Dynamics出力ドライバはダイナミクス(DOP)ネットワークからシミュレーションの状態を(.sim
)ファイルに読み込みます。
各ファイルには、あるフレームのシミュレーションの状態がすべて含まれます。
File DOPにより、その状態を再度ネットワークへ読み込むことができます。
Dopnet ObjectまたはDopnet SOPのFiles to Playパラメータにそれらのファイルシーケンスを直接指定することもできます。
保存された状態ファイルは、シミュレーションの持続性キャッシュです。 これらのファイルを移動させて、ある場所でシミュレーションを行ない、その結果を別の場所で使うことができます。 例えば、HScriptスタンドアロンユーティリティを使って、レンダーファームでシミュレーションを行ない、状態ファイルへ出力保存した後、 状態ファイルをFile DOPを使ってロードすれば、ローカルでシミュレーションを再現できます。 これにより、夜のうちにレンダーファームでシミュレーションのバージョンを複数回行ない、翌日にその結果を比較できるようになります。
パラメータ ¶
Save to Disk
シミュレーションを.simファイルシーケンスとしてディスクに保存します。
Save to Disk in Background
バックグラウンドでHoudiniのコピーが起動し、そのコピーがシミュレーションを.simファイルシーケンスとして保存します。 これは、.simファイルシーケンスが完了した後でも動作し続けて、それらのファイルを読み込むことができます。
Valid Frame Range
このレンダーノードが現行フレームまたは Start/End/Inc で指定された画像シーケンスのどちらを出力するのかを制御します。
Render Current Frame
現行フレームのみをエクスポートします。
Render Frame Range
Start/End/Inc で指定された範囲のフレームをエクスポートしますが、その範囲内のフレームが参照しているフレームのエクスポートも許可します。
Render Frame Range Only (Strict)
Start/End/Inc で指定された範囲のフレームのみをエクスポートします。 その範囲内のフレームが参照している他のフレームのエクスポートを許可しません。
Start/End/Inc
レンダリングするフレーム範囲(開始フレーム、終了フレーム、増分値)を指定します。すべての値には浮動小数点の値を指定することができます。その範囲の値を含みます。
これらのパラメータが出力ドライバのローカル変数の値を決めます。
$NRENDER
出力ドライバでレンダリングされるフレーム数。
$N
レンダリングされている現行フレーム(1から始まり、$NRENDER
で終わります)。
Render with Take
レンダリング時に特定のテイクの設定を使用します。レンダリング時に現行テイクを使用するには、 Current を選択します。
DOP Path
レンダー元のDOP Networkです。(DOP Network内でDOPを指定することができますが、Houdiniは全体のネットワークの状態を保存します。)
Output File
シミュレーション状態を保存するファイルです。必ずファイル名に$SFを含めてフレームごとに別々のファイルを書き出してください。
Output Every Sim Frame Using $SF
フレーム範囲のステップ毎のフレームではなく、シミュレーションフレーム1つ1つすべてを出力します。 このモードでは、サブステップの設定を考慮せずに単に全体の範囲を設定すればよいだけです。
この場合では、ファイル名には$Fではなく$SFを使用してください。
Skip Existing Frames
既存フレームのレンダリングをスキップします。このパラメータには3つの値があります。
Overwrite existing frames
このオプションは、ディスク上のファイルの有無に関わらず、すべてのフレームをレンダリングします。
Skip frames that exist
vm_picture
パラメータに該当するディスクファイルが存在すれば、そのレンダリングを実行しません。
Skip frames that are valid images
ディスクファイルが存在すれば、レンダリングを実行する前に、その画像の整合性をチェックします。 このオプションは、画像の読み込みに負荷がかかりますが、完全にレンダリングされなかった画像を再レンダリングします。
Initialize Simulation OPs
すべてのシミュレーションOPを強制的にリセットします。 これには、DOP NetworkやPOP SOP、およびそれらの結果をキャッシュ化する他のOPを含みます。
これはシミュレーションをレンダー出力する最も安全な方法です。 シミュレーションをゼロの状態から開始し、異なるパラメータで実行した可能性のある部分的なシミュレーションがすべて破棄されるからです。 しかし、処理済のシミュレーションを捨ててしまうのは、特に流体のような比較的遅いソルバの場合は、代償が大きいかもしれません。
Compress .sim Files
キャッシュ用にディスクに書き込まれた.simファイルを圧縮するかどうかを決定します。 GZipは圧縮率が非常に良いですが、非常に遅いです。 Bloscは圧縮率と速度が素晴らしいので、通常ではこれを使うべきです。
Alfred Style Progress
ファイルの書き込みが何パーセント完了したかを示す値です。 これは、PixarのAlfredレンダーキューが求めるスタイルになります。
Scripts ¶
様々な実行ステージで実行されるスクリプトコマンドを指定することができます。 スクリプトパラメータに対して選択されたエクスプレッション言語によって、このコマンドがHScriptなのかPythonなのか判断されます。
実行する前に、このノードが自動的にグローバル現行ノードとして設定されます。
ファイルからステートメントを実行したいのであれば、
.cmd
拡張子(言語が HScript に設定されている場合)または.py
拡張子(言語が Python に設定されている場合)が付いたファイルのパスを指定してください。
スクリプトには追加で引数を指定することもでき、シェルと同様の方法で引数が解析されます。
Pre-Render Script
任意のレンダリング前に、このスクリプトを実行します。
Pre-Frame Script
各フレーム前に、このスクリプトを実行します。
Post-Frame Script
各フレーム後に、このスクリプトを実行します。
Post-Render Script
すべてのレンダリング後に、このスクリプトを実行します。