On this page | |
Since | 16.0 |
概要 ¶
このノードは、サーフェスシェーディングに完全に特化したモデルです。 これは、Diffuse、スペキュラー、反射のコンポーネントをサポートし、直接照明(光源から)と間接照明(シーン内の他のオブジェクトからの跳ね返りの照明)を計算します。
Classic Shader Core自体がライティングの世話とほとんどの物理特性をシミュレーションするので、単にClassic Shader Coreを出力に接続するだけで、 ほとんどのサーフェスのシミュレーションが可能な“uber-shader”(万能シェーダ)を作成します。
VOPを使ったマテリアルシェーダの構築に関する詳細は、マテリアルの作成を参照してください。
以下が主な特徴です:
-
拡散反射
-
別々の2つのレイヤーを持つスペキュラー反射
-
屈折
-
サブサーフェススキャタリング
-
発光コントロール
物理ベースではないレンダリングに関しては、このノードは以下の内容をサポートしています:
-
ライト単位のエクスポート
-
エリアライトの可変アンチエイリアスのサポート
-
レイトレースの可変アンチエイリアスのサポート
Tip
ほとんどのパラメータは、入力として利用可能ですが、デフォルトでは非表示になっています。 非表示の入力の接続に関しては、VOPの取り扱いを参照してください。
Reflectivity(反射率) ¶
このノードは、 reflectivity (反射率) (または intensity (強度))を使って、異なる寄与度をスケールします。 例えば、デフォルトの見た目は、入射照明から50%をDiffuse、10%をスペキュラー反射として反映します。 残りの40%がサーフェスに吸収され、シーンに反映させません。 反射率を使えば、本物のマテリアルをモデル化しやすくなり、エネルギーが保存されます(つまり、サーフェスシェーダがシーン内で光の量を増やしません)。 また、物理ベースのレンダリングに存在する間接光の量を適切に予測することができます。
これは、plastic shaderやLighting Model VOPなどの古いシェーダで指定するDiffuseとスペキュラーの量とはまったく異なります。 それらのノードでは、roughness(粗さ)を変更することでスペキュラーハイライトのサイズを変更すると、サーフェスの反射率に劇的な影響が起きるため、 物理ベースのレンダリングを使用した時のシーン内の光の量の予測が難しくなります。 このノードを使えば、そのコンポーネントで反射する光の総量に影響なく、スペキュラーハイライトのサイズとanisotropy(異方性)を変化させることができます。
この設計による副作用は、スペキュラーハイライトの最大強度が、roughness(粗さ)とanisotropy(異方性)を変えた時に、変化することです。 これが原因で、Classic Shader Coreノードで作成した鮮明なスペキュラーハイライトが、より明るくなることがよくあります。
Tip
マテリアルの実際の反射率を測定するには、デフォルトの白の環境光の下に球を配置して、この単純なライティング下の球のカラーを検査します。 平均ピクセルカラーが実際のシェーダ反射率です。
Reflectivity(反射率)とポイントライト/スポットライト ¶
Classic Shader CoreのデフォルトのDiffuse反射率(または 強度)は、0.5です。 しかし、非物理減衰で光源を使ってレンダリング(例えば、デフォルトのポイントライト)すると、0.5よりも高い値を持つピクセルが、特にライトが直接当たるサーフェスの箇所で現れます。 画像がより明るくなっても、実際のサーフェス反射質は0.5です。つまり、より明るい画像は、それらのライトタイプのデフォルトの高い強度による結果です。
特に、以下の非物理光源タイプは、以下のことを行ないます:
-
No Attenuation がオンのポイントライト/スポットライト
-
Distant/Sun Light
-
No attenuation と Normalize Light Intensity to Area がオンのエリアライト
物理ベースのレンダリングで反射率を0.5よりも大きく上げると、それらのタイプをライトを使った場合に、画像内の最大明度が1を越える場合があります。 その場合、画像内の明度を下げるために、ライトの強度を下げます( Diffuse Intensity を下げる代わりに)。 その理由は、ライトの強度が変わっても物理ベースのレンダリングでシーン内の反射光の割合に影響を与えないからです。
異方性ハイライト/反射 ¶
異方性マテリアルは、1方向で異なる物理特性を持ちます。 典型的な例は、髪、磨いた金属、レコードで、それらのマテリアルには微細な溝があり、それがライトに反応して1方向に沿って“引き伸ばした”反射/ハイライトが生成されます。
-
Reflect タブの Specular anisotropy パラメータは、ハイライトの方向を制御します。マイナスの値は、V方向に沿ってハイライトを引き伸ばします。 プラスの値は、U方向に沿ってハイライトを引き伸ばします。
-
Tangent style では、UとVに相当するオブジェクトの方向を決めます。 本来の接線、ワールド/ローカル空間、UVアトリビュートを使うことができます。または完璧な制御をするなら、
U tangent (utan)
とV tangent (vtan)
の入力を接続します。
画像平面のエクスポート ¶
このノードは、OpenEXRフォーマットへ書き出す時に追加する画像平面の作成で使用する膨大な数の変数を エクスポート します。 これは、コンポジットと特別なエフェクトで役に立つことがよくあります。例えば、シェーダのDiffuse出力とスペキュラー出力を別々の画像として持たせることができます。
例えば、シェーダのdirect/indirect/combined diffuse/reflect/refractの出力、scattering、samplesなどをエクスポートすることができます。変数単位の合計出力のエクスポートや ライト単位 のエクスポートが可能です。
詳細は、Mantraレンダーノードの追加画像平面のパラメータを参照してください。
パラメータ ¶
Diffuse ¶
このタブはDiffuse反射(簡単に言えば、全体のサーフェスのカラーのことです)を制御します。デフォルト値は、入射光の50%を反射します。
Enable Diffuse
Diffuse反射を有効にします。
Diffuse Intensity
Diffuseコンポーネントとして返される入射光の比率です。0
(Diffuse反射なし)から1
(すべての入射光を反射)。
ポイントライトやスポットライトなどの非減衰ライトは、この値よりも明るいピクセル値を生成する場合があります。
(VEX Plasticシェーダなどの古いシェーダは、シェーダのDiffuse係数を1
に設定した時に、暗黙的に0.5
の反射率を持ちます。)
Diffuse Minimum
Fresnel Blending がオンの時、Fresnel係数でブレンドしない反射の最低量を制御します。 Diffuseコンポーネントは、透過Fresnelコンポーネントでブレンドされます。
DiffuseコンポーネントのFresnelブレンドのみが、1つまたは両方のスペキュラー反射層がオンの時に意味をなします。 スペキュラー反射がない場合、 Fresnel Blending をオフにしてください。
Diffuse Color
オブジェクトが反射するカラー(技術的には、赤、緑、青のカラーコンポーネントの反射率)。
Oren-Nayar Roughness
Diffuseコンポーネントのサイズや広がりの制御で使用する浮動小数点の値。 値を高くするほど、サーフェスの光沢が弱くなり、より平坦な色になります。
Diffuse Component
BSDFコンポーネントのラベルを指定します。 これを使えば、このコンポーネントからの寄与度を別々の画像平面にエクスポートすることができます。
Subsurface ¶
このタブは、サブサーフェススキャタリングを制御します。このノードには、Physical SSSノードのインターフェースのサブセットを用意しています。 サブサーフェススキャタリングをもっと制御する必要があれば、Physical SSSノードをあなた自身で作成したい場合があります。
Enable Subsurface Scattering
オブジェクトを通過したライトのサブサーフェススキャタリングをシミュレーションします。
Subsurface Albedo
スキャタリング(散乱)させるライトの全体の割合。0
(スキャタリングなし)から1
(すべてのライトをスキャタリング)。Subsurface Albedoの値を高くするほど、よりたくさんのスキャタリングとより大きなスキャタリング距離が生成されます。
Subsurface Color
サーフェスを照らす領域の主となるカラー。
Subsurface Minimum
最小スキャタリング(散乱)強度。
Attenuation Density
ライトが散乱した時のライトの強度が弱くなる速さ。 値が高いほど、ライティングレベルが速く下がります。 Parameter mode が Artist の時に利用可能です。
Attenuation Color
サーフェス下で散乱した光に色付けられるカラー。 実際には、これは、サブサーフェススキャタリングの“奥側”の色を制御します。
Scattering Phase
スキャタリングの性質を制御します。プラスの値は、前方に散乱し、0
は等方に散乱し、マイナスの値は後方に散乱します。
範囲は、-1
(完全なBackscattering:後方散乱)から1
(完全なForward Scattering:前方散乱)です。
値は、モデル化しようとしているマテリアルのタイプに依存します。例えば、皮膚は高いforward scattering(前方散乱)で、大理石はBackscattering(後方散乱)です。
Enable RGB Spectral Scattering
赤、緑、青のカラーコンポーネントの独立したスキャタリングを有効にします。 有効にすると、独立したスキャタリングと吸収の係数が各カラーコンポーネントで使用され、より正確なレンダリングをすることができます。 しかし、その結果が時にはAttenuation Colorの補色を表示する場合があります。 例えば、青のAttenuation Colorを使うと、より短いスキャタリング距離は、黄色でレンダリングされます。 部分的にこの予測できない効果を軽減するには、このトグルを無効にしてください。
Enable Single Scattering
サーフェス内で1度正確に散乱するライトのシミュレーションを有効/無効にします。 あるタイプのサーフェス(例えば、皮膚)は、単一スキャタリングからほとんど光を得られないので、このオプションを無効にして、精度にほとんど影響のない計算を減らします。
Single Intensity
サーフェスカラーへの単一スキャタリングの寄与度に対するスケール係数。0
(寄与なし)から1
(完全寄与)。
Single Quality
単一スキャタリングのサンプル数。このオプションを上げると、シェーディングが遅くなりますがノイズが減ります。
Enable Multiple Scattering
光を表面内で2回以上散乱させます。 低いアルベドのマテリアル(低い Subsurface Albedo )では、複数スキャタリングは画像にほとんど寄与しないので、無効にして計算時間を短くすることができます。
Multi Model
複数スキャタリングの計算方法を設定します。 通常では、ポイントクラウドを使う予定ならば Local And Global モードを、ポイントクラウドなしで複数スキャタリングを計算するなら、 Ray Tracing を使います。 ポイントクラウドを使うと、より滑らかで速い結果が得られますが、ポイントクラウドの事前計算とポイントクラウド内の各ポイントのIrradianceの計算(レンダリング毎に1回)が必要になります。
Ray Tracing
ポイントクラウドではなく、レイトレースを付かて複数スキャタリングを近似します。 このオプションは、ポイントクラウドの計算を回避しますが、ノイズを軽減させるためにサンプリング数がたくさん必要になります。
Full Ray Tracing
単一オブジェクトが複数のパックプリミティブ(つまり、複数のAlembicシェイプノード)で構成されている時、各シェイプには、ローカルの複数スキャタリングを持ちます。 Full Ray Tracingを使うと、複数スキャタリングを計算する時に、すべての個々のパックプリミティブが考慮されます。
Local BRDF
BRDF関数のみを使って、複数スキャタリングを計算します。 このオプションが一番高速ですが、サブサーフェスのDiffuseが生成されません。
Global Point Cloud
ポイントクラウドを使って、複数スキャタリングを計算します。 このオプションは、ポイントクラウドを生成する事前計算ステージと、ポイントクラウド内のサーフェスのIrradiance値の計算とキャッシュ化のステージが必要になります。
Local And Global
ローカルの複数スキャタリングの計算でBRDF関数を、グローバルの複数スキャタリングの計算でポイントクラウドを使います。 Local Radius Scale パラメータは、ローカルの半径を制御します。 このオプションは、通常ではポイントクラウドだけを使うよりも、特に短いスキャタリングの距離で精度が良いです。
Path Tracing
ボリュームとしてパストレースすることでサブサーフェススキャタリングをシミュレーションします。 このオプションは、遅くてノイズがありますが、一番精度が高いです。そのため、他の方法と比較すると、グラウンドトゥルースの生成に使われます。
Point Cloud Mode
シェーダがポイントクラウドを生成する方法を設定します。一番単純なオプションは、 Generate At Render Time です。 これは、レンダリングする度に新しくポイントクラウドを作成します。 計算時間を減らすには、まず最初のレンダリングで Write To File モードを使い、それ以降のレンダリングで Read From File モードを使ってポイントクラウドを再利用することです。 これは、アニメーションをレンダリングする時に推奨する方法でもあります。その理由は、シェーダはフレーム間で滑らかにポイントクラウドを補間するからです。 この例外は、モデルのトロポジーが変わる時です(例えば、2つの繋がったポリゴンが分離した時)。この場合では、新しいポイントクラウドを生成しなければなりません。 Write To File モードでは、ポイントクラウドファイルが既に存在すると、それを上書きすることに注意してください。 Write To File モードでレンダリングが完了する前にレンダリングを中断すると、使用できないポイントクラウドファイルが作成されてしまいます。
詳細は、ポイントクラウドの管理を参照してください。
Generate At Render Time
ノードがレンダリングする度にポイントクラウドを再生成します。これは、ファイル管理を考える必要がないので便利です。 そして、同時にシェーダとモデルを修正する時に役に立ちます。 しかし、効率を上げたい、特にアニメーションをレンダリングする時は、ポイントクラウドをキャッシュ化した方が良いです。
Read From File
Write To File モードを使って生成したポイントクラウドファイル(以下の Point Cloud パラメータで指定)からポイントクラウドを読み込みます。
Write To File
以下の Point Cloud パラメータで指定したファイルにポイントクラウドを書き出します。
Point Cloud
Point Cloud Mode が Write To File または Read From File の時に書き込み/読み込みするポイントクラウドのファイルを設定します。 ポイントクラウドがサーフェスのUVに基づいているので、モデルのトポロジーが変わらない限りは、各フレームで新しくポイントクラウドファイルを書き出す必要がありません。
Multi Intensity
サーフェスカラーへの複数スキャタリングの寄与度に対するスケール係数。0
(寄与なし)から1
(完全寄与)。
Multi Quality
ポイントクラウド内のサンプル数を制御します。値を低くするとレンダリングが速くなりますが、より鮮明になり、見た目の精度が悪くなります。値を高くするとレンダリングが遅くなりますが、よりぼやけて、見た目の精度が良くなります。
Base / Coat Reflection ¶
このタブでは、1つまたは2つの層のスペキュラー反射を追加することができます。 各サブタブの Enable reflection layer チェックボックスは、各レイヤーをオン/オフします。 両方のレイヤーをオンにすると、レイヤー間をブレンドせず、単にレイヤーを追加するだけです。
Enable Reflection Layer
この反射レイヤーを有効にします。
Reflect Lights
光源(環境光を含む)を反射します。光源の反射を一般的には“スペキュラーハイライト”と呼びます。
Specular Model
光沢のある反射のシミュレーションに使用する数学モデルです。 各ビュー角度とサーフェス法線に対して、このモデルがライトの反射方向と強度を定義します。 これは、通常ではスペキュラーのハイライトと反射の形状です。
全体的な光沢度とハイライトのサイズは、 Roughness で制御します。 利用可能なモデルは、 Roughness を可変的な物理精度レベル、現在最高精度のGGXにして起きる効果をシミュレーションします。
Roughness が0
の時は、選択したモデルは、何の効果もありません。
なぜなら、その設定では、ライトが完全強度で単一方向から反射されて、そのモデルを無意味にするからです。
詳細は、 Roughness を参照してください。
以下の図では、色々なRoughness値の範囲のモデルで生成された結果を載せています
GGXモデルは、そのRoughnessの表面とライトとの相互作用をより正確にモデル化しているので、その表面がより自然に見えます。
Specular Intensity
このスペキュラーレイヤーで反射するライトの割合。0
(ライトの反射なし)から 1
(すべてのライトの反射あり)。
Specular Minimum
Fresnel Blendingが有効な時、Fresnel係数でブレンド しない スペキュラー反射の割合を制御します。 このパラメータを大きくすると、反射の最小量がサーフェスと直交する光線で表示されます。
Specular Color
スペキュラーハイライトのカラー(技術的には、赤、青、緑のカラーコンポーネントに対する反射率)。
例えば、スペキュラーカラーを1, 0, 0
に設定すると、赤のライトのみを反射するので、ハイライトが赤くなります。
Specular Metallic
金属反射の表現方法を制御します。これは、伝導マテリアルの物理的に正しい反射強度の計算に色々なメソッドを使用します。
Metallic Edge Tint
金属反射モデルに使用する色合いを制御します。これは、オブジェクトのエッジ周り(表面をグレージング角で見た箇所)のカラーを制御します。典型的には、金属は領域毎に若干異なった色合いをしています。
Specular Roughness
これは、顕微鏡レベルでの表面の凸凹の度合いです。最も明らかな効果は、 Roughness を上げると、反射がより光沢を持つということです。
0
の値にすると、その表面は完全に滑らかになり、完全な鏡面反射を生成します。
1
の値にすると、非常に粗い表面を模倣し、非常にぼやけた反射になって、ディフューズ反射と同様になります。
GGX
のように精度の高い Specular Models では、凸凹の表面の反射も、グレージング角(接平面と入射光線がなす角)では暗くなります。
この原因は、Masking-Shadowing効果です。つまり、表面の一部が表面上の微小な溝と突起が原因で視界から隠れて、そこにライトが到達しないからです。
これは、実際にジオメトリを追加するのではなく、単純化された数学モデルを使って行なわれていることに注意してください。
0
の値では、表面が完全に滑らかになり、完全な鏡面反射を生成します。
1
の値は、非常に凸凹したサーフェスをシミュレーションするので、乱反射と同様に非常にぼやけた反射を生成します。
0
から1
に値を変化させた時の視覚的な変化は、線形に近いです。
Specular Anisotropy
Anisotropy Direction によって定義された方向に反射が引き伸ばされます。
これは、方向性バイアスを持つ微小なバンプをシミュレーションし、定義された方向にさらに多くのライトを散乱させます。これは、ブラシがかった金属特有のものです。
このパラメータの効果は、 Roughness によって増加します。 Roughness が0.0
の場合は、何の効果もありません。
Anisotropy Direction
サーフェスのUV座標を基準に Anisotropy の方向を制御します。0.0
の場合、反射は U 方向に引き伸ばされます。0.5
の場合、方向は、 V 方向に90度
回転します。
1.0
は180
度と等しくなります。効果が対称的であるため、これは0.0
と同じ結果を作成します。
回転方向もUVの配置により決まります。テクスチャがミラーリングなしでサーフェスに表れるようにUVが配置されている場合、値を大きくすると反時計回りに回転します。
このパラメータの効果は、 Roughness と Anisotropy が減少すると少なくなります。
Reflect Objects
この反射レイヤーは、レイトレースを使って、シーン内の他のオブジェクトを反射します。
Separate Object Reflection Parameters
スペキュラー反射のパラメータから独立して、オブジェクト反射に対して、別々のroughness(粗度)、強度、カラーパラメータを有効にします。 これは、オブジェクト反射とライト反射間で芸術的な(物理的に幻想的な)違いを作成することができます。
Reflection Intensity
Separate object reflection parameters がオンの時のオブジェクト反射で使用する強度。これは、 Specular Intensity を上書きします。
Reflection Color
Separate object reflection parameters がオンの時のオブジェクト反射のカラー。これは、 Specular Color を上書きします。
Reflection Roughness
Separate Object Reflection Parameters が有効な時のオブジェクト反射に使用する粗度。
Reflection Component
BSDFコンポーネントのラベルを指定します。 これを使えば、このコンポーネントからの寄与度を別々の画像平面にエクスポートすることができます。
Refract ¶
このタブには、屈折(ライトがグラスや水などのオブジェクトを通過した時に曲がるライト)のパラメータがあります。 デフォルトでは、屈折はオフになっています。 これをオンにすると、サーフェスが Refraction intensity に比例してライトを屈折します。
物理的に妥当な屈折の結果が必要であれば、 Fresnel Blending と Conserve Energy もオンにします。
Enable Refractions
オブジェクトを屈折するライトのシミュレーションを有効にします。
Refract Lights
光源(環境光を含む)を屈折に反映します。
Refraction Model
光沢のある屈折のシミュレーションに使用する数学モデルです。 各ビュー角度とサーフェス法線に対して、このモデルがライトの屈折方向と強度を定義します。 これは、通常ではハイライトと屈折の形状です。
全体的な光沢度とハイライトのサイズは、 Refraction Roughness で制御します。 利用可能なモデルは、 Specular Roughness を可変的な物理精度レベル、現在最高精度のGGXにして起きる効果をシミュレーションします。
Refraction Roughness が0
の時は、選択したモデルは、何の効果もありません。
なぜなら、その設定では、ライトが完全強度で単一方向から屈折されて、そのモデルを無意味にするからです。
Refraction Intensity
サーフェスで屈折させるライトの割合。0
(屈折するライトなし)から1
(すべての入射光が屈折します).
Refraction Minimum
Fresnel Blending がオンの時、Fresnel係数で 曲げない 屈折の割合を制御します。 このパラメータを上げると、屈折の最小量でサーフェスをかする(通常では屈折しない)光線に対しても屈折させます。
Refraction Color
屈折ライトのカラー(技術的には、異なるカラーコンポーネントに対する屈折量)。例えば、屈折カラーを1, 0, 0
に設定すると、サーフェスが赤のライトのみを屈折させます。
Refraction Roughness
これは、顕微鏡レベルでの表面の凸凹の度合いです。最も明らかな効果は、Roughnessを上げると、屈折がより光沢を持つということです。
0
の値では、表面が完全に滑らかになり、ガラスのような完全な屈折を生成します。
1
の値は、非常に凸凹したサーフェスをシミュレーションするので、乳白ガラスのような非常にぼやけた屈折を生成します。
0
から1
に値を変化させた時の視覚的な変化は、線形に近いです。
Refraction Anisotropy
屈折のanisotropy(異方性)の方向と量。Values
0より小さい値は、U方向の屈折を鮮明化するのに対し、0より大きい値は、V方向の屈折を鮮明化します。
Refraction Anisotropy が-1
または1
の時、屈折はanisotropy(異方性)の方向のどれかで幅が0
になります。
Refraction Anisotropy Angle
anisotropic(異方性)屈折を回転させる角度。値が0なら、パラメトリック方向と揃い、他の角度は、時計回りに回転します。
Refract Objects
オブジェクトの屈折を表示します。1枚の反射マテリアルをシミュレーションして、オブジェクトを通過するライトをフィルタリングする場合を除いて、通常では、このオプションをオンのままにします。
Enable Attenuation
オブジェクトを通過したライトの距離に基づいた屈折の色合い。オブジェクトを通過した光線の距離が長いほどより不透明になります。
Attenuation Density
Attenuation(減衰)の計算用のマテリアルの濃度(上記参照)。
この値が高いほど、マテリアルはより不透明になります。
濃度を0
に設定すると、Attenuation(減衰)をオフにしたことと同じになります。
Attenuation Color
オブジェクトを通過するライトに付けるカラー。技術的には、これは、吸収されるカラー(不透明度)の反転です。
Thin Film Refraction
シェーディングするオブジェクトのサーフェスを、オブジェクトの外側とソリッドの内部の間の境界ではなく、薄い屈折フィルムとして扱います。 これをオンにすると、中が空洞のオブジェクトや泡や窓などの薄い屈折オブジェクトをシミュレーションすることができます。 ノードは、屈折率を使って、Fresnelブレンドの反射と屈折の割合を計算しますが、透過光線の方向は変わりません。
Refraction Component
BSDFコンポーネントのラベルを指定します。 これを使えば、このコンポーネントからの寄与度を別々の画像平面にエクスポートすることができます。
Emission ¶
Enable Emission
サーフェスから放出する一定量のDiffuseライトを追加します。例えば、Emission(発光)を有効にすると、オブジェクトはライトオブジェクトがなくてもレンダリングで可視化されます。 これは、いくつかの環境では役に立ちますが、通常では、特にライトをたくさん追加する必要がある場合には、単にエリアライトを追加すれば、シーンを効率的に制御することができます。
Emission Intensity
発光量。
Emission Color
発光カラー。
Emission Illuminates Objects
このオブジェクトの発光は、他のオブジェクトのサーフェスを明るくします。 このオプションをオフにすると、発光がカメラに映りますが、シーンの他のオブジェクトを照らしなくなります。
Opacity ¶
このタブのパラメータは、レンダリングするサーフェスの不透明度を制御し、スプライトのレンダリングのような見せかけの透明効果と見せかせのコースティクスで役に立ちます。
Opacity Scale
Opacity パラメータの値をスケールします。 Opacity パラメータの3つのコンポーネントをまとめて変更することなく、1つの数値で操作できるので便利です。
Opacity
各カラーコンポーネントの不透明度。
Enable Fake Caustics
透過オブジェクトは、本当のコースティクスをレンダリングする時に透過するライトの量を近似化して、半透明のシャドウを生成します。 Indirect Lightを使って本当のコースティクスをレンダリングする場合は、このパラメータをオフにしてください。
Min Shadow Intensity
偽コースティクスで使用する最小シャドウ強度。この値を上げると、シャドウの一番明るい箇所が暗くなります。
Max Shadow Intensity
偽コースティクスで使用する最小シャドウ強度。この値を下げると、シャドウの一番暗い箇所が明るくなります。
Enable Opacity Falloff
カメラに垂直(真正面)なサーフェスの一部とカメラに平行(真横)なサーフェスの一部に対して、異なる不透明度をブレンドします。
Parallel Opacity
Enable opacity falloff がオンの時、サーフェス法線に平行な光線で使用する不透明度。
Perp Opacity
Enable opacity falloff がオンの時、サーフェス法線に垂直な光線(サーフェスに接する光線)で使用する不透明度。
Opacity Rolloff
Parallel OpacityとPerp Opacity間のブレンドポイントを制御します。
1
より大きい値は、Parallel Opacity寄りに、1
より小さい値は、Perp Opacity寄りになります。
Settings ¶
Inside IOR
物理的なFresnel計算で使用する内部屈折率。
水の屈折率は約1.33
です。
Outside IOR
物理的なFresnel計算で使用する外部屈折率。
空気の屈折率はほぼ1
です。
Conserve Energy
サーフェスは、受けた光よりも多くの光を反射することはありません。 これは、物理ベースのレンダリングとレイトレーシングでは重要なことで、シーン内の照明は、レイトレースの跳ね返りを増やしても明るくなりません。 例えば、サーフェスが受ける光の2倍の光を反射するサーフェス( Conserve Energy をオフにして、 Specular Intensity を2に設定)は、 Reflect Limit を上げると不自然な明るさのレンダリングを生成します。
この設定は、ノードが1よりも大きい反射率を検出した時に、その反射率の逆数でBSDFをスケールすることで、エネルギーを保持します。 これは、同じ係数でサーフェスモデルのすべてのコンポーネントを減らして、線形的にサーフェスを暗くします。
サーフェスの合計の反射率( Fresnel Blending をオフと想定)は、 Diffuse Intensity 、 Specular Intensity (各レイヤーに対して)、 Refraction Intensity を合計することで計算することができます。 予測可能な結果に対しては、強度や反射率のパラメータを制限することで手動でエネルギーを保持しようとしてください。
Fresnel Blending
反射/屈折の量をサーフェスの見る角度に基づいて変化させるなら、Fresnel Blendingをオンにします。 これは、グラスや水などのマテリアルをシミュレーションすることができます。 異なるタブ上の“minimum”パラメータ(例えば、 Diffuse タブの Diffuse Minimum )を使うことで各コンポーネントに対してFresnelブレンドの比率を制御することができます。
DiffuseとRefractのコンポーネントは、FresnelブレンドでTransmissive(透過)コンポーネントを使用するのに対して、Reflectコンポーネントは反射コンポーネントを使用します。
Fresnel Style
Fresnelブレンド係数を計算する方法で、パラメータまたはFresnel
入力のどれかから計算します。
Physically Based
Inside IOR と Outside IOR パラメータからFresnel係数を計算します。 これらのパラメータに 屈折率 を入力することで実世界の物理マテリアル/媒体のFresnel特性をシミュレーションすることができます。
Use Connected fresnel
Fresnel
入力を接続されると、それを使います。Fresnel
入力は、反射Fresnel係数にします。
Transmissive(透過)コンポーネントは、1-Fresnelとして自動的に計算されます。
Fresnel
入力を接続しなかった場合、代わりに Inside IOR と Outside IOR のブレンドを使用します。
Ensure Faces Point Forward
必要に応じて自動的に法線を反転するので、平面サーフェスを法線方向に関係なく同じ方法でDiffuseシェーディングをします。 この設定は、屈折とFresnel反射には適用されません。なぜなら、それらは、Fresnelブレンドの内側と外側を定義するために法線方向に依存しているからです。
Note
他のソフトウェアパッケージからエクスポートした法線マップが、このオプションをオンにすることで変な見た目になる場合は、法線マップの法線が反転して出力されていることが原因かもしれません。
Tangent Style
このノードが異方性の反射/ハイライトの方向を計算する方法を制御します。
Use Geometric Tangents
レンダリングするジオメトリのタイプで自動的に定義されたジオメトリの接線(dPds
, dPdt
)を使います。
ジオメトリが接線を定義するので、ジオメトリが動いたり変形しても、ハイライトが変わりません。
しかし、ポリゴンジオメトリに関しては、この接線計算の形式は、エッジに沿って不連続/乱れが発生します。
Intrinsic World Space
ワールド空間で接線を計算します。接線は、すべてのジオメトリタイプで滑らかになりますが、オブジェクトが空間を動くとハイライトが変わります。
Intrinsic Object Space
シェーディングするオブジェクトのローカル空間で接線を計算します。 接線は、すべてのジオメトリタイプで滑らかになりますが、オブジェクトが変形するとハイライトが変わります。
Compute From UV
オブジェクトのUVアトリビュートを使って、接線を計算します。 UとVの接線は、UV座標のプラス方向になります。 UV座標がジオメトリと整合性があって滑らかである限りは、ジオメトリをポリゴンサーフェス上で動かしたり、変形させたり平滑化してもハイライトが変わりません。
Use Connected utan
, vtan
接続したutan
とvtan
の入力から接線値を使用します。
このオプションは、入力に接続したVOPを使って、あなた自身で接線を計算することができるので、非常に柔軟性があります。
Max Ray Distance
非PBRレンダリングでの反射と屈折に対して、この距離(Houdiniのワールド空間単位)を越える光線がジオメトリと交差しなかった場合には、見失った光線として取り扱います。
Note
上図のサンプルは、hdrihaven.comのHDRIを使用しています。
入力 ¶
これらの入力には、Classic Shader Coreノードの補正処理用に接続する入力がありません。 左の入力を非接続にすると、それに相当する名前のグローバル変数またはアトリビュートが自動的に紐付けされます。
P
サーフェスポジション。これは、サーフェスからのレイトレース処理用の原点として使われます。
N
サーフェス法線。N
を上書きすることで、バンプマップを有効化することができます。
I
入射光線の方向。
uv
パラメトリック座標。これは、 Tangent Style を“Compute From UV”に設定した時に計算される接線ベクトルで使用します。非接続の時は、“uv”パラメータが想定されます。
utan
Tangent Style を“Use Connected utan, vtan”に設定した時に使用するU Tangent(U方向接線)ベクトル。
vtan
Tangent Style を“Use Connected utan, vtan”に設定した時に使用するV Tangent(V方向接線)ベクトル。
fresnel
Fresnel Style を“Use Connected fresnel”に設定した時に使用する反射Fresnelブレンド係数。
出力 ¶
出力値は、同じ名前のサーフェスコンテキスト内の出力変数に接続することができます。
Cf
マイクロポリゴンレダンリングとレイトレースレンダリングのエンジンで使用するシェーディングや照明されるサーフェスのカラー。
Of
サーフェスの不透明度。
F
サーフェスBSDF。
See also |