Houdini 20.0 What’s new What’s new in Houdini 20

What’s new KineFXとアニメーション

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Od Studiosによる概念と実行

アニメーション

  • Animateステート は、アニメーションシーン内に複数のキャラクタを表示することができ、 ユーザがキャラクタに対してFKやIKといったポージングを実行したり、キャラクタのコントロールを操作したり、キャラクタ間に拘束を付けることができる新しいビューアステートです。 また、Animationステート内では、ユーザは、物理ベースのモーションやラグドールといった機能をアニメーションに適用することもできます。

    Od Studiosによるキャラクタの概念、モデル、リグ、アニメーション
  • Houdiniの新しく導入されたアニメーションワークフローでは、ユーザは、キャラクタとアニメーションをシーンに追加したり、モーションリターゲットを介してアニメーションをキャラクタに転送したり、シーンアニメーションを再生することができます。

  • 選択セット は、その新しいAnimateステート内でキャラクタコントロールをグループやセットに整理するのに使用します。選択セットを使用することで、コントロールをまとめて選択、非表示、ピン留め、Isolate(単独表示)させることができます。

  • アニメーションツールバー は、単純なスライダーツールで構成されたカスタマイズ可能なツールバーです。このツールバーは、迅速に仮ポーズを決めたり、アニメーションコントール/カーブに簡単に修正(キーのリサンプリング、キーをEaseカーブにブレンドなど)を加えることができるので、アニメーションワークフローの改善に役立ちます。

  • アニメーションブックマーク は、プレイバー上やアニメーションエディタのタイムライン上の単一フレーム上、一連の範囲のフレーム上のマーカーです。このブックマークは、アニメーションの各部分を整理して一目で区別できるようにするのに役立ちます。 ブックマークは、プレイバーブックマークエディタアニメーションエディタで作成、編集、確認することができます。

  • プレイバー上では、隣接するフレームキーフレームアニメーションブックマーク間を移動するキーボードショートカットが更新されました。

  • Attribute from Parameters SOPに新しく追加された Create Channel Primitives パラメータは、アニメーションパラメータからチャンネルプリミティブを作成します。 このチャンネルプリミティブは、APEX Scene Animate SOPでアニメーションを保存するのに使用されます。詳細は、Animateステートを参照してください。

  • チャンネルリストパラメータエディタメニューに新しく追加された Mute ChannelUnmute Channel のオプションを使用することで、そのチャンネルをアニメーションに影響させるかどうかを制御することができます。また、ドープシードでは、個々にキーをミュートすることができます。

  • KineFXキャラクタがキャラクターピッカーに対応しました。

  • アニメーションエディタのグラフビュー内では、キーフレーム上に直接マウスカーソルを置かなくてもを使用してそのキーフレームを移動させることができるようになりました(キーフレームを動かす別の方法はグラフビューを参照してください)。このでグラフを操作する方法は、新しく追加されたMiddle Mouse Interactionオプションで設定することができます。

  • グラフビュー内で カーブを引っ張る 時は、bezierセグメントやcubicセグメントをドラッグすることで、そのカーブの形状を直感的に制御できるようになりました。

  • グラフビュー内の Show Selected Handlesがデフォルトのハンドル表示モードになりました(以前は、 Show All Handlesがデフォルトのモードでした)。また、タイムマーク(フレームハンドル)がデフォルトで非表示になりました。

  • グラフビュー内のSlopeハンドルとAccelerationハンドルはlinear、ease、easein、easeoutのセグメント関数で表示されるようになりました(以前は、bezierとcubicの関数でのみ表示されていました)。詳細は、SlopeとAccelerationの表示オプションを参照してください。

  • グラフビュー内の Edit メニューで、カーブのリサンプリングやフィッティングによるキーフレームの追加/削除のオプションは、 Bake Keyframes of Selected SegmentsReduce Keyframes of Selected Segments の2つの選択項目に分かれました。さらに、それらのオプションのダイアログに新しく追加された Enable Preview オプションは、そのキーに加えられた変更内容のライブプレビューを有効にすることができます。

  • チャンネルを平滑化する時、デフォルトではキーはリサンプリングされなくなりました。(グラフビュー内の Edit ▸ Smooth Selected Channels の) Smooth Keyframes on Selected Channels ダイアログに新しく追加された Resample Keys オプションによって、キーをリサンプリングするかどうか選択することができます。

  • グラフビューのパフォーマンスは、内部でGPUを利用することで改善されました。あなたのビデオカード/ドライバがGPUアクセラレーションをサポートできていない場合、新しく追加された環境変数のHOUDINI_ANIM_ENABLE_GPU_ACCELERATIONを無効にしてください。そうすることで、以前のCPUを使用した方法に戻ります。

  • アニメーションエディタのドープシートでは、既に選択されているキーと現在選択されているキーとで色が異なるようになりました。ドープシートのキー選択の挙動は他にも改善が加えられています。

プロシージャルリギング

APEX rig
  • APEX(All-Purpose EXecution)は、Houdiniの新しいグラフ評価フレームワークです。これによって、ユーザはグラフ構造を構築してそれを実行し、その結果を取得することができます。 KineFXリギングフレームワーク内では、このAPEXグラフはリグロジック(要するに、リグの挙動)の表現に使用されています。 APEXでは、ユーザは、リグロジックのピースをプロシージャルに構築して組み立てることができ、ネットワーク内の下流のどこかでそのグラフを評価(実行)するように選択することができます。 この 遅延評価 の考え方は、リグロジックとリグ評価を切り離すことができるので、パフォーマンスが大幅に向上します。

  • 新しく追加されたAPEX Autorig Component SOPを使用すれば、ユーザは、FK階層、IKジョイント、ボーン変形などの機能が追加された事前構築済みのリグコンポーネントを使用して、キャラクタ全体のリグを構築することができます。 さらには、ユーザは、リグロジックを表現したAPEXグラフを組んで独自のコンポーネントを構築したり、新しく追加されたAPEX Rigscript Component SOPを使用して独自のユーザ定義の機能を既存のキャラクタリグに追加することができます。 そして、この機能をツールとしてパッケージ化して、複数のキャラクタで再利用することができます。

  • 新しいアニメーションワークフローとリギングワークフローに対応するために、 パックキャラクタフォーマット が導入されました。 これは、ビューポートで1体以上のキャラクタを作成およびアニメーションさせるのに必要なデータを定義し、まとめて、整理することができます。

  • Merge Packed SOPに、新しいtreatasfolderIntrinsicアトリビュートを設定するためのオプションが追加されました。 このtreatasfolderIntrinsicアトリビュートは、パックジオメトリプリミティブをフォルダまたはエレメントのどちらとして扱うのかを示します。

  • Joint Deform SOPBone Deform SOPOther Attributes パラメータがデフォルトで*に設定されました。 この設定だと、すべての“トランスフォーム系”アトリビュートが変形されます。 Deform Normals オプションを無効にすると、 Other Attributes で指定されている法線は変形されません。

    Note

    これによって、H20より前のバージョンのHIPファイルで Other Attributes に法線が指定されていた場合、 Deform Normals オプションは以前では無視されていたため法線は変形されません。

  • ジョイントがすべての子ジョイントと重なっている時、Orient Joints SOPに新しく追加された Orient Overlapping Joints パラメータによって、向きの参照として使用可能な子ジョイントまたは親ジョイントを検索することができます。

  • モーションパスハンドルの設定がHoudini Preferencesで変更できるようになりました。

プロシージャルなモーションと物理

おおまかなポージングの軌道
物理ベースのモーションによって生成された軌道
おおまかなポージング
アニメーション追加された物理ベースのモーション
  • 物理ベースのモーションが導入されたことで、新しく追加されたProjectile Motion SOPPendulum Motion SOPを使用して、リアルに見える軌道を簡単且つ高速に作成することができるようになりました。

  • 新しいバージョンのラグドールソルバのRagdoll Solver 2.0 SOPでは、剛性やモーターなどのジョイント特性をもっと簡単でもっと柔軟に設定できるようになりました。 さらに、入力アニメーションのローカルまたはワールドのトランスフォームのマッチングをサポートしています。 ソルバ上では、物理特性、外部接着拘束を簡単に設定できるようになりました。以前は、上流でノードを追加する必要がありました(Ragdoll Constraints SOPは廃止され、それは今ではソルバの一部となりました)。 シミュレーションパフォーマンスが大幅に改善され、このソルバは、もはやフレーム範囲全体にわたって入力アニメーションを事前にクックしなくなりました。 それよって、上流で加えられたアニメーションの変更は、このソルバ上でもっと高速に更新されます。

  • 新しく更新されたRagdoll Collision Shapes 2.0 SOPでは、スケルトンに対してさらに自動的にコリジョンシェイプを生成できるようになりました。 ユーザがあまりセットアップ手順を踏むことなくスキンジオメトリまたは基本形状からスケルトン全体のコリジョンシェイプを自動的に生成することができます。 また、生成されたコリジョンシェイプを微調整したり操作するための新しいオプションセットが用意されています。

  • 新しく追加されたConfigure Joint Limits SOPは、ラグドールRBDシミュレーションフルボディインバースキネマティクスポージングなどの様々な用途でジョイント制限を設定する専用ノードです。 これは、既存のConfigure Joints SOPよりもいくつか品質と使い勝手が良くて、例えば、複数のジョイントの制限を一度に設定することができたり、設定された制限外にあるジョイントを視覚化するオプションがあったり、制限の機能を複数のジョイントに対してコピーアンドペーストすることができます。

  • Smooth Motion SOPの入力にMotionClipを接続する時に、範囲系のパラメータ( Clip RangeFrame Range )が無効な場合、代わりにそのMotionClipで定義されているフレーム範囲が使用されます。

  • Smooth Motion SOPCustom Frame Range パラメータのデフォルトが$RFSTART/$RFENDではなく$FSTART/$FENDに設定されました。 $RFSTART/$RFENDだと、再生範囲が変更される度に無駄に再クックが走ってしまっていました。

  • Stabilize Joint SOPSecondary Motion SOPSmooth Motion SOPのビューアステートがボックス選択に対応しました。

入力/出力

  • 新しく追加されたリギング用のKineFX Dem Bones Skinning Converter SOPは、Smooth Skinning DecompositionアルゴリズムをKineFXツールセットに統合しています。 このノードは、Joint Deform SOPと一緒に使用する際に、ジオメトリが変形準備できているように、一連のポーズからスキンウェイトを生成することができます。

  • USD Character Import SOPSOP Character Import LOPは、KineFXキャラクタ用のUsdSkel Dual Quaternionスキニングに対応しました。 UsdSkel Dual QuaternionスキニングはUSD 23.02で追加されました。

    Note

    現在のところ、(Joint Deform SOPSkinning MethodBlended Dual Quaternion and Linear と同様に)Blended Linear and Dual QuaternionスキニングメソッドはUSDでサポートされていません。

  • SOP Character Import LOPには、 Rest Geometry をインポートするオプションが追加されました。

  • USD Character Import SOPUSD Skin Import SOPでは、UsdSkelキャラクタをインポートする時に Purpose を指定できるようになりました。 このPurposeは、キャラクタのスキンジオメトリの一部としてインポートされるUSDプリミティブをフィルタリングします。

  • ROP FBX Animation Output SOPROP FBX Character Output SOPに新しく追加された Compute Smoothing Groups パラメータは、シーン内のメッシュの法線から平滑化グループ情報を計算します。 Override Scene Rate パラメータは、clipinfoアトリビュートのサンプルレートをエクスポートのフレームレートとして使用することができます。 さらに、 Axis SystemOutput UnitConvert to Specified Axis/Unit System のパラメータは、異なる座標系と測定単位を設定、変換することができます。

  • ROP FBX Animation Output SOPROP FBX Character Output SOPCompatibility タブに Export Preset ドロップダウンメニューが追加され、そこで指定されたDCCにエクスポートするのに適した値をパラメータに設定できるようになりました。 この設定には、Unreal EnginやMayaなどのアプリケーションにエクスポートするのに適した軸変換、単位変換、平滑化グループの計算の有無があります。

  • ROP FBX Character Output SOPに新しく追加された Remove Scaling from Joints パラメータは、ジョイントのワールドトランスフォームの移動と回転に影響を与えずにスケールを削除することができます。

  • Filmbox FBX ROPに新しく追加された Compute Smoothing Groups パラメータは、シーン内のメッシュの法線から平滑化グループ情報を計算します。

  • FBX Character Import SOPに新しく追加された Compute MikkT Tangents パラメータは、接線情報を持たないアニメーションFBXキャラクタのインポートのビューポート再生パフォーマンスを良くするために、接線アトリビュートを事前生成します。

  • FBX Skin Import SOPに新しく追加された Compute MikkT Tangents パラメータは、接線情報を持たないアニメーションFBXキャラクタのインポートのビューポート再生パフォーマンスを良くするために、接線アトリビュートを事前生成します。

キャラクタのサンプル

このLuchadorとChickenはSideFXの協力の元、Od Studiosによって作成されました。 これらのファイルは、新しいAPEXシステムを使用したキャラクタリギングの工程(基本セットアップとオートリグコンポーネントの扱い方から、プロシージャルなスキニングの習得まで)を説明するために用意されています。 ここからファイルをダウンロードすることができます。

APEXリギングツールを使用してElectraキャラクタをセットアップする方法を学習します。 このシーンファイルでは、キャラクタ要素の整理の基本、再利用可能なリグコンポーネントの使い方と作り方、アニメータが使いやすいシーンの組み立て方を説明しています。 また、ロケータやリバースフットセットアップを作成するノードがあります。

APEXを使用してKineFXリターゲットワークフローとキーフレームアニメーションを組み合わせる方法を学習します。 ここからファイルをダウンロードすることができます。

What’s new in Houdini 20