On this page |
概要 ¶
このシェーダは、Pyro Shaderの機能のサブセットを実装していて、Karma XPUで使用可能です。
Smoke(煙)とEmission(発光) ¶
これら2つのコンポーネントを組み合わせて、最終的なボリュームレンダリングを構成します。 煙突の煙、塵雲、その他の全般的な煙要素といった一部のレンダリングでは、煙をシェーディングするだけで済みます。 Smoke(煙)は、主に密度とカラーで制御します。 その一方でEmission(発光)は、炎から放出される光の全体的な強度とカラーを制御します。
これらの各コンポーネントは、作業内容によってボリュームが異なります。
通常ではdensity
ボリュームは煙コンポーネントにバインドし、 Smoke タブのパラメータでその結果のルックを制御します。
このシェーダでは最大3個の発光要素を使用することができます: Scatter, Fire , Secondary Fire 。
Scatter はPyro Bake Volume SOPで生成されたscatter
ボリュームを使用します。このscatter
ボリュームでは内部散乱の効果を事前にベイクしておくことができます。
この散乱は本当の挙動を近似処理したものですが、この手法の方がボリュームライトと多数のボリュームバウンスを使用するよりもレンダリング負荷がはるかに軽いです。
さらに、ルックをもっとアート志向で制御しやすくなります。
Fire と Secondary Fire には、Pyro Shader - Classicの頃のような従来のコントロールセットが用意されています。 特に、これらの発光要素には Intensity フィールドと Color フィールドが必要で、それぞれのフィールドは放出される光の量とカラーを制御します。 Scatter と同様で、 Fire でも他のボリュームでマスクすることができます。
Tip
どの範囲設定でも、それぞれのバインドされたボリュームの値の範囲を考慮してください。 Export タブの Compute Min/Max Values が有効になっている場合、Pyro Solverは、それぞれエクスポートされるボリュームの最小値と最大値をPrimitiveアトリビュートに書き込みます。
Emissionマスク ¶
Pyro Shaderには、 Scatter と Fire を他のフィールドでマスクする機能があります。
デフォルトでは、mask
フィールドにdensity
が設定されていて、density
が高い領域内の発光を減らす効果があります。
マスクは、煤煙に焦げ焦げなディテールを取り入れることができるので、特に爆発のレンダリングで役立ちます。
正しく使用すると、ボリュームの内部が白熱して、煙の隙間から白熱が垣間見えるようになります。
以下の画像は、Smoke、Scatter、Scatter Mask、それらを最終的に合成した画像を示しています。
Scatter, Fire, Secondary Fire ¶
使用可能なこれら3個の発光コンポーネントは最終レンダリングで一緒に合成されますが、これらはどれも用途が異なります。
-
Scatter は主に爆発内部での光の散乱を模倣するために使用し、Pyro Bake Volumeで生成可能な特別な
scatter
ボリュームに依存します。SmokeとScatter(左) 対 Smokeのみ(右):
-
Fire は炎や火炎のシェーディングに使用することができます。デフォルトでは、発光の強度とカラーのどちらにも
temperature
ボリュームを使用します。このコンポーネントにマスクを適用することも可能です。SmokeとFire(左) 対 Smokeのみ(右):
-
Secondary fire は主にPyro Trail Sourceで生成された軌道の先端に火を付けるのに使用します。このコンポーネントにマスクすることはできませんが、それ以外は考え方としては Fire と同じです。
SmokeとSecondary Fire(左) 対 Smokeのみ(右):
パラメータ ¶
Smoke ¶
Density Scale
煙の全体的な密度を制御します。 この値を上げると、煙の見た目がもっと濃くなります。 この値を下げると、煙の不透明度が下がります。
Smoke Color
煙の全体的なカラーを制御します。 より自然に見える煙を得るには、このパラメータの右側にあるメニューで Constant から Use Ramp に変更します。 これによって、煙のカラーを密度で可変させることができます。
Absorption Color
光がボリュームを通過した時に吸収されるカラー。
Shadow Color
ボリュームから落とされる影のカラー。 このパラメータの右側にあるメニューを Constant から Use Ramp に変更することで、煙の密度に基づいて影のカラーを変えることができます。
Scattering Phase
ボリュームに入射した光の散乱方向を制御します。
デフォルトの0
では、光は全方向均等に散乱します(等方性散乱)。
最大1
までプラスの値を上げるほど、光は入射光と同じ方向に散乱し、最小-1
までマイナスの値を下げるほど、光は後方に散乱します。
このパラメータの右側にあるメニューを使用して、( Phase Control Volume でバインドされた)コントロールボリュームに基づいて位相を変えることができます。
Scatter ¶
Intensity Scale
散乱の発光強度を設定します。 この値を上げると散乱が明るくなります。
Enable Mask
閾値範囲を使って Mask Volume に基づいて発光をマスクします。
Mask Center と Mask Width がそのマスク範囲を制御します。
デフォルトでは、mask
ボリュームがこの範囲の最小値と最大値の箇所において、それぞれ追加発光乗数が1
と0
になります。
mask
値が大きい領域の発光が弱くなります。
マスクは、爆発の焦げ目の付いたディテールを引き出すのに役立ちます。
マスクなし(右)とマスクあり(左)の散乱。
Mask Center
Mask Width と併用して、このパラメータは、発光のマスクに使用される値の範囲を制御します。
mask
値の有効範囲は、Mask Center - Mask Width * 0.5
からMask Center + Mask Width * 0.5
までです。
このパラメータに低い値を設定すると、より多くの発光がマスクされ、爆発があまり明るく白熱しなくなります。
このパラメータに高い値を設定すると、ボリュームが内部で白熱するようになり、この白熱が煙の隙間から垣間見えるようになります。
以下の動画では、 Mask Width を固定にしたまま、このパラメータを上げた効果を示しています。
Mask Width
Mask Center と併用して、発光のマスクに使用される値の範囲を制御します。
mask
値の有効範囲は、Mask Center - Mask Width * 0.5
からMask Center + Mask Width * 0.5
までです。
Mask Colors
発光が( Mask Center と Mask Width で設定された)最小マスク値から最大マスク値までどのように変化するのかを設定します。 白は完全発光、黒は発光なしを意味します。
ランプを最小値から最大値に向かって白から黒に設定した場合:
ランプを最小値から最大値に向かって黒から白に設定した場合:
Tip
デフォルトの黒の赤チャンネルと緑チャンネルを少し上げてると、発光に少し赤/オレンジがかった色が付きます。
Fire ¶
Intensity Scale
炎の発光強度を設定します。 この値を上げると炎が明るくなります。 このパラメータの右側にあるメニューを Use Ramp に設定することで、この強度をリマップすることができます。
Fire Color
Color Volume値を発光カラーにマッピングする方法を制御します。
Enable Mask
閾値範囲を使って Mask Volume に基づいて発光をマスクします。
Mask Center と Mask Width がそのマスク範囲を制御します。
デフォルトでは、mask
ボリュームがこの範囲の最小値と最大値の箇所において、それぞれ追加発光乗数が1
と0
になります。
mask
値が大きい領域の発光が弱くなります。
マスクは、爆発の焦げ目の付いたディテールを引き出すのに役立ちます。
マスクなし(右)とマスクあり(左)の炎。
Mask Center
Mask Width と併用して、このパラメータは、発光のマスクに使用される値の範囲を制御します。
mask
値の有効範囲は、Mask Center - Mask Width * 0.5
からMask Center + Mask Width * 0.5
までです。
このパラメータに低い値を設定すると、より多くの発光がマスクされ、炎があまり明るく白熱しなくなります。
Mask Width
Mask Center と併用して、発光のマスクに使用される値の範囲を制御します。
mask
値の有効範囲は、Mask Center - Mask Width * 0.5
からMask Center + Mask Width * 0.5
までです。
Mask Colors
発光が( Mask Center と Mask Width で設定された)最小マスク値から最大マスク値までどのように変化するのかを設定します。 白は完全発光、黒は発光なしを意味します。
Secondary Fire ¶
Intensity Scale
三次の発光コンポーネントを有効にします。 二次の炎は、爆発の赤熱した軌道をセットアップするのに役立ちます。
このコンポーネントは、概念としては一次の炎に非常に似ています。 唯一の違いは、二次の炎がマスキングに対応していなことです。 そのため、このタブは、 Masking セクションがないこと以外は Fire と同じです。
軌道の二次の炎を有効(左)にした爆発と無効(右)にした爆発。
Bindings ¶
Smoke Volume
煙として使用されるボリュームの名前。通常では、この名前をdensity
のままにしてください。
Scatter Volume
散乱発光カラーフィールド。 Pyro Bake Volume SOPを使用することで、このボリュームを生成することができます。
Intensity Volume
炎の発光の強度に使用されるボリュームの名前。
Intensity Volume
2次の炎の発光の強度に使用されるボリュームの名前。
See also |