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Gas Integrate Shallow Water Equationsは、Velocityトランスポートを使用せずに、Shallow Water方程式を積分するローレベルノードです。 このヘルパーDOPは、Shallow Water Solver SOPで利用されていて、Shallow Waterシミュレーションを実行するための直感的なインターフェースが備わっています。
具体的には、このDOPは、まず最初に Depth Field の方程式を積分します。この変化率が放電の負の発散(深度とVelocityの積)となります。 次に、(自己移流なしで) Velocity Field を積分します。つまり、Velocityの微分は、サーフェスの負の勾配(底と深度の合計)に比例します。
Gas Integrate Shallow Water Equations DOPは、2次元のフィールドのみに対応し、OpenCLデバイスを使用して、すべての処理を行ないます。 方程式を積分するために、明示的な数値のスキームが使用されていて、タイムステップが大きいほど不安定になります。 その不安定さは、タイムステップを小さくとることで軽減させることができます。 例えば、Gas Substep DOPを使用するか、または、このノードを含んだDop Networkの Substeps を上げることで、タイムステップを小さくすることができます。
このDOPはVelocityフィールドをそれ自体に沿わせてトランスポート(移送)しないので、Shallow Water方程式を完全に展開するには、追加で移流を実行する必要があります。 これは、Gas Advect CL DOPを使用して行なうことができます。このGas Advect CL DOPもOpenCLアクセラレーションを使用しています。
パラメータ ¶
Velocity Field
フローVelocityが格納されたベクトルフィールドの名前。このフィールドは、Shallow Water方程式を使用して展開されます。
Note
このDOPは、Velocityフィールドをそれ自体に沿わせてトランスポート(移送)しません。 Shallow Water方程式を完全に展開するには、追加で自己移流を実行する必要があります。
Depth Field
各ボクセルの水の深度が格納されたスカラーフィールドの名前。このフィールドは、Shallow Water方程式を使用して展開されます。
Floor Field
すべてのボクセルにおける海底の標高が格納されたスカラーフィールドの名前。
Gravity
重力による加速度。 Gravity の値が大きいほど、水面がすぐに平坦になり、波の速度も速くなります。
Velocity Diffusion
Velocity Field に適用されるブラー量を制御します。 この拡散量が多いほど、液体の粘度が高くなります。 少ない拡散量でも、シミュレーションの安定化に役立ちます。
Max Velocity
有効にすると、Velocityの各コンポーネントがこの値でクランプされます。 このパラメータは、非現実的な大きなVelocity値を防ぐだけでなく、シミュレーションを安定化させることができます。
Source Field
有効にすると、指定した Source Field を使用して、シミュレーションに新しい水が追加されるようになります。
Source Scale
Source Field の値を使用してシミュレーションに新しい水を注入する前に、その値に適用される乗数。
Additive Source
有効にすると、 Source Field にスケールがかけられた値が Depth Field に追加されます。 このトグルを無効にすると、代わりに Source Field が最小水位のように動作します(つまり、 Depth Field は規定のソースを下回ることはできません)。
Sink Field
有効にすると、指定した Sink Field を使用して、シミュレーションから水が削除されるようになります。
削除される水量は、深度に比例します。
例えば、0.1
の値は、1秒あたり24フレームの標準フレームレートでは、そのボクセル内の水量が1フレームで10%
減ることを意味します。
Depth Diffusion
Depth Field に適用されるブラー量を制御します。 Depth Diffusion は、シミュレーションの安定化に役立ちますが、非物理的な結果を招きかねないです。
Max Surface Velocity
有効にすると、水深の変化がこの値でクランプされます。 このパラメータを使用することで、シミュレーションを安定化させることができますが、非物理的な挙動を招きかねないです。
通常、波はフィールド境界に当たると跳ね返ります(または、関係するフィールドで Border Type を Repeat に設定されている場合、波は反対側に移動し続けます)。 Damping Layer(減衰レイヤー)を使用することで、波が境界に到達したときに速度を落として、跳ね返りを弱めることができます。 このセクション内のパラメータは、1つ以上の側面に対してDamping Layerを追加することができます。
Damp Depths
このトグルを有効にすると、Damping Layer内で Depth Field も減衰されます。 これによって、Damping Layer内で水が溜まるのを防ぎ、水を途切れなく流出させることができます。 ドメイン内に水を残したい意図がある場合(例えば、海域上で作業している場合)、 Damp Depths を無効にしてください。 そうしないと、水が減衰側に吸い取られてしまいます。
Damping Layer Size
Damping Layerのサイズ。 Damping Layerは、波が徐々に減速できるほど十分な大きさでなければなりません。 Damping Layerが十分な大きさでなかった場合、波は依然として境界に到達し、跳ね返ってドメインに戻ってしまいます。
Damping Strength
Damping Layer内でVelocityが減衰する早さを制御します。 Damping Strength は、Damping Layerに入る波を適切に減速させるのに十分な強さがなければなりません。 ただし、この値を強く設定しすぎると、波が突然停止して、Damping Layer内で波が跳ね返ってしまいます。
Negative First Axis
第1軸のマイナス側に対してDamping Layerを有効にします。
フィールドの2次元平面がXY
、YZ
、ZX
のどれかだった場合、この第1軸は、それぞれX
、Y
、Z
に呼応します。
Positive First Axis
第1軸のプラス側に対してDamping Layerを有効にします。
フィールドの2次元平面がXY
、YZ
、ZX
のどれかだった場合、この第1軸は、それぞれX
、Y
、Z
に呼応します。
Negative Second Axis
第2軸のマイナス側に対してDamping Layerを有効にします。
フィールドの2次元平面がXY
、YZ
、ZX
のどれかだった場合、この第2軸は、それぞれY
、Z
、X
に呼応します。
Positive Second Axis
第2軸のプラス側に対してDamping Layerを有効にします。
フィールドの2次元平面がXY
、YZ
、ZX
のどれかだった場合、この第2軸は、それぞれX
、Y
、Z
に呼応します。
Use Timestep
このノードを適用するために、現行のソルバタイムステップを使用するかどうか決めます。
設定した場合、現行のタイムステップサイズがスケールで乗算されて、このノードの時間の増分値に使用されます。 設定しなかった場合、 Time Scale には積分する絶対仮想時間を指定します。
実際のリアルタイムとマイクロソルバ時間とのリンクを無効にすることで、別々の仮想時間でオペレーションを実行することができます。
Time Scale
このマイクロソルバに使用するタイムステップをこの値でスケールします。 これにより、他とは異なる速度で動作するシミュレーションなどの非現実的な効果を表現することができます。
同様に、ソルバをメインのタイムステップとは関係なく評価する必要がある場合に役に立ちます。
ローカル変数 ¶
channelname
このDOPノードはData Optionsページの各チャンネルとパラメータに対して、チャンネルと同じ名前のローカル変数を定義します。 例えば、ノードにPositionのチャンネル(positionx、positiony、positionz)とオブジェクト名のパラメータ(objectname)があるとします。
そのノードには、positionx、positiony、positionz、objectnameの名前を持つローカル変数も存在します。これらの変数は、そのパラメータに対する前の値を評価します。
この前の値は、処理されているオブジェクトに追加されたデータの一部として常に保存されています。 これは、本質的には以下のようなdopfieldエクスプレッション関数のショートカットです:
dopfield($DOPNET, $OBJID, dataName, "Options", 0, channelname)
データがまだ存在しないなら、ゼロの値または空っぽの文字列が返されます。
DATACT
この値は、現在のデータが作成されたシミュレーション時間(変数STを参照)です。 このノードが新しいデータを作成せずに既存データを変更していれば、この値は現在のシミュレーション時間と同じにはなりません。
DATACF
この値は、現在のデータが作成されたシミュレーションフレーム(変数SFを参照)です。 このノードが新しいデータを作成せずに既存データを変更していれば、この値は現在のシミュレーションフレームと同じにはなりません。
RELNAME
この値は、データがリレーションシップ(例えば、Constraint Anchor DOPがConstraint DOPの2番目、3番目、4番目の入力に接続されている時)に追加されている時だけ設定されます。
この場合では、この値は、データが追加されているリレーションシップの名前に設定されます。
RELOBJIDS
この値は、データがリレーションシップ(例えば、Constraint Anchor DOPがConstraint DOPの2番目、3番目、4番目の入力に接続されている時)に追加されている時だけ設定されます。
この場合では、この値は、データが追加されているリレーションシップのAffected Objectsすべてに対するオブジェクトIDをスペース区切りにしたリストの文字列に設定されます。
RELOBJNAMES
この値は、データがリレーションシップ(例えば、Constraint Anchor DOPがConstraint DOPの2番目、3番目、4番目の入力に接続されている時)に追加されている時だけ設定されます。
この場合では、この値は、データが追加されているリレーションシップのAffected Objectsすべてに対するオブジェクト名をスペース区切りにしたリストの文字列に設定されます。
RELAFFOBJIDS
この値は、データがリレーションシップ(例えば、Constraint Anchor DOPがConstraint DOPの2番目、3番目、4番目の入力に接続されている時)に追加されている時だけ設定されます。
この場合では、この値は、データが追加されているリレーションシップのAffector Objectsすべてに対するオブジェクトIDをスペース区切りにしたリストの文字列に設定されます。
RELAFFOBJNAMES
この値は、データがリレーションシップ(例えば、Constraint Anchor DOPがConstraint DOPの2番目、3番目、4番目の入力に接続されている時)に追加されている時だけ設定されます。
この場合では、この値は、データが追加されているリレーションシップのAffector Objectsすべてに対するオブジェクト名をスペース区切りにしたリストの文字列に設定されます。
ST
ノードが評価されるシミュレーション時間です。
この値は、変数Tで表現される現在のHoudiniの時間と同じではなく、DOP Networkの Offset Time と Scale Time のパラメータの設定に依存しています。
STは、シミュレーションの開始時間がゼロになるようになっています。
つまり、シミュレーションの最初のタイムステップをテストする時は、$T == 0
や$FF == 1
を使うのではなくて、$ST == 0
のようなテストを使うのがベストです。
SF
ノードが評価されるシミュレーションフレーム(正確には、シミュレーションタイムステップ番号)。
この値は、変数Fで表現される現在のHoudiniのフレーム番号と同じではなく、DOP Networkパラメータの設定に依存しています。 代わりに、この値は、シミュレーション時間(ST)をシミュレーションタイムステップサイズ(TIMESTEP)で割算した値と同じです。
TIMESTEP
シミュレーションタイムステップのサイズ。 この値は、1秒あたりのユニットで表現した値をスケールするのに役に立ちますが、タイムステップ毎に適用されます。
SFPS
TIMESTEPの逆数。 シミュレーション時間の1秒あたりのタイムステップ数です。
SNOBJ
シミュレーション内のオブジェクトの数。 Empty Object DOPなどのオブジェクトを作成するノードでは、SNOBJは、オブジェクトが評価される度に値が増えます。
固有のオブジェクト名を確保する良い方法は、object_$SNOBJ
のようなエクスプレッションを使うことです。
NOBJ
このタイムステップ間で現行ノードで評価されるオブジェクトの数。 この値は、多くのノードがシミュレーション内のオブジェクトすべてを処理しないので、SNOBJとは異なります。
NOBJは、ノードが各オブジェクトを続けて処理(例えば、Group DOP)しないなら0を返します。
OBJ
ノードで処理される特定のオブジェクトのインデックス。 この値は、指定したタイムステップで常にゼロからNOBJ-1まで実行されます。 この値は、OBJIDやOBJNAMEなどのシミュレーション内の現行オブジェクトを識別せず、現在の処理順でのオブジェクトの順番を識別します。
この値は、オブジェクト毎に乱数を生成するのに役に立ちます。他には、処理別にオブジェクトを2,3のグループに分けるのに役に立ちます。 この値は、ノードがオブジェクトを続けて処理(例えば、Group DOP)しないなら-1を返します。
OBJID
処理されているオブジェクトの固有ID。 すべてのオブジェクトは、すべての時間のシミュレーション内のオブジェクトすべてで固有な整数値が割り当てられています。たとえオブジェクトが削除されても、そのIDは決して再利用されません。 オブジェクトIDは、オブジェクト毎に別々の処理をさせたい場面(例えば、オブジェクト毎に固有の乱数を生成したい)で非常に役に立ちます。
この値は、dopfieldエクスプレッション関数を使って、オブジェクトの情報を検索するのにベストな方法です。
OBJIDは、ノードがオブジェクトを続けて処理(例えば、Group DOP)しないなら-1を返します。
ALLOBJIDS
この文字列には、現行ノードで処理されているオブジェクトすべての固有のオブジェクトIDをスペース区切りにしたリストが含まれています。
ALLOBJNAMES
この文字列には、現行ノードで処理されているオブジェクトすべての名前をスペース区切りにしたリストが含まれています。
OBJCT
現行オブジェクトが作成された時のシミュレーション時間(変数STを参照)。
そのため、オブジェクトが現在のタイムステップで作成されたかどうかチェックするには、$ST == $OBJCT
のエクスプレッションが常に使われます。
この値は、ノードがオブジェクトを続けて処理(例えば、Group DOP)しないなら0を返します。
OBJCF
現行オブジェクトが作成された時のシミュレーションフレーム(変数SFを参照)。
この値は、OBJCT変数にdopsttoframeエクスプレッションを使ったものと等価です。この値は、ノードがオブジェクトを続けて処理(例えば、Group DOP)しないなら0を返します。
OBJNAME
処理されているオブジェクトの名前を含んだ文字列値。
オブジェクト名は、シミュレーション内で固有であることが保証されていません。 しかし、オブジェクト名が固有になるように注意して名前を付けていれば、オブジェクトの識別は、オブジェクトIDよりも、オブジェクト名を指定するほうが簡単です。
オブジェクト名は、同じ名前を持つオブジェクトの数を仮想グループとして扱うこともできます。
“myobject”という名前のオブジェクトが20個あれば、DOPのActivationフィールドにstrcmp($OBJNAME, "myobject") == 0
を指定すると、DOPがその20個のオブジェクトのみを操作します。
この値は、ノードがオブジェクトを続けて処理(例えば、Group DOP)しないなら空っぽの文字列を返します。
DOPNET
現在のDOP Networkのフルパスを含んだ文字列値。 この値は、ノードを含むDOP Networkのパスを知りたりDOPサブネットのデジタルアセットで非常に役に立ちます。
Note
ほとんどのダイナミクスノードには、そのノードのパラメータと同じ名前のローカル変数があります。 例えば、Position DOPでは、以下のエクスプレッションを記述することができます:
$tx + 0.1
これはオブジェクトをタイムステップ毎にX軸方向に0.1単位分移動させます。
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