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Gas Combustion DOPは、大きな流体シミュレーションの構築で使用されるマイクロソルバです。 Fluid SolverとSmoke SolverのDOPでは、マイクロソルバをメインソルバのステップの前/後に追加して、 シミュレーションの拡張や微調整を行なうことができます。 他にも、やる気のある人なら、マイクロソルバから完全に新しいソルバの構築に挑戦しても良いでしょう。
Gas Combustion DOPは、燃焼モデルをフィールドのセットに適用します。 このDOPは、燃料の燃焼と、それに伴う熱、ガス、すすの放出をシミュレーションするために設計されています。
パラメータ ¶
Enable Soot
燃やされる燃料を、指定したSoot(すす)フィールドに追加するかどうか。 設定すると、 Soot Rate を使用して、燃やされる燃料の各ユニットから放出されるSoot(すす)の量をスケールします。
Normalize Burn Field
Burn(燃焼)フィールドは、最後のタイムステップで燃やされた燃料の量を記録します。 そのフィールドは、タイムステップのサイズによって変わります。 Normalize Burn Field は、そのフィールドをタイムステップで割算し、瞬時に燃やされる燃料の量ではなく、1秒あたりに燃やされる燃料の量を記録します。
Time Scale
すべての燃焼効果をタイムステップでスケールすると同時に、さらに、それらの効果をこのタイムスケールでスケールすることで、スローモーションの挙動を表現することができます。
Settings ¶
Ignition Temperature
燃焼モデルは、Temperature(温度)フィールドがこの値を超えた場合にのみ起こります。 すべての燃料を瞬時に点火したいのであれば、マイナスの値を使います。
Burn Rate
1秒あたりに燃やされる燃料の量。これには比率を指定します。 つまり、0.9は1秒後に90%燃やされることを意味します。
Fuel Inefficiency
実際には燃やされずに保持される燃やされる燃料の量を制御します。 0は、すべての燃やされる燃料がFuel(燃料)フィールドから削除されることを意味します。 1は、燃料が燃やされる時に、燃料がFuel(燃料)フィールドから削除されないことを意味します。
Temperature Output
消費される燃料のすべてのユニットに対してTemperature(温度)フィールドを増やす量。
これは、Influenceパラメータのとおりに、Heat(熱)フィールドやBurn(燃焼)フィールドの両方から影響を受けます。
Gas Released
燃料が燃やされる位置に注入されるガスの量を制御するスケール係数。このパラメータは、燃焼領域を外側に広げます。
ガスの放出は、Influenceパラメータに応じて、Heat(熱)フィールドやBurn(燃焼)フィールドの両方でスケールされます。
Gas Heat Influence
ガスの放出がHeat(熱)フィールドで制御される度合い。
Gas Burn Influence
ガスの放出がBurn(燃焼)フィールドで制御される度合い。
Temp Heat Influence
Temperature(温度)出力がHeat(熱)フィールドで制御される度合い。
Temp Burn Influence
Temperature(温度)出力がBurn(燃焼)フィールドで制御される度合い。
Soot Rate
燃やされる燃料のすべてのユニットに対して作成されるSoot(すす)の量。 この量は、通常では煙としてレンダリングされるDensity(密度)フィールドに追加されます。
Mappings ¶
Temperature Field
Temperature(温度)計算に使用するスカラーフィールド。このフィールドは、Ignition Temperature(点火温度)と比較することで燃焼を駆動させるために使われます。 また、このフィールドは Temperature Output から更新されます。
Fuel Field
ガス内の燃料を意味するスカラーフィールド。このフィールドは、Heat(熱)、Soot(すす)、Gas Release(ガスの放出)に変換されます。
Soot Field
生成されたSoot(すす)の量を追跡するスカラーフィールド。
Divergence Field
反応によって各ボクセル内に放出されるガスの量を意味するスカラーフィールド。 このフィールドは、 Gas Released の値で乗算されたBurn(燃焼)フィールドです。
Burn Field
各ボクセル内で、このタイムステップで燃やされた燃料の量を意味するスカラーフィールド。 このフィールドを使えば、ライト出力などを追跡することができます。
Heat Field
シミュレーションの熱を意味するスカラーフィールド。このフィールドは、燃料が燃えている箇所に Heat Influence が設定されます。 このフィールドは、前のHeat(熱)フィールドに対して最大化され、このフィールドを使用することで、シミュレーションの挙動に影響を与えずに時間軸での空気の冷却を追跡することができます。
Stencil Field
このノードの計算の実行先でステンシルとして使用するスカラーフィールド。 ステンシル値が完全に0.5を超えたボクセルにこのオペレーションが適用され、他のボクセルは未変更のままになります。
Note
Stencil Fieldを指定しなかった場合や存在しなかった場合、このオペレーションはどこにでも実行されます。
Advanced ¶
Use OpenCL
特定のマイクロソルバに対してGPUアクセラレーションを有効にします。 この機能は、どのグラフィックカードやOSでも動作するわけではありません。 Side Effects SoftwareウェブサイトのSupportセクションのSystem Requirements情報をチェックしてください。
最新のグラフィックカードを使用し、最新のドライバにアップデートしてください。 OpenCLの動作を検証するために、テストシミュレーションでは、まずは低解像度シミュレーション(例えば、643グリッド)から始めて、 そして、解像度を上げていってください。 OpenCLによる余分なメモリ転送オーバーヘッドは、高解像度(例えば、2563あたり)にのみ価値があります。
単純なSmoke Solverでは、1番目のフレームソースの後のシミュレーションからGPUを使用します。 GPUが有効になっていないマイクロソルバを追加すると、Houdiniは、エラーを出さずに、GPUが必須のCPUコピーを実行します。
最高速にするには、システムがビデオカード間とのコピーを最小限にする必要があります。サンプルファイルでは、コピーを最小化するための方法をいくつか説明しています。 GPUアクセラレーションを使用した高速シミュレーションをセットアップする方法に関しては、OpenCL smoke example fileを参照してください。
非常に高解像度な単純なSmoke Solverシミュレーションが、OpenCLによって速くなるはずです。とはいえ、デフォルトのPyroエフェクトは、自動的により速くなるようにシミュレーションしません。
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デフォルトのPyroエフェクトは、速い初期再生をするために、非常に低い解像度になる傾向があるので、GPUアクセラレーションがそのオーバーヘッドを大きく上回るほどに十分なボクセルを持ちません。
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デフォルトのPyroエフェクトは、GPUに対応していない形状ノードを多く持っています。ほとんどのノードのGPUが有効(例えば、Vortex Confinement)であっても、かなりの数のPyroノードがVOPベースであり、GPUが有効ではありません。
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キャッシュ化は、DOP内ではデフォルトで有効です。
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サイズ変更は、デフォルトで有効です。サイズ変更は、フィールド変更を管理するためにCPUを通さなければなりません。また、GPUメモリをフラグメント化することで、メモリ不足エラーになることもあります。
出力 ¶
First Output
この出力のオペレーションは、このノードに接続している入力に依存します。 オブジェクトストリームがこのノードの入力であれば、その出力も入力と同じオブジェクトを含んだオブジェクトストリーム(しかし、取り付けられたこのノードのデータを持ちます)です。
オブジェクトストリームをこのノードに接続しなかった場合、その出力はデータ出力になります。 このデータ出力をApply Data DOPに接続したり、他のデータノードのデータ入力に直接接続することで、 このノードのデータをオブジェクトや他のデータに取り付けることができます。
ローカル変数 ¶
channelname
このDOPノードはData Optionsページの各チャンネルとパラメータに対して、チャンネルと同じ名前のローカル変数を定義します。 例えば、ノードにPositionのチャンネル(positionx、positiony、positionz)とオブジェクト名のパラメータ(objectname)があるとします。
そのノードには、positionx、positiony、positionz、objectnameの名前を持つローカル変数も存在します。これらの変数は、そのパラメータに対する前の値を評価します。
この前の値は、処理されているオブジェクトに追加されたデータの一部として常に保存されています。 これは、本質的には以下のようなdopfieldエクスプレッション関数のショートカットです:
dopfield($DOPNET, $OBJID, dataName, "Options", 0, channelname)
データがまだ存在しないなら、ゼロの値または空っぽの文字列が返されます。
DATACT
この値は、現在のデータが作成されたシミュレーション時間(変数STを参照)です。 このノードが新しいデータを作成せずに既存データを変更していれば、この値は現在のシミュレーション時間と同じにはなりません。
DATACF
この値は、現在のデータが作成されたシミュレーションフレーム(変数SFを参照)です。 このノードが新しいデータを作成せずに既存データを変更していれば、この値は現在のシミュレーションフレームと同じにはなりません。
RELNAME
この値は、データがリレーションシップ(例えば、Constraint Anchor DOPがConstraint DOPの2番目、3番目、4番目の入力に接続されている時)に追加されている時だけ設定されます。
この場合では、この値は、データが追加されているリレーションシップの名前に設定されます。
RELOBJIDS
この値は、データがリレーションシップ(例えば、Constraint Anchor DOPがConstraint DOPの2番目、3番目、4番目の入力に接続されている時)に追加されている時だけ設定されます。
この場合では、この値は、データが追加されているリレーションシップのAffected Objectsすべてに対するオブジェクトIDをスペース区切りにしたリストの文字列に設定されます。
RELOBJNAMES
この値は、データがリレーションシップ(例えば、Constraint Anchor DOPがConstraint DOPの2番目、3番目、4番目の入力に接続されている時)に追加されている時だけ設定されます。
この場合では、この値は、データが追加されているリレーションシップのAffected Objectsすべてに対するオブジェクト名をスペース区切りにしたリストの文字列に設定されます。
RELAFFOBJIDS
この値は、データがリレーションシップ(例えば、Constraint Anchor DOPがConstraint DOPの2番目、3番目、4番目の入力に接続されている時)に追加されている時だけ設定されます。
この場合では、この値は、データが追加されているリレーションシップのAffector Objectsすべてに対するオブジェクトIDをスペース区切りにしたリストの文字列に設定されます。
RELAFFOBJNAMES
この値は、データがリレーションシップ(例えば、Constraint Anchor DOPがConstraint DOPの2番目、3番目、4番目の入力に接続されている時)に追加されている時だけ設定されます。
この場合では、この値は、データが追加されているリレーションシップのAffector Objectsすべてに対するオブジェクト名をスペース区切りにしたリストの文字列に設定されます。
ST
ノードが評価されるシミュレーション時間です。
この値は、変数Tで表現される現在のHoudiniの時間と同じではなく、DOP Networkの Offset Time と Scale Time のパラメータの設定に依存しています。
STは、シミュレーションの開始時間がゼロになるようになっています。
つまり、シミュレーションの最初のタイムステップをテストする時は、$T == 0
や$FF == 1
を使うのではなくて、$ST == 0
のようなテストを使うのがベストです。
SF
ノードが評価されるシミュレーションフレーム(正確には、シミュレーションタイムステップ番号)。
この値は、変数Fで表現される現在のHoudiniのフレーム番号と同じではなく、DOP Networkパラメータの設定に依存しています。 代わりに、この値は、シミュレーション時間(ST)をシミュレーションタイムステップサイズ(TIMESTEP)で割算した値と同じです。
TIMESTEP
シミュレーションタイムステップのサイズ。 この値は、1秒あたりのユニットで表現した値をスケールするのに役に立ちますが、タイムステップ毎に適用されます。
SFPS
TIMESTEPの逆数。 シミュレーション時間の1秒あたりのタイムステップ数です。
SNOBJ
シミュレーション内のオブジェクトの数。 Empty Object DOPなどのオブジェクトを作成するノードでは、SNOBJは、オブジェクトが評価される度に値が増えます。
固有のオブジェクト名を確保する良い方法は、object_$SNOBJ
のようなエクスプレッションを使うことです。
NOBJ
このタイムステップ間で現行ノードで評価されるオブジェクトの数。 この値は、多くのノードがシミュレーション内のオブジェクトすべてを処理しないので、SNOBJとは異なります。
NOBJは、ノードが各オブジェクトを続けて処理(例えば、Group DOP)しないなら0を返します。
OBJ
ノードで処理される特定のオブジェクトのインデックス。 この値は、指定したタイムステップで常にゼロからNOBJ-1まで実行されます。 この値は、OBJIDやOBJNAMEなどのシミュレーション内の現行オブジェクトを識別せず、現在の処理順でのオブジェクトの順番を識別します。
この値は、オブジェクト毎に乱数を生成するのに役に立ちます。他には、処理別にオブジェクトを2,3のグループに分けるのに役に立ちます。 この値は、ノードがオブジェクトを続けて処理(例えば、Group DOP)しないなら-1を返します。
OBJID
処理されているオブジェクトの固有ID。 すべてのオブジェクトは、すべての時間のシミュレーション内のオブジェクトすべてで固有な整数値が割り当てられています。たとえオブジェクトが削除されても、そのIDは決して再利用されません。 オブジェクトIDは、オブジェクト毎に別々の処理をさせたい場面(例えば、オブジェクト毎に固有の乱数を生成したい)で非常に役に立ちます。
この値は、dopfieldエクスプレッション関数を使って、オブジェクトの情報を検索するのにベストな方法です。
OBJIDは、ノードがオブジェクトを続けて処理(例えば、Group DOP)しないなら-1を返します。
ALLOBJIDS
この文字列には、現行ノードで処理されているオブジェクトすべての固有のオブジェクトIDをスペース区切りにしたリストが含まれています。
ALLOBJNAMES
この文字列には、現行ノードで処理されているオブジェクトすべての名前をスペース区切りにしたリストが含まれています。
OBJCT
現行オブジェクトが作成された時のシミュレーション時間(変数STを参照)。
そのため、オブジェクトが現在のタイムステップで作成されたかどうかチェックするには、$ST == $OBJCT
のエクスプレッションが常に使われます。
この値は、ノードがオブジェクトを続けて処理(例えば、Group DOP)しないなら0を返します。
OBJCF
現行オブジェクトが作成された時のシミュレーションフレーム(変数SFを参照)。
この値は、OBJCT変数にdopsttoframeエクスプレッションを使ったものと等価です。この値は、ノードがオブジェクトを続けて処理(例えば、Group DOP)しないなら0を返します。
OBJNAME
処理されているオブジェクトの名前を含んだ文字列値。
オブジェクト名は、シミュレーション内で固有であることが保証されていません。 しかし、オブジェクト名が固有になるように注意して名前を付けていれば、オブジェクトの識別は、オブジェクトIDよりも、オブジェクト名を指定するほうが簡単です。
オブジェクト名は、同じ名前を持つオブジェクトの数を仮想グループとして扱うこともできます。
“myobject”という名前のオブジェクトが20個あれば、DOPのActivationフィールドにstrcmp($OBJNAME, "myobject") == 0
を指定すると、DOPがその20個のオブジェクトのみを操作します。
この値は、ノードがオブジェクトを続けて処理(例えば、Group DOP)しないなら空っぽの文字列を返します。
DOPNET
現在のDOP Networkのフルパスを含んだ文字列値。 この値は、ノードを含むDOP Networkのパスを知りたりDOPサブネットのデジタルアセットで非常に役に立ちます。
Note
ほとんどのダイナミクスノードには、そのノードのパラメータと同じ名前のローカル変数があります。 例えば、Position DOPでは、以下のエクスプレッションを記述することができます:
$tx + 0.1
これはオブジェクトをタイムステップ毎にX軸方向に0.1単位分移動させます。