設定してスコープされます。

Outside Range

指定したフレーム範囲外のフレームすべてが、その範囲の両端にオプションのドロップオフ領域を設定してスコープされます。

Even/Odd Frames

偶数または奇数番号のフレームのみがスコープされます。

Custom

カスタムリスト内のフレームすべてがスコープされます。

マスクフィルター

マスクを使って画像が影響を受ける部分を設定します。このマスクはアルファマットに似た別の画像です。マスクフィルターは一種のスコープフィルターです。

たくさんのオペレータが マスク 画像を使ってピクセル単位でマスクフィルターを適用することができます。マスクは入力のシーケンス内の任意の平面・チャンネル、またはmask inputのシーケンス内の任意の平面・チャンネルのどれかにすることができます。

マスクはステンシルとして機能します。マスクが1(ホワイト)である箇所ではオペレーションが実行されます。マスクが0である箇所では入力ピクセルは影響を受けません。中間では、入力ピクセルは線形的に出力ピクセルとブレンドされます。マスクは反転することができるので、マスクの外側のピクセルすべてが影響を受けます。

ブラックレベル以外に影響を与えないで実際の画像にカラー補正処理を効率的に扱うマスクとしてAlpha平面を使います。

ピクセルフィルター

オペレーションがチェーンでグループ化されていれば、単一のオペレーションに結合することで、うまく最適化できます。ピクセルフィルターは一種のマスクフィルターです。

Houdiniは、ネットワークチェーンで複数の連続したピクセルフィルターを、単一のクッキングオペレーションに“折り畳みます”。

ピクセルフィルターノードのタイルの色は 薄い青の背景 で他のタイプのノードと区別できます。

  • ノードすべてではなく、ピクセルフィルターチェーンの終端で、一度量子化をすることで量子化とカットオフ誤差を減らします。

  • メモリをあまり使いません。各ピクセルフィルターのコピーを作成するのではなく、1画像のみをクッキングします。

  • 浮動小数点で計算して、固定フォーマット(8ビットと16ビット整数)のクリッピングと量子化誤差を防止します。たとえ画像のネイティブデータフォーマットがピクセル値をクランプしても、クランプしないでピクセルチェーン間のホワイトよりも上、ブラックよりも下のピクセル値をうまくハンドルすることができます。チェーンの終点で値がクランプされます。

  • ネットワークと量子化のオーバーヘッドを減らすと、その結果、クッキングが速くなります。

マスクを使うと、そのチェーンでのピクセルフィルターすべてに同じマスクが適用されます。別々のマスクを使ったピクセルフィルターは一緒に折り畳みません。Houdiniは、そのノードで量子化が起きていることを知らせる警告をログに出します(この警告を除去するには、Quantizeパラメータを“At This Node”に設定します)。

ピクセルフィルターチェーンが2つのピクセルフィルター出力に枝分かれする場合、各出力ピクセルフィルターは他のチェーンとは関係なくチェーンをクッキングします。

チェーンのいずれかの時点で、ピクセルフィルターノードにQuantizeパラメータを使って量子化するようにできます。これは、その時点でのチェーンを終了して、次のピクセルフィルターCOPで再度折り畳み始めます。ピクセルフィルターCOPのディスプレイフラグを設定するのと同じ効果があります。

タイミングモディファイア

フレームを別のフレーム番号に移動、フレーム範囲を修正、または時間のシーケンスをシフトします。タイミングモディファイアは通常は画像情報をクッキングしないのでメモリとクッキングパフォーマンスのどちらでも非常に効率的です。

タイミングモディファイアで色々な編集オペレーションを実行し、簡単にカット、継ぎ合わせ、シフト、フレームをシーケンスすることができます。

以下がタイミングモディファイアCOPです:

タイミングモディファイアのほとんどは、画像をクッキングする必要はありません。そのため非常に速くてメモリ効率が良いです。いくつかのタイミングCOPはフレームをブレンドすることができます。このケースにおいては、新しく画像を生成するので、効率の良さのメリットはありません。

タイミングモディファイアノードがデータをクッキングしないで通過する時は、タイルの色は 背景がベージュ です。

タイミングモディファイアはタイムラインビューモードでちゃんと見ることができます。タイミングCOPのほとんどがタイムラインビューでハンドリングします。

コンポジット/ブレンドオペレータ

2つの画像入力を受け取り、別々の方法でそれらをコンポジットまたはブレンドします。コンポジットオペレータすべてをマスクすることができます。

コンポジットオペレータはコンポジターの心臓部です。コンポジットオペレータは、2つ以上の画像入力を受け取り、別々の方法で結合して出力します。

コンポジットオペレータには、入力のフレーム範囲、解像度、平面が異なっていた場合に備えて、オペレータの動作を選択できるパラメータがあります。前景エレメントをオペレーションの一部に変換して、モーションブラーをアニメーションするトランスフォームに適用することができます。

画像をブレンドしてレイヤー化する方法を参照してください。

コンポジットオペレーションすべてがmask inputを使ってマスクすることができます。

平面オペレータ

平面を作成、入れ替え、結合します。

コンポジットしている間に、情報を保存するためには、平面を入れ替えたり、新しく作成する必要が時々あります。

平面の取り扱いを参照してください。

VEXオペレーション

いくつかのCOPはVEXで実装します。

VEX言語またはVOPを使って独自のコンポジットオペレータを作成することができます。Houdiniで用意されているコンポジットオペレータのいくつかは、この方法で定義されています。

VOPによるカスタムCOPの作り方を参照してください。

サブトピック

Houdini 20.0

はじめよう

Houdiniの使い方

  • ジオメトリ

    Houdiniがどのようにジオメトリを表現し、どのように作成・編集するのか説明します。

  • コピーとインスタンス

    コピー(実形状)とインスタンス(読み込みのみ、もしくはレンダリング時に作成される形状)の使い方。

  • アニメーション

    Houdiniでのアニメーションの作成とキーフレームの方法。

  • デジタルアセット

    デジタルアセットは既存ネットワークから再利用可能なノードとツールを作成することができます。

  • インポートとエクスポート

    Houdiniでのシーン、オブジェクト、他のデータのインポートとエクスポートの方法。

  • PDG/TOPsを使ってタスクを実行する方法

    TOPネットワークを使用して、ディペンデンシーとスケジューラタスクを定義する方法。

  • MPlayビューア

    Houdiniのスタンドアローン画像ビューアの使い方。

Character FX

  • キャラクタ

    Houdiniでのキャラクタのリギングとアニメーションの方法。

  • 群衆シミュレーション

    Houdiniでのキャラクタの群衆の作成とシミュレーションの方法。

  • Muscles & Tissue

    筋肉、皮下組織、スキンをHoudiniで作成およびシミュレーションする方法。

  • HairとFur

    ヘアーとファーを作成、スタイリング、ダイナミクスを追加する方法。

  • Feathers(羽根)

    キャラクタに対して非常にリアルで細部まで作り込まれた羽根を作る方法。

ダイナミクス

  • ダイナミクス

    Houdiniのダイナミクスネットワークを使用したシミュレーションの作成方法。

  • Vellum

    Vellumは、布、ヘアー、Gain(粒)、流体、ソフトボディオブジェクトに対してPosition Based Dynamicsの手法を使用します。

  • Pyro

    煙、炎、爆発のシミュレーションの方法。

  • 流体

    流体とオーシャンのシミュレーションをセットアップする方法。

  • オーシャンと水面

    オーシャンと水面のシミュレーションをセットアップする方法。

  • 破壊

    色々なタイプの材質を破壊する方法。

  • Grains(粒)

    (砂のような)粒状の材質をシミュレーションする方法。

  • パーティクル

    パーティクルシミュレーションの作成方法。

  • Finite Elements(有限要素)

    変形可能なオブジェクトを作成してシミュレーションする方法。

ノード

  • OBJ - オブジェクトノード

    オブジェクトノードはシーン内で、キャラクタ、ジオメトリオブジェクト、ライト、カメラなどのオブジェクトを表示します。

  • SOP - ジオメトリノード

    ジオメトリノードはGeoオブジェクト内で存在し、ジオメトリを生成します。

  • DOP - ダイナミクスノード

    ダイナミクスノードは物理シミュレーション用に条件とルールを設定します。

  • VOP - シェーダノード

    VOPノードは、ノード同士を接続することで(シェーダなどの)プログラムを定義することができます。そしてHoudiniは、そのノードネットワークを、実行可能なVEXコードにコンパイルします。

  • LOP - USDノード

    LOPノードは、キャラクタ、プロップ、ライティング、レンダリングを記述したUSDを生成します。

  • ROP - レンダーノード

    レンダーノードは、シーンをレンダリングしたり、レンダーディペンデンシーネットワークをセットアップします。

  • CHOP - チャンネルノード

    チャンネルノードは、チャンネルデータの作成、フィルタリング、制御をします。

  • COP2 - コンポジットノード

    コンポジットノードはフィルターを作成し、画像データを操作します。

  • TOP - タスクノード

    TOPノードは、データをネットワークに送り込んでワークアイテムに変換し、色々なノードでそれを制御するワークフローを定義します。たいていのノードは、ローカルマシンまたはサーバーファーム上で実行可能な外部プロセスを表現しています。

  • APEX - APEXノード

ライティング, レンダリング, コンポジット

  • Solaris

    Solarisとは、Universal Scene Description(USD)フレームワークに準拠して、Houdiniのシーン構築、レイアウト、レンダリングをするツール群の総称のことです。

  • レンダリング

    3Dシーンから画像とアニメーションをレンダリングする方法。

  • HQueue

    HQueueは、Houdiniの無料の分散ジョブスケジューリングシステムです。

  • マテリアル

    マテリアルの割り当てとシェーディング用のカスタムマテリアルを作成する方法。

  • コンポジット

    Houdiniのコンポジットネットワークはレンダーなどの画像を作成し処理することができます。

リファレンス

  • メニュー

    メインメニュー内のそれぞれの項目について説明します。

  • ビューア

    ビューアペインタイプ。

  • ペイン

    色々なペインのオプションを説明します。

  • ウィンドウ

    色々なユーザインターフェースウィンドウのオプションを説明します。

  • スタンドアローンのユーティリティ

    Houdiniには便利なコマンドラインユーティリティプログラムがたくさんあります。

  • APIs

    Houdiniのプログラミング関連のリファレンスドキュメントすべてを一覧にしています。

  • Pythonスクリプト

    PythonとHoudini Object Modelを使用してHoudiniのスクリプトを記述する方法。

  • エクスプレッション関数

    エクスプレッション関数は、パラメータの値を計算することができます。

  • HScriptコマンド

    HScriptはHoudiniのレガシースクリプト言語です。

  • VEX

    VEXはシェーダの記述などのHoudiniのほとんどの場所で使われているハイパフォーマンスなエクスプレッション言語です。

  • プロパティ

    プロパティはレンダリング、シェーディング、ライティング、カメラといったパラメータを柔軟で強力な階層構造でセットアップすることができます。

  • ギャラリー

    Houdiniに含まれている既製マテリアル。

  • Houdiniパッケージ

    プラグイン、ツール、アドオンが異なる環境変数定義ファイルを複数作成して、それらを組み合わせる方法。

  • Houdini Engine

    Houdini EngineのC、PythonのAPIsとHoudini Engineプラグインについて説明しています。

  • hwebserver

    グラフィカルまたは非グラフィカルなHoudiniセッション内でウェブサーバーを起動するための関数とクラス。

  • SideFX Labs

    SideFX Labsは新しいツールをテストする場です。SideFX GitHubリポジトリから直接これらのツールをアップロードすることができます。

  • 環境変数一覧