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Kelvin Wakes(ケルビン波) とは、等速で水上を移動するオブジェクトの背後に形成される定常状態の波パターンのことを指します。 この波の形状は変化しませんが、浮体の動きによって継続的に引きずられます。 このノードは、そのような波を生成します。 これを使用することで、船の航路や浮遊するキャラクタの背後に出現する波紋パターンを軽くシミュレーションすることができます。
このSOPの1番目の入力には、変形させるジオメトリを接続します。 その入力のタイプに合わせて Deformation Target パラメータを Points または Heightfield のどれかに設定してください。 どちらの場合でも、 Up Axis に垂直な平面で変形が行なわれます。
このSOPの2番目の入力には、波を発生させるオブジェクトを必ず接続してください。
Input を Objects as Points に設定した場合、このジオメトリの各ポイントが浮体を表現し、そのv
Pointアトリビュートは等速である必要があります。
オブジェクトが旋回するような場合、そのオブジェクトの経路をカーブに変換し、 Input を Trajectory Curve に設定してください。
このモードでは、同時に1本のカーブしか対応していませんが、このSOPノードを複数個チェーン接続することで複数のカーブからの波を追加することができます。
Note
このノードは、緩やかな旋回ほど正しい結果を生成しますが、急な旋回またはカーブの別々の箇所がお互いに近接している場合に問題が起こる場合があります。
パラメータ ¶
Up Axis
この軸に垂直な平面で変形が行なわれます。 つまり、各ポイントの座標は、この平面上に投影された後に、変形関数が計算されます。
Gravity
重力による加速度。 Gravity の値が大きいほど変形が小さくなり、生成される波の波長が小さくなります。
Deformation Target
変形させるジオメトリのタイプ。このパラメータの値は、必ず1番目の入力のタイプに合わせてください。
Input
2番目の入力のタイプを指定します。
Objects as Points に設定すると、各ポイントが自身の(v
Pointアトリビュートに格納されている)Velocityに基づいてそのポイントの背後に波を生成します。
Trajectory Curve に設定すると、オブジェクトの経路を表現した1本のカーブが必要になります。
Note
このカーブは、端点を越えて線形補間されます。 つまり、オブジェクトはそのカーブの始点に到達するまで( Curve Start Frame 前まで)直進で移動し、そのカーブの終点以降も直進することを想定します。
Curve Start Frame
Input が Trajectory Curve に設定されている場合、オブジェクトは、このフレームでカーブの始点に到達します。
Traversal Speed
オブジェクトがカーブの経路を通過する速度。 Traversal Speed が大きいほど、オブジェクトはカーブ沿いを速く移動して長い波長の波を生成します。
Note
このノードは、オブジェクトが等速で移動することを前提にして動作します。 そのため、このパラメータをアニメーションさせることはできません。
Supersample
曲がり付近では距離計算が粗くなってしまうので、スーパーサンプリングはその問題を軽減するのに役立ちます。 パターンに粗さが目立つようでしたら、この機能を有効にしてください。 問題箇所を滑らかにするのに十分大きい値、且つ、大きいスケールの歪みを回避するのに十分小さい値をこの距離に設定してください。
Falloffs ¶
Edge Blend
航路の外側エッジ付近の平坦化の度合い。 値が大きいほど、緩やかなブレンドが行なわれますが、内側のパターンを劣化させてしまう場合があります。
Suppress Radius
浮体付近の平坦化の度合い。これは、そのオブジェクト近辺の不自然なスパイクを除去するのに必要です。
Attenuate by Distance
有効にすると、浮体から離れるほど波の高さが減衰します。
Falloff Range is Relative to Speed
これを( Attenuate by Distance と一緒に)有効にすると、 Falloff Range の値は浮体の速度に比例するようになります。 つまり、速く移動する浮体ほど航路が長くなります。 Falloff Range is Relative to Speed を無効にすると、 Falloff Range の値は絶対距離を意味します。
Falloff Range
Attenuate by Distance が有効な時に、ボート背後の擾乱が減衰する距離を制御します。
Spectrum ¶
Magnitude Multiplier
航路の全体的な振幅幅を制御します。
Magnitude Ramp
角度別に波の振幅幅係数を決めます。このランプの中央付近の値と両端付近の値は、それぞれ Transverse Wave(横波) と Divergent Wave(拡散波) を制御します。 Transverse Wave(横波) は、オブジェクトと同じ方向を向くのに対して、 Divergent Wave(拡散波) は、航路のエッジ付近に出現するパターンに影響を与えます。 このランプの左側と右側は、それぞれ航路の左側と右側に呼応します。
Phase Offset
波係数のグローバル位相オフセット。 この値を変更すると、波の形を変えずに航路パターンがずれます。
Phase Ramp
角度別に波の位相係数を決めます。 このランプを使用することで、波全体の形状に影響を与えることなくその波のルックを調整することができます。 このランプの左側と右側は、それぞれ航路の左側と右側に呼応します。
Output ¶
Displacement
有効にすると、指定したPointアトリビュートに各ポイントでの変位量が格納されます。 これは、 Deformation Target が Points に設定されている場合にのみ利用可能です。
Deformation Mask
有効にすると、指定したPointアトリビュートには、各ポイントに適用されたマスク値が格納されます。 このマスク値は、 Falloffs セクション下のパラメータを使用して計算されます。 これは、 Deformation Target が Points に設定されている場合にのみ利用可能です。 Input が Objects as Points の場合、エクスポートされる値は、一番近いオブジェクトのマスク値に相当します。
Local Coordinates
有効にすると、指定したPointアトリビュートには、浮体を基準とした各ポイントの2次元ローカル座標が格納されます。 このローカル座標のX軸は、オブジェクトが動く方向で、Y軸はその垂直方向です。 これは、 Deformation Target が Points に設定されている場合にのみ利用可能です。 Input が Objects as Points の場合、エクスポートされる値は、浮体の一番近いポイントを基準とした座標に相当します。
Height Layer
Deformation Target が Heightfield に設定されている時に調整するレイヤーの名前。